月火水木金土日 今年の中秋の名月は月曜日!
最近、子どもの頃ずっと心の隅にひっかかっていたことがようやく解消しました。
月火水木金土日。
みなさんお馴染みの曜日です。
私は小学生の頃、曜日には自然のものが全部入っていると思い込んでいました。
でも「金」曜日だけは何か仲間はずれのような...きん? かね??
うーん...うーん...Zzz... (分からないと眠くなる体質)
素朴な疑問を感じながらも、解決しないままにそのまま大人になってしまいました。
しかし、先月(8月)忘れてかけていた疑問の答えを知ることになりました。
未来館でお月見イベントもあることだし、月の小ネタを集めようかと月に関する本(最新・月の科学 渡辺潤一 著)を読んでいるときに、曜日の由来について書かれていたのです。
曜日はなんと7つの惑星に由来するらしいのです。
月、火星、水星、木星、金星、土星、日(太陽)。
またまた~。月と太陽は惑星ではないですよー。
って、その通りなんですが、かつて月と太陽が惑星だった時代があったのです!
現在の定義では、惑星は太陽の周りを公転し、自らは光らない比較的大きな星のことですね。
しかし古代の西洋では、天動説が信じられており、地球が宇宙の中心でした。地球から見て恒(つね)に同じ場所に留まる星は恒星、地球の周りを毎日にように動き回り惑う星は惑星と分類されていました。
つまり、火星、水星、木星、金星、土星と同様、太陽と月も地球の周りを動き回る惑星として数えられていました。
そして、地球から空を観察した時にそれぞれの惑星が移動する速さから、地球からの距離を予測し、月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星の順に並んでいると信じられていました(下図:プトレマイオスの天動説)。
そして地球からの距離が遠い惑星の順に、時間を支配していると考えられていました(ここ重要!)。
しかし、曜日の順番とは違いますよね。
もうひとひねり必要です。
一日は24時間あり、週の一日目の1時には、もっとも遠くの惑星(=土星)をあてはめ、1時間ずつ地球から遠い惑星順に時間を支配していると考えました(下図)。
このように、各時刻を支配する星が決められました。そして1時の惑星がその日を支配する星として決められ、現在の曜日の順番となりました。
どの曜日から始まるかは、民族や地域によって異なり、歴史的な事実も関係しているそうです。
月や太陽が惑星だった頃に作られた曜日は、今でもすっかり浸透していますね!
まさか、こんな複雑に曜日が決まっていたとは。
幼少期からこれまで特に調べることもなく、放置されていた曜日の由来の疑問(科学コミュニケーターとしては不甲斐ない...)。
長い年月を経て、やっと解消しました。(金曜日の「金」は、金星だったのね...)
☆☆☆
ある夜、カレンダーを見ながら...
「今年の中秋の名月は9月8日の月曜日かぁ。
お、月が支配する日(=月曜日)に名月なんてステキじゃん...」(月だけに)
夜空に浮かぶ月はすいぶんと明るくなってきました。
そして、もうひとつの美しい月を未来館で見ることができます。
9月1日(月)~9月8日(月)までの間、毎00分、30分にはGeo-cosmosが月に変わります!
中でも10:30、12:30、15:30は科学コミュニケーターのお月見シスターズこと、戸坂、武田、新山(私)によるライブナレーション付きです!
お月見シスターズ見参!(左:武田、右:戸坂、中央:新山)
みなさんをお月見時間旅行へご案内します。
3人とも滑舌や発声などのボイストレーニングを受けて、猛特訓!!西日本出身の私はイントネーションを標準語に直すのが大変でした。
また、お月見ウィークが終わった後も、お月見シスターズの月への愛はやみません!
展示フロアに突如現れて、月に関する解説パフォーマンスを繰り広げる予定です。
出会った人は超ラッキー!?(温かく見守ってくれるとうれしいです、ハイ。)
【参考文献】
「最新・月の科学」 渡部潤一 著 日本放送出版協会
プトレマイオスの天動説(科学技術振興機構「理科ねっと」天文学の歴史)
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