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集落の自治機能

上平川字の会計に任命されてから2期目に入り、最初の大仕事である字費査定がありました。
ご存じない方のために説明すると、字というのは集落のことで、字費というのはご家庭ごとに支払っていただく字運営費のこと。
上平川字はご家庭の状況に合わせて3段階の字費を設定しています。

驚くべきなのは、役員が集まれば141戸ある上平川字民のことを全て把握できていること。
まるで大きな家族のようです。
僕が生まれ育った尼崎で考えたら住民を把握なんてまず不可能で、何なら人のご家庭に干渉するのはトラブルの元。
全員把握することで治安維持できているのは素晴らしいことです。

去年、稀に見る大型台風が近づいて来た時、ご自分で避難するのが困難な老人のご家庭を字の消防団が全て回ったと聞いて、感動したものです。
子どもたちのことも字の皆さんが把握しているから安全に暮らせているんでしょう。

都会ではいくらセコムを付けてもSP付けても得られない安心感が、ここでは無料で得られます。
字に所属しているという社会的欲求も満たされます。
もしも食糧の輸入がバッタリ途絶えたとしても、字のみんなで協力すれば全員が最低限生きていく食糧は生み出せる気がします。

都会のシステムは50年かそこらで突貫工事したような脆さがあり、その弊害が至る所に現れています。
そんな今だからこそ、シマの人たちが守り抜いてきた字システムが見直されるべきだと僕は思っています。

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