wine and moon

 AlphaVersion Records様のアルバム『couverture2』に1曲参加しております。配信などに使えるBGM的なコンセプトのアルバムだそうですので、そういう用途がある方は是非。
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 アルバムのテーマが「夜」ということだったので、当初フェルトピアノでスケッチしていたリフをフェンダーローズに変更し、スケッチ時には情緒的なイメージでもって弾いていたフレーズを、環境音を多めに入れて場面描写的な表現と混ぜ合わせるイメージで制作。


以下意味なし雑談

 曲名に「moon」が付くJazzの曲が好きだ。『Moonlight Serenade』『Fly Me to the Moon』『It' Only a Paper Moon』『Polka Dots and Moonbeams』(『Ugetsu』は……違うか)等々。
 自分が20歳の頃、年末年始に長崎県島原にある父方の実家に久々に帰省した時のこと。親戚一同が集まり騒がしい大晦日だったが、ハタチになりたての自分は、親たちの回顧話に加わるほど大人になり切れず、かと言って年下だらけの従兄妹たちに混ざる気にもなれなかった。
 酒が飲める年齢になったことを祖父にアピールすると、棚の奥のほうから高級そうなワインを出してもらえたので、義理堅く小1時間ほど雑談した後、家の外に出て一人で飲んでいた。月が綺麗な夜で、深夜0時過ぎ、年も明け、それなりに良い気分でちびちびやっていたのだが、知らない間に怪しい男が庭先でウロウロしている。どうも挙動不審だったので声をかけようか迷っていたところ、高校に上がったばかりの従妹が玄関から出てきて、男と合流。どうやら同級生の彼氏らしく、先客がいるとも知らずに座り込んで話し込み始めてしまった。幼いころから知っている従妹だけに、夜遅くにけしからん、と謎の老婆心から声をかけそうになるも、立場的にあまりにも他人すぎるし、そもそも傍から見ると怪しいのは深夜に庭で一人酒を飲む自分のほうだったので、ここは分別のある大人としてただ大人しくウォークマンで流れていたChet Bakerの『How High The Moon』を、月とワインに歌うのであった。
 なお、『wine and moon』はその夜を思い出して作った曲ではない。いよいよもって意味なし雑談である。


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