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20180530 わたしの好きな、かわいい

昼休み届いたメールに梅雨匂う
初夏や転がしている傘四つ
砂利道をざくざくと行く炎天や
梅雨空に一羽の鳥がいたような
アイスクリーム練っているのは男の子

京都の藤井大丸のポップアップショップで、ハローアヤチャン、というかたのアクセサリーに出会った。偶然ではなくて、もともとファンだった妹に連れて行ってもらった(妹もちなみにアヤちゃんという)。

色とりどりに彩色されたプラスチック・アクセサリー。まる、さんかく、しかく、シェイプも自由自在に。コンセプトを描いたドローイングも素敵なのだけれど、その絵の世界観がそのまま具現化されたような、一点一点はショート・ストーリーのよう。すべて一点もので、手作りだから、どれを自分のものにするか、本当に迷ってしまう。

ふたりで「えー、決められへんなあ〜」とうだうだしていた。わたしは、ふっと、セボンスターのことを思い出していた。セボンスター、みなさん覚えているでしょうか。

調べたら、まだあった!セボンスター。カバヤ食品のホームページにある、商品コンセプトは「おしゃれ心が芽生えだす女の子たちへ」。スーパーのお菓子売り場にある、角柱のファンシーな箱に、ペンダントがひとつとミルクチョコレートが入っている。「お菓子買っていい?」「それお菓子じゃないでしょう」っていうやりとりをしながら、しぶしぶ買ってもらったものだ。

セボンスターに憧れたわたしは、その後、おしゃれには傾倒しなかった。はじめてのアクセサリー体験は、大学生のとき、中学時代の恩師がプレゼントしてくれたティファニーのビーンペンダント。

学校生活に悩んでいたわたしの一歩を、先生はとてもよろこんでくださったのだった。わたしはとても嬉しかった。アクセサリーをもらった体験がとても大人びたことのようで、少し背筋がしゃんとした。大切な思い出である。

そのあと、自分でアクセサリーを選んで手に入れることはなかった。自分へのコンプレックスが解けなくて、鏡を見るのは苦手だったし、着飾る自分の姿がどうもあか抜けなくて、また落ち込むばかりだった。アクセサリー・ショップには、縁がないと思っていた。

大学を卒業して社会人になって、たくさんのひとと出会った。ひとりじゃなくて、だれかと出会って、笑ったり、泣いたりしながら、少しずつ、わたしは自分のことを好きになっていった。自分のことを好きになると、自分が好きなものにも素直になれる。20代も後半を過ぎてから、わたしはようやくファッションに関心を持てた。

関心は持ったものの、ちょっと女性的すぎたり、華美なものにはまだ抵抗があって。好きになるのは、カジュアルで、ちょっと個性があるもの。だれかのようにじゃなくて、わたしだけをみてもらえるような。セボンスター的なかわいいの感覚をいつまでも抱いてしまっている、ちょっと頑固でわがままな、そんなおとなにしかなれなかったなあ。まあ楽しいから、いいか。

とっても可愛いブレスレットと、イヤリングを買いました。またひとつ、お気に入りが増えたなんて、いつまでも少女みたいなこと言ってるたのしい一日。

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