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まつのことのはのたのしみ その十一

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。和歌(やまとうた)をライフワークとしてゐる玉川可奈子です。今回も和歌について書きました。最後までお読みいただけたら嬉しいです。

 ちなみに、「まつのことのはのたのしみ」で表紙?に使つてゐる画像は、私が現地で撮影してきた「歌碑」です。山辺の道の旅シリーズでも書きましたが、歌を覚えると、各地の歌碑を見るのが楽しくなります。字の個性や、土地と歌とのつながりなど、さまざまなことに思ひを巡らせることができませう。

 まづは、今まで書いてきたことを簡単に振り返りませう。
 私が述べてきたことは、究極的に次の三点です。

 一、歌の暗記
 二、大和言葉
 三、本歌取り

 実は、これだけでも和歌はそれなりに作れます。

 今回は言葉選びについて、もう一つ付け加へておきたいことがあります。それは、「かなづかひ」です。私は、ここで一貫して正仮名遣ひ(いはゆる歴史的仮名遣ひ)を用ゐてゐますが、実は和歌の表記は正仮名遣ひでなくてはなりません。理由は、大和言葉と同じく先例を重く見てゐるがゆゑです。
 なほ、戦後の国語改悪についてはここでは触れません。興味ある方は調べてみてください。

 では、この仮名遣ひをどうすれば良いのでせうか。かういふと元も子もないのですが、「慣れ」です。慣れるのが一番楽です。

 福田恒存の『私の国語教室』といふ書が、仮名遣ひについて細かく述べてゐて便利ですし、三島由紀夫や内田百閒など正仮名遣ひを用ゐることを常とした作家の作品に日常から親しんでおくとすぐに慣れるでせう。国史学者の平泉澄先生の御著書や日本学協会の雑誌『日本』や、国体学会の『國體文化』も正仮名遣ひで書かれてゐますので、オススメです。

 根本的には同じ国語ですから、少し読めば簡単にスラスラ読めるやうになるでせう。
 私の教へ子のある女性は、「歴史的仮名遣ひで書いてあるものは、別に難しくありませんでした。先生のnoteを読んでゐたら、自然に読めるやうになりました」と言つてゐました。

 さらに和歌を作る上で、手放せないものがあります。古語辞典です。どの会社のものでも構ひませんので、一冊持つておくと便利です。なほ、私はiPadにiPhoneにアプリの古語辞典を入れてゐます。気になつた言葉があればすぐに調べるやうにしてゐます。

 「かなづかひ」にはパターンがあります。それを読むことで覚え、細かい点は辞書で確認する。さうすることで、和歌を作る際に困らない程度のことは覚えることができます。

 勉強は、便利で、ストレスのないのが一番です。
 最後までお読みいただき、ありがたうございました。(続)

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