【小説】マザージャーニー / めぐる、冬 2

本作は2020年「News Picks New School 大友啓史×佐渡島庸平『ビジネスストーリーメイキング講座』の6ヶ月間で作り上げ、kindleには販売中の小説です。

この6ヶ月間は私にとって、転機となる半年間でした。知りたかった学び、出会いたかった仲間、本当に楽しく作品と向き合い続けることができました。
本作を完成させるにあたり、大友啓史監督、株式会社コルク 代表取締役 佐渡島庸平さんはじめ、同じ受講生の仲間たち、運営スタッフのみなさま、そして新たなチャレンジを応援してくれた夫より、多くの助言をいただきました。

note用に少しだけ微修正してます。
ぜひご覧くださいね。

↑はじめからはこちらより

↑こちらに全話まとまってます



帰りの車のなかは、ひんやり冷たかった。流れてゆく景色は、少しずつ夜に溶けて色をなくしていった。


信号で止まった時、お父さんが口を開いた。



「お母さんの仏壇の、写真の裏に、手紙、挟んであるから。―双葉には、これからも、生きててほしいから……」



「……」



……私は、この世界に残りたくなかった。
なのに、残ってしまった。
どっちの世界にも拒絶されてしまった私は、これからどうやって生きたらいいんだろう。本当はいい子に、なりたいよ……。でも、お父さんは私じゃなくて、もっといい子のお父さんになった方が、しあわせになれるよ……。お父さん、本当は、優しくて、がんばり屋だって、知ってるから……。



景色がにじみ、袖で目をふいた。

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997字

■この船の行き先 行き先は、心動く世界です。 学生時代の難民支援、中越地震の復興支援、そして卒業…

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