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生き方を変える

夕暮れ時、満開の色とりどりのつつじの花が美しい。久しぶりに落ち着く時間を持てている。雑草が伸び切った田畑の中のレンゲが風に揺れている。暑くもなく、寒くもなく、中庸。地面を覆う椿の花、用水路を流れる水の音。すべてがあっても何も自分を圧迫するもののないゼロ地点。
たとえば登山の時、登れば登るほど、酸素は薄くなって息は苦しくなる。波打ち際にいれば海の底に水中の世界を感じる。そんな上も下もない平らな場所。わたしはだからそこに住んでいる。自分が自分をいちばん保てる環境。
きっと誰しも自分がいちばん落ち着く場所があると思う。わたしは生まれてから10歳まで住んでいたこの土地が好きだ。

今日はひと月以上ぶりにピラティスに行った。
ひとり欠席者がいたので先生とマンツーマン。身体を壊して入院していた話をしたら、それに合わせて授業を組んでくれた。固くなった身体をほぐしてくれる。
先生はピラティスやヨガの講師になる前は保育士をしていたそうだ。夜勤もある仕事の中で身体と心のバランスを崩してうつ病になったという。「人には同じ環境ストレスを受けても大丈夫な人と大丈夫じゃない人がいる。わたしは弱かった。」
わたしが今の仕事に就いて一年半。何人もの人が体調を理由に辞めていった。
先月、メンタルを壊して、今月身体を壊した。今まで大丈夫だったことが上手くできない。回復の仕方が分からない。
「そういう時は何かを変えなきゃいけないんですよ。私は前の仕事がとても好きだったけど、今の仕事に転職しました。考え方を変える、生活スタイルを変える、習慣を変える。何か変えないと不調から抜け出すことは難しいです。」

抜け出そうと踠いている。
昨日は、何かを変えようとして逆に自分の心と身体を大きく傷つけててしまった。
深夜にティッシュが山になるほど大泣きした。
朝起きて泣きすぎて目が腫れてる母を見て息子が言う。
「俺はパパが居なくても平気だから。俺がいるから助けるから。」

極力、人との予定を減らしていこうと思う。
長時間人と過ごしているのがツラい。元気なところを見せなきゃ、大丈夫です、と言ってしまうから。仕事を辞めるわけにはいかない。夜勤も出ないわけにはいかない。喉の調子も心の調子も良くならない。ストレスの元もよく分かってる。でも、自分で決めたこと。手放せない考え。それでも危ない橋を渡りながら、薬でコントロールしながら均衡を探す。大丈夫です、が本心から言えるように。
ヒントをくれるのは他人だけど、解くのは自分自身。


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プラタナスの光より



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