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わたし、死ねないんだわ


昨日は次男の誕生日で、21時までの仕事を20時までに調整してもらって、仕事終わったあとに注文してたケーキを取りに行って、Uberで次男のリクエストのケンタッキーを家に届けてもらって、車の中に隠しておいたプレゼントを包装して、クラッカーを鳴らしながら玄関を開けた。

家に帰ると、行く前に作った数字の風船は割られていた。お腹を空かせた子どもたちと一緒に食卓を囲む。炭酸が飲めない長男はメロンソーダを飲んで悲鳴を上げていた。

アイスクリームのケーキにデコレーションをして、ロウソクに火を灯して歌を唄う。写真を嫌がる次男の笑った顔を何枚か撮る。
次男の顔はだいぶ少年らしくなった。
買ってもらったゲームソフトで、子どもたちは夜更かしをする。

寝る間際、長男が歯を磨いているわたしに話しかけてくる。
「ママ。久しぶりにしっかり笑ったね」

子どもたちが生まれた日はちゃんと皆で祝いたい。元夫はそういうことが苦手で、自分は祝われたことがないからと、別々に暮らしてからは子どもたちの誕生日を祝ったことがない。
生きていることを祝われること。大事なことと思う。



夜中、
摂らないようにしているカフェインを食べてしまったからか悪夢にうなされる。
海で溺れて、どんどん海底にからだが引き込まれる。美しい青い海。深い。上に上がれない。
「あ、もう無理だ。これ助からない」
そう思った途端、子どもたちのことを考える。
どうしよう、死にたくない、死ねない。
今、死ねないよ。

それからどうしたのか岸にいる。子どもたちを探すと、三男が気が狂ったように大泣きしている。長男と次男が涙を堪えてそれを慰めようとしている。そこで泣きながら目が覚めた。

笑っていてほしい。
子どもたちには笑っていてほしいから、そのための選択を今までしてきた。
生きる目的は泣くことではない。笑い合うことだ。そのためにわたしは死なないことを選択する。



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