産婦人科の_理学療法士って__2_

【産婦人科のリハビリ日記】#6.母親教室を通して理学療法士を少し知ってもらう

産婦人科でリハビリをしている理学療法士が、
妊産婦さんとの関わりの中で思うことを綴っている

\産婦人科のリハビリ日記/

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今日は私が産婦人科に入るきっかけになった
母親教室のお話をしてみようかなと思います。


産婦人科にとって理学療法士は謎

私がそもそも産婦人科に入るようになったのは
最初は「前期マザークラス(母親教室)」からでした。

いきなりリハビリ外来をやりたい!
とか言ったわけじゃないんですよ。

産婦人科という領域の中で
理学療法士っていう職種は
全く知られていない
と言っても過言ではないです。


医師や助産師さんだけじゃなくて
妊産婦さんのような
日本の若い女性はまず理学療法士なんて知らない笑



何が専門どんなことをするのかもよくわからない
どんな人柄なのかもよくわからない

「理学療法士」とか名乗る奴が
急に現れたらビックリされるわけですよね。


母親教室からのスタート

という状況からになるので
最初私は
母親教室へのご提案をさせていただくところから
スタートをしました。


教室で前期の妊婦さんに
理学療法士としてこんな話をしてはどうでしょうか?


と言うような感じで
簡単な資料を用意して少しプレゼンを。
「とりあえずやってみましょう」と
その機会をいただけたので、そこからのスタートでした。


当時も思いましたが、今考えても、
この「とりあえずやってみましょう」の一言の懐の深いこと...!!

とりあえずではやらせてもらえないとこちらは思っていたので


えっ!いいんですか!?

ってなりました。(←自分から言っといて...笑)

こう言うところは、本当に出会いだなって思います。
人と人とが繋がるご縁を感じていました。


母親教室を通して「理学療法士」を知ってもらう

実際に今話している内容は

●妊娠してからの骨盤周りの様子
●日常生活でこう言う姿勢は避けるといいよ
●こう言う工夫で楽にいい姿勢が保てます
●骨盤底筋はこうやって守りましょう
●姿勢がいいと呼吸はこんなに楽ですよ

と言うようなもの。

資料を手作りして、皆さんにお渡ししながら
お伝えしています。

使っている資料はこんな感じです。

妊婦さんにはもちろんなんですが
これは、病院のスタッフさんに
理学療法士を知ってもらうきっかけでもありました。

本当の最初の一歩(母親教室のプレゼンをする時)は、
実は産婦人科医の先生に
ご尽力いただいたので
私はすごくスムーズに入ることができたのですが
そこから先は私が頑張らないと認めてもらえないですしね。


少しずつ少しずつ。

理学療法士の視点で
妊婦さんがどうしたら快適に妊娠生活を送ってもらえるか

と言う点でお話をしていきました。


私がお世話になっているクリニックでは
教室にマタニティビクスの先生も入ってみえるので
実際に体を動かすようなことは、
私ではなくマタニティビクスの先生が行なっています。

分業?ですね。


腰痛などの個別相談

そんな感じで教室の中で少しずつ私のことや
理学療法士の専門性などを知ってもらって、
教室終わりには
個別にご相談を受けるような形
になっていました。


そしたら...
だんだんその人数が増えていき
多い時だと母親教室終わりに5〜6人が
並ぶようになってしまっていました。

何十分待たせるの!ってことにならないかとヒヤヒヤ...

その現状をクリニックのスタッフさんもみていて
ある時


こういうとこが痛いって言う妊婦さんが見えて。
そういう方には何をしてもらったらいいんですか?

と言うご相談を受けることがありました。


理学療法を体感してもらうチャンス

理学療法士ならそれに答えを出すのが難しいことは
わかっていただけるかと思うんですが
「そこが痛い」=「これをやればOK」
って図式は立てにくいんですよね。

私は


人によって原因は違うので
一概にこれをやればいいってものは
当てはまらないかもしれません ...

と前置きをしてから


私だったらまずこう見て
こういうことかもしれないので
こういう介入をして、
それで楽になるようならこういう指導をします

と一連の理学療法の流れを説明しながら
実際にそのスタッフさんのお体をお借りして
お伝えしました。

(↑ここで体感してもらえる!)


痛みで困っている妊産婦さんはたくさんいる

ここから話が急展開してリハビリの立ち上げに至ったのですが
そもそも妊婦健診に来られる妊婦さんや
産後のママさんが
痛みで困っているという現状があるんですよね。

それをちゃんと評価して治療していける
セルフケアを伝えるという事ができるのが
理学療法士の専門性だと思うんですが


私が大切にしているのは

●妊産婦さんの生活を具体的に想像する
●不安を具体的に捉える
●何に困っているかを捉える


つまり、理学療法を通して
妊産婦さんに「寄り添う」という事。

「寄り添う」ってすごく抽象的な言葉だから
私はあんまり好きじゃないんだけど
簡単に言うとそういう事。


痛みや体の不調に私が真剣に向き合う事
ちょっとでも不安が軽くなったり
相談できる場所として安心してもらえたり
結果的にADLやQOLが上がるようなお手伝いになれたら
私がいる意味があるかなって思うんですよ。


理学療法を通して

「妊娠中は仕方ないよね〜」
「あと○ヶ月耐えてね」

から少しでも対応できる場所へ変えていける事で
産婦人科クリニックが妊産婦さんに寄り添う力
の一助になっていますように!!
と思って毎回の出会いを大切に臨床をしています。

サポートいただけるととっても励みになります!