クライアントを幸せにしたい!のワナ
メンターコーチングで様々な音声を聞かせて頂く中で
「うまくいってないな」と感じるセッションの一つが
コーチが問題解決思考になっていること。
そしてこれが、「いい人」によく起こりがち。
そもそもコーチングは
クライアントが「達成したい目標」や「解決したい問題」があるけれど
それを阻む思考や感情のパターンがあるので
それに気が付き、変革していくというもの。
なので、焦点を当てるべきは
「コト」ではなく「人」なのですが
目の前の困っていることに目がいき
それを解決しようと必死になってしまう
ということが起こります。
しかも、先ほども言いましたが
コーチが『いい人』であればあるほど起こりやすい。
共感力が高く
クライアントの気持ちが分かるからこそ
この苦しみから早く救ってあげたい!
という気持ちが沸き起こってしまうからです。
しかも『いい人』であるからこそ
その人の役に立ちたい!と思い
いつの間にかニュートラルな立場から
救う立場に変わってしまっているわけです。
これにはいくつかポイントがあって
まず一つ目は
問題解決思考になりがちな方は
「人の役に立っている自分」に価値を置いていないか?
ということを徹底的に自分を見つめる必要があると思います。
『自己重要感』 ともいいますが
人は集団の生き物なので
多かれ少なかれ「周囲に認められないと生きていけない」という想いが
潜在意識にあると思いますし
周囲に認められないと
評価されないと給料がもらえなかったり
上の立場になっていく(権威を得る)ことができない社会
なので
役に立つ自分でないと
何かを失うのではないか?
という不安や恐怖心が奥底にあり
それが強いと、過剰に「いい人」になりがちです。
私自身、
「認められたい」という気持ちが強く
できるコーチでないとダメだ
その人よりも優れていないとコーチになれない
などの恐れは常にありましたし
今でもむくむくと
自己重要感が湧いてくることがよくあります。
「コーチに頼んで良かったです!」
「すごくスッキリしました!」
「あなたのお陰でこんなに変わることが出来ました!」
という言葉を聞いて
内心、喜んでいる自分がいます。
そういう自分に気が付いたらすぐさま
「また、自己重要感が出てきてる・・
自分が褒められたいというのはもういらない!
褒められなくていい
目の前の人が幸せになるためだけに集中する!」
と言い聞かせ、褒めて頂いたエネルギーは
自分で受け取らず
神様にお返しするようにしています。
コーチングという職業はとても魅力的で
素晴らしいなと思う一方
コーチングってすごくいいと言われる理由の一つは
お客様からダイレクトに「ありがとう」と言ってもらうことができるから
という側面を感じたことがある方も多いのではないでしょうか?
私も初めはそうでした。
でも、きっとコーチは最終的に
クライアントからの「ありがとう」がなかったとしても
クライアントの魂が喜ぶことであれば
何でもさせて頂く気持ちが必要で
言ってみたら
私があなたを変えられるなんておこがましい!
という気持ちで向き合うようにしています。
セッションで問題解決思考になりがちな方は
ぜひ参考にしてみてください。