戯言「夜のえ描き」
【創作です】
暑い・・。
気づけば部屋の掃除をしてから4時間は経過している。
なぜかお腹が痛くなってきた。
やはり買ってしばらくしたキャベツが不味かったのだろうか
それとも。
目の前に飾っているお花の絵を見ながら、そんなことを感げていた。
ホタルイカ流星群が見れるはずだった空は、
憎しみのような雨が降り注いでいる。
しとしとと、ヌメヌメと。
夜。
もうすぐ12時を回る。
またこんな日は絵でも描いてみよう。
最近後輩に買ってもらったクレヨンと自由帳を手に、
いそいそと絵を描き始めた。
しかし妙だ。
自分が描きたいものなのだろうか。
コックリさんの如く自分お手が操られている感覚に見舞われた。
ぐぐれ!コックリさん状態である。
カプメン!(米ぐぐれコックリさんネタ)
右手が緑色のクレヨンで自由帳にヌメヌメと線を書く、
いや這いつくばる、蔓延る、滑る。ナメクジ。きさんた(※忍たまネタ)
するとどうだろう。
そこにはグリーンドラゴンの絵が描き上がった。
右手は意気揚々と、
オレンジドラゴン、ホワイトドラゴンを書き上げた。
ドラゴン三匹組の誕生である。
当然のように絵から出てきた。
え?これが日常だっけ?
「おいドラゴン三人組やないかい!」
ツッコミが部屋にこだまする。
するとドラゴンたちは怪訝な顔でこっちに喋りかける。
グリドラが
「あの、すいまえん。
確かにドラゴンファミリーではあるんですけど。
その、正確には。私がぺんしるで。」
レドら
「私が、つばめで」
ほどら
「僕が、はやだきです」
グリドラ
「三匹合わせて!チームぺんしるです!」
わたし
「ズッコケ三人組!?ちょいちょいネーミングセンス変じゃない?」
グリドラ
「あのー。こんなことは言いたくありませんが。
私たちは、あなたとクレヨンによって作られた生物なので
あなたの・・、センスです」
私
「すぅーーーーーー。」
え?
何どうい事?
回り回って自分に突っ込んでるってこと。
恥ずい。
あ、そうか。
私
「ごめんごめん。ほな名前変えよか。
グリーン、レッド、ホワイト。それで行こう!」
グリドラ
「あの。
大丈夫ですか?」
私「いや、何がよ」
グリドラ
「相応の名前をつけると。大きさ、雰囲気、性別、その他もろもろが変わりますが。」
私
「ええ・・。そういうもんなん?」
グリドラ
「名前は大切でしょ!それをコロコロ変えるなんて。変ですよ!」
私
「そう・・。かぁ・・・。」
何も言い返せなくなってしまった。
ぺんしるファミリー?どういうこと?
誰かと誰かが誰かの親で子供?は?
グリドラ「はい?」
私「あ・・。また言ってた?」
グリドラ「はい。あの私たちに血縁関係はありません」
私「ええ・・」
ぺんしる「私たちは、友だちです。」
どうも自分で書いたもの何に設定が次から次へと出てくる。
しかし紙に書いたものがこんなふうに出てくるとは、
ワンピースにこんな身の能力者がいたなぁそういえば。
ドラゴンたちは一旦こっちへの興味をやめ、
各々で話し合ってる。
てか時たま口から火が出てくるけど大丈夫なんかあれ・・。
「つばさはさ?転生何回め?」
「あー。まだ4回くらいかなー。早だきさんは?」
「俺はもう13回くらいかな。いやでも暦で言ったらぺんしるさん」
「まぁ・・。300回くらい」
「「すげー!」」
盛り上がっている・・。
なんだろう。自分で書いた絵とはいえ盛り上がっていると疎外感を感じる・・。
ん?転生?
あの。
あなたたちは何回か生まれ変わっているんですか?
ぺん「そうですよ。勝手に手が動いたでしょ。私たちは特定の絵を描くことで出現するんですよ。」
つば「いっつもは、くじ引きみたいなもんで、偶然近づいたらこっそりよせるってやり方だったんですけど・・。今回は・・。」
わ「今回は?」
米「実はどうしても3匹集まる必要がありました。
なので。少々強引ですが、紙とクレヨンを持ってるあなたを利用して。
こちらの世界にやってきたわけです。」
わ「あ・・。そうなんですね。
でも・・。雨ですよ。どうするんですか?
おそらくびしょ濡れになりますよ」
つば「母・・。そこなんですよね」
つばめさんがしおらしそうに尻尾をゆらゆらさせている。
多分・・。性別で言うたら女性なんか
ぺん「実は今日、たくさんのドラゴンが集まる祭り
龍神収穫祭24〜集まりすぎてごめんな祭〜、がある予定でしたけど。
中止・・。ですね・・。」
三匹のドラゴンが一斉に下を向いてしょげかえった。
チームぺんしる・・。
わ「あの・・。こんなのでよければ・・。」
私は家に残っていた電気ブランを水で割ったものを差し出した。
あのはローソン爆盛りチャレンジでのバスちーやらなんやらを。
こうなったらお酒を飲むしかない。
わ「あの・・。
友達に教えてもらったんです。
嫌なことがあった日はその嫌なことを丸めるイメージをするんですよ。
それに、お酒を垂らすような感じで・・。
そうしたら忘れられるみたいなんで!」
ぺん「はぁ・・。」
あかん。
人間でさえ感情がよくわからないのに。さらによくわからない。
と思っていたが、気を使ってくれているのか、静々と
チームぺんしるとの飲み会が始まった。
今日作った麻婆どーふも意外と良かったみたいだ。
そこからの記憶は曖昧だった。
確か、早だきさんが言い出して今まで見たことない野球中継に
適当なヤジ飛ばしながら、酒飲んで
おつまみが足らなくなったらコンビニまで行って帰って。
勝手に時が過ぎて・・。
あれ?
このドラゴン誰?
お酒によって気づかなかったg、
ドラゴンが増えている・・。え?
「あ、邪魔します。チームはるです。」
「チームさみです」
「チームむむむです」
「チームパトリシアです」
「チームK.Oです」
まさか・・。
急いて自由帳を振り返ると、
何か。を書いたけど飛び出してきたから空欄になっている紙とクレヨンが散乱していた。
わ「おいー!!」
ペペロン「すいません・・。なんかいろんな色があったので
お借りしました。」
いつの間にか、野球観戦組と座ぐみになって話す組、おどる組、歌う組
しっちゃかめっちゃかのドラゴン祭りが始まっていた。
仕方ない。。ドラゴンを横身に晩酌をした。
こういう時、部外者はただ黙って見守るのが・・。ちょどいい・・。
私にだってそれくらいの心得はありますよ・・。
〇〇「1人ですか?」
わ「あ・・。はい」
黄土色のドラゴンが話しかけてきた。
「どうも。テツです」
わ「お名前ですよね」
テツ「慣れましたか?」
わ「あ・・。いや・・。まぁ・・。」
テツ「気にしないでください
場所をお借りしているだけですから
でもひつだけ確かなことがある。
私たちはね。望まれないと出て来ないんですよ」
わ「え?」
テツ「ですから。あなたは1人で寂しかった
だからそれの需要と供給のバランスがあったから私たちはできたんですよ」
わ「いや・・。そんな・・。」
テツ「ちょっと考えたらわかりますよ。
望まれでもないのに出てきたら。どうなります?」
わ「ああ・・。まぁ・・・」
なんて語彙力のなさだ。
絶望しかない。
テツ「もうするヨガ開けます。するとね。みんな各々の場所に戻るんですよ」
私は何もいえなかった。
これはひょっとして幻覚で、さっき飲んだ電気ブランが作用しているのか。
それとも・・。
気づいたらドラゴンたちは大合唱を始めていた。
♪ドラゴン祭りーのうーたー みんなでうーたーおー
ドラゴン祭りーのーうーた みんなでうったおう!
(※音程とリズムは「サイレントヒルの歌」と一緒だ!みんな、検索してね!)
気づいたら自分も歌っていた、
サビだけは繰り返すたびに歌っていた、
こないだ買ったカスタネットでリズむまで刻んでした。
・・・。
スマホのアラームで目がさめる。
頭がいたい。
絶対2日酔い・・。
あ!!
部屋には一匹のドラゴンもいなかった。
しかもベランダは開きっぱなし。
「網戸くらい閉めてくれよ・・。」
朝の卵かけご飯を胃の中に流し込み。
バイトの支度をする。
昨日の出来事はなんだったのか。
結局何もわからなかったが家を出た。
ほんの少しの幸福感と共に。
よろしゅうお願いします。