宝石の国が終わったね

なんの考察も深掘りも出来てないし、あっさいマンガ読みのイチ読者が、宝石の国の読み始め〜読み終わりまでの感想を書きます。

最初の数話

面白くないと思った。私は市川春子短編集虫と歌を買って読んで、最初の星の恋人で作者の短編集にどハマリしたので、それなりにファンだったし、初の長編というので期待もしてた。
しかし期待が大きすぎたのか、話に惹き込まれないしキャラもたくさんいて区別がつかないしで、何となく読むのをやめた。長編は向いてない人だったんだ(←失礼)、と早々に諦めた。アニメ化も特に何も思わず見送った。

〜9巻

物語もかなり架橋に入った10巻が出る前の頃、日々の労働と人間関係に疲弊してた時期に、「何もかも忘れて綺麗な物語を読みたい」と思って改めて宝石の国を一気読み。
めちゃくちゃ面白かった。最初の3巻くらいまで一気読みしたらあとは止まらないね。。。
主人公の頭がチェンジして飛躍的に賢くなって、そして謎を解くためにすごい行動力を発揮するあたり。次から次に新しい展開が出てきて読者を飽きさせないし、主人公の周りのキャラもチェンジがあって、楽しいほっこりな関係性が崩れていって読者を不穏な気持ちにさせる。(キャラの関係性で不穏な気持ちにさせられるのけっこう好き)

10巻からが長かった

すごい!面白い!!となったのに、そこから(月に行ってカンゴームが姫化するあたりから)が長かった。作者も本当に落とし所分かって描いてるのかな?と不安になるところが多かった。
毎話エクメアに思わせぶりなことを話させたり、匂わせっぽいことを言わせるくせに、その謎がすっきり解決しないまま新たな真逆の真実を明らかにさせたり。
視聴者の「次はどうなる?!」という気持ちを引き出すために毎話本ストーリーとはあんま関係ない謎で終わるアメリカドラマみたいだと思った。
一回でも、作者も分かってなくて描いてるのでは…?と思ってしまうと、物語に素直に入り込めなくなってしまう。どうせこれも伏線「風」だろうなあ。。。と。

12巻とその後

あんなに散りばめられた謎や匂わせは全くカタルシスなくさらっと解決、一応解決し、その代わり主人公は孤独に置いてきぼり、砂になった宝石はほぼ全員復活した。この復活はマンガ的に楽しかった。読みたかったのはこれだ!主人公いないけど。
主人公の神化という展開で、作者が進めたかった話はこれだったのか、と思った。それまでの思わせぶりオンパレードはここに来るための繋ぎかあ。もともとストーリー的にそんなに重要じゃなかったんだ、やっぱりね。
その後の単行本未収録のストーリーの中で、12巻の最後に示された、孤独に神化する主人公のために出来ること、というのがちゃんと回収されてて良かった、と思いました。

面白かった

12巻より先は正直これ面白いかな…?と思いながら読んでた。特に最終章、主人公が石と戯れるあたりの話は終わり方を知りたくて読んでたところあったよね。
でも「こういうふうに終わる」と知ってから通して読むとなかなか面白かった。
これまでの漫画にはない、主人公の変貌っぷりが振り切ってる。

考察?仏教?良くわからない

途中から仏教思想がどうのこうのという考察みたいなのをたくさん見かけたけど、どれを読んでもピンと来なかったしよくわかんなかった。仏教のことそんなに知らないし。。。仏教の思想に沿った物語だとなんか凄いの?
でも「何もかも忘れて綺麗な物語が読みたい」っていう欲に全力で応えてくれる、綺麗で壮大で儚い物語だった。

フォスフォフィライトの画像がたくさん見れて良かった

特に鉱石ファンとかじゃなかったけど、連載中や連載終了後に、ツイッターなどでフォスフォフィライトの結晶や原石の写真がいっぱい見れて楽しかった。
私が実物を見たことがあるのは、どこかの博物館のちんまいルースひと粒だったので。。。
本当に漫画のカラーのフォスフォフィライトのとおり、西の浅瀬の薄荷色、なんだなあと感心した。


完結してくれてありがとうございました。
以上、浅いマンガ読みの感想、おしまい。

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