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国語の授業を変えたい! 生徒が主役のRW リーディングワークショップ!

 2019年度の授業実践について書き溜めていたものを、順次、公開します。今回は、2019年11月ごろに考えていた内容です。これらはすでに2020年2月現在、中学3年生(4クラス中4クラスすべて)に対して実践済みです。

 RW リーディングワークショップは、読み書きの指導の方法の一つです。教師の解説をノートに取ったり、好きでもないお話を読んでも、読み書きを好きにはなりません。読み手、書き手のニーズに応えながら、読み書きのスキルを教えて読み慣れ、書き慣れ、語彙を増やしていくワークショップであるというところが、これまでの授業とは全く異なる点です。

 RW リーディングワークショップに興味のある方、これまでの国語教育に疑問のある方、読むことや書くことについて考えてみたい方、生徒とともに成長したい方、などなど、どうぞRWの世界へ!

 学校、授業は生徒が主役!教師が一番学ぶ授業からの脱却を、一緒に考えていけたら幸せです!質問やコメントもお待ちしています!

※まずは、kanakanazemiのnote『生徒も!教師も!RWが育む「自分への期待」』をお読みいただけると、分かりやすいかもしれません。

 では、以下、第II期RW実践までのメモ書きです。

【RW第II期の取組の柱】
☆何よりも優先して『生徒のニーズ』に応える!

リーディングワークショップ第I期の振り返りで得られた『生徒のニーズ』は、およそ以下の通り。(Googleフォームでアンケートしました!←これって、ほぼ原始時代の田舎の公立中学校では、かなり革新的なことなのです!(笑))


〔生徒のニーズ〕違うジャンルに挑戦したい、レターエッセイを書く時間がもっと欲しい、レターエッセイをもっと上手く書きたい、本の中の表現技法にもっと気付きたい、分からない言葉を辞書で調べたい、先生のオススメ本を紹介して欲しい、表現やセリフなどを抜き出して皆で話し合いたい、時間の使い方を考えたい、スキルをもっと使えるようになりたい、自分の視野を拡げていきたい、もっとゆっくり読む場所や時間が欲しい、もっと読了したいetc

〔教師の考察と対応〕
◯第I期で最も生徒が使ったと実感してるスキルは「映像化」「推測」だった。これ以外のスキルに目が行くようにミニ・レッスンを仕組む。
◯絵本を活用する。読みの苦手な生徒、「映像化」「推測」のスキルをうまく使えない生徒は、第I期でそれが自覚できているので、絵本を推奨し、相互にやり取りしながら体験的に学んでもらう。(同じ本を読んだ上での思考のやりとりの機会ももつ。)


☆第II期 13時間〜18時間を生徒に委ねる!

第II期は、全時間を示し、生徒が自分で時間配分を計画できるようにする。その中で、「テスト」というジャンルに時間を使うことを4時間に1回許可する。受験期の不安と学びの本質の両立に対応するため。(早い生徒は1月に進学先が決まる。遅い生徒は3月後半である。生徒自身に自分に合う学習プランを立てさせたい。)

◯第I期のルーブリックの内容を絞り、言葉を優しくし、生徒に示し直す。
◯希望があればPCを使った成果物づくりを一部でも可能にしたい。短いエッセイならばGoogleフォーム入力による提出を試してみる。

【『生徒のニーズ』の集め方】
☆経験を積むことが重要ポイント

◯今年度は、第I期として4クラス全部でRWを10〜13時間程度実施している。
◯生徒の半分は、前年度からRWを経験している。(kanakanazemi担当2クラスのみ)
◯今年度は、RWの振り返りを、レジュメに記述する方式(授業時に書く)と、Googleフォームで実施する方式(家庭で入力する)の2種類を行っている。
◯RW以外でも、生徒は、総合的な学習の時間(内容は修学旅行、キャリア)の単元ごとの振り返りでGoogleフォーム入力を経験している。第 I期RWの振り返り入力までに6回ほどの経験がある。

☆Googleフォームによる振り返りが生徒をさらに育てる!

Googleフォームの効用
①家でゆっくり自分の学習を振り返ることができる。好きな時間にできる。(生徒のフォームへの入力時間は個人によって相当に違う。)
②回答の文章の長さが、どんどん長くなる。書きたいことを書くようになる。
③回答を印刷して共有するので、書いていいことかどうか、自分で精査するようになる。
④回答を印刷して共有するので、コメントを入力すればするほど、他者のコメントへの関心が高まる。
⑤スマホ、またはPCから入力するので、書字に不安のある生徒でも安心して参加できる。
⑥日常的に、書くことが自然になる。
⑦授業のことについてコメントを求めるので、RWで培った、自分なりの意味を実際に構築する場面として活用できる。もちろん自分への期待も!


 特に、「次の授業への期待」についてコメントを求めると、本当に「自分がしたいこと」を書いてくるようになった。教師は、生徒のニーズを把握しやすくなる、それを受けて、授業を作っていくことができる。これは生徒も教師もWin Winの循環だと思う。生徒が勝手に主体的になっていくのが嬉しい。


 RWだけでなく、読み書きのスキルを実践的に使う総合的な学習の時間でも、生徒はGoogleフォームでの振り返りを複数回経験した。これらが関連づくことによって、生徒が何かしらの影響を受け、生徒の変容に繋がったのではないかと考えている。


「慣れる(なれる)」ことによって「熟れる(なれる)」ということ。


【これからの夢・理想の授業】
☆「読むこと」「書くこと」を生活につなげる!

①Googleフォームでの振り返りと、その共有を繰り返していく。
②教師がブログを開設して、生徒の成果物や、授業のことを公開していき、生徒にコメントを求めることを繰り返していく。または、Googleドキュメントの共同編集を使って、成果物作成をWeb上で行う。

※この部分 ↑ これを試みることも私がnoteを始めた動機のひとつです。まず教師がチャレンジしてみる!

①から②への流れに慣れることや、Web上のやりとりについて学習できて、初めて、子どもたちはSNS(Twitterやインスタ)で学習内容の交流ができるようになると思う(熟れる)。


 実際、こうした授業でもしないとSNSトラブルなんて減らない。生徒も教師も学ばなければ、常に問題発生の後追いになり、しかも状況を変えられない負のスパイラルが続くことになる。

 いつまでに、ということではないが、生徒の時間と学習の手段に、もっともっと自由度を持たせられるようにしたい。


 つくづく、コンピュータ室なんていらないから、1人に1台のChrome bookとか、iPad( miniで十分!)が欲しいものだと思う。

※これ ↑ ギガ・スクール構想でタブレットが配られるらしいのですが、いまだに仕様が不明です。市教委の偉い人は「生徒がタブレットを持って教室を移動する日が来ます!」とか言ってますけど、SNSもクラウドもわからない人が決めたギガ・スクール構想、大丈夫でしょうか?(笑)

 実践のベースは、グローバル・ティーチャー賞を受賞したナンシー・アトウェル氏の著書『イン・ザ・ミドル』です。こうした海外の教育図書を翻訳して、私たちに紹介してくださっているのは吉田新一郎氏です。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました😊

 次の機会には、II期の実践内容や、生徒の取組、作品、この実践を支えたキャリア教育の実践などをご紹介します!



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