データサイエンティスト・データアナリストを目指す方に必要な資格
データサイエンティスト人材の今後
ビッグデータ活用に取り組む企業が増えるとともに、AIの開発・活用が一般化したことにより、ビッグデータを中心にデータの重要性が高まっているのが情報化社会の将来と言えます。データ活用に携わるデータサイエンティストの需要が高まり、データサイエンティストの需要は今後も伸び続けていくと考えられます。
それに伴い、データサイエンスのスペシャリストであるデータサイエンティストの求人も増えてきています。エンジニア市場全体が慢性的な人手不足となっています。ITの進歩とともにエンジニアの需要は上がっている一方、技術の進歩に対して人材の育成が追い付いていないのが現状です。日本国内だけでは数万人が不足していると言われています。
データサイエンティストの年収
民間企業の調査により、データサイエンティストの仕事の平均年収は約697万円です。日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。この年収は、多くの求人サイトの調査で400〜500万円と発表されるITエンジニアやプログラマーと比べてかなり高い金額です。
また、データサイエンティストの年収は、勤務先や経験・求められるスキル、資格、働く企業によっても大きく変わるケースもと見受けられます。そのため、年収重視でデータサイエンティストを目指す場合は、早いうちから他の技術者に負けないキャリアやスキルを積み上げておく必要があるでしょう。
データサイエンティストを目指す方に資格10選
データサイエンティストになるために特定の資格がありません。しかし、統計解析、プログラミング、機械学習などのデータサイエンティストに求められる能力とスキルを証明する資格を取得すれば、就職・転職の際のアピールに役立ちます。
そこで、今度はデータサイエンティストを目指す方に取るべき資格10選をおすすめします。
1. データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル(DS検定)
DS検定の取得により、データサイエンティストに必要な以下の三つの能力:
データサイエンス力(情報処理・人工知能・統計学などの情報科学系の知識を理解し使う能力)
データエンジニアリング力(データサイエンスを意味のある形に、使えるように実装・運用できる能力)
ビジネス力(課題背景を理解する上で、ビジネス課題を整理し解決する能力)
についてそれぞれ見習いレベル(プロジェクトを担当できる)の実務能力や知識、また、数理・データサイエンス・AI教育のリテラシーレベルの実力を有していることを証明することができます。
出題範囲 :
スキルチェックリストの3カテゴリ(データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力)の★1(見習いレベル)相当と数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムを総合した範囲。
(※データサイエンティスト協会からの案内情報です。)
資格種類:民間資格
難易度:合格率は公表されていません。
実施概要:選択式問題、全国の試験会場でCBT形式で開催。問題数80問程度、試験時間90分。
受験料:一般10,000円、学生5,000円(税込み)
受験資格:なし
試験日程:2021年9月1日(水)~2021年9月30日(木)
申込:https://cbt-s.com/examinee/examination/datascientist.html (申込期間:2021年7月1日(木)AM10:00~2021年8月29日(日))
2. 統計検定
統計検定を抜きにしてデータサイエンティスト 資格を語れないですね。データサイエンティストにとって、統計学が必要となる知識です。
「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。日本統計学会は、国際通用性のある統計活用能力の体系的な評価システムとして統計検定を開発し、様々な水準と内容で統計活用力を認定しています。
統計検定
統計検定はレベル別に4級から1級まで5種類の試験となり、自分のレベルに合わせた試験が受けられます。各レベルの資格取得ための知識を順番に勉強すると、統計のスキルが向上していきます。
また、経済統計、社会統計、公的統計に関する基本的な知識を正確に認識し、公的統計を適切に利用する能力を評価する統計調査士と専門統計調査士の試験もあります。統計検定3級合格程度の基礎知識に加えて、社会人に求められる専門知識・公的統計の理解とその活用能力の修得を評価します。
2020年12月22日の受験情報によると、1級以外の紙媒体を利用した従来の試験(PBT方式試験)は2021年をもって終了し、準1級も含め全面的にCBT方式(Computer Based Testing)試験に移行いたします。
なお、2021年のPBT 方式試験については、すでにお知らせいたしましたように、以下の内容で実施を予定しています。コロナウイルス感染症の今後の状況は不透明でありますが、実施に向けて鋭意努力いたします。
2021年度 統計検定の実施日程:
2021年6月20日(日) 準1級、2級、3級、4級
2021年11月21日(日) 1級統計数理、1級統計応用、統計調査士、専門統計調査士
資格種類:公的資格
難易度:合格率25〜80%
受験料:レベル別で3,000円から10,000円まで
受験資格:なし
申込:http://www.toukei-kentei.jp/
3. 統計士・データ解析士
データサイエンティストを目指す方におすすめのもう一つの統計資格。一般財団法人実務教育研究所の通信講座を修了することで、「統計士」と「データ解析士」の資格を取得できます。日本唯一の文部科学省の認定講座としてかなり人気があります。
「統計士」の取得には8ヶ月間の「現代統計実務講座」を受講し、「データ解析士」の取得には4ヶ月間の「多変量解析実務講座」を受講する必要があります。
統計士データ解析士
資格種類:民間資格
難易度:合格率は公表されていません。
受験料:講座は約50,000円、試験は5,000円
受験資格:なし
試験日程:通年
申込:http://www.jitsumu.or.jp/apply
4. 基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験はIPA(情報推進課機構)が実施している情報処理技術者試験の一試験区分です。IT業界定番の資格であるため、データサイエンティストとしてまず取ったほうがいいと思います。取得すれば、C、Java、Pythonなどついてある程度わかっていることが求職の際にアピールできます。
FE試験
資格種類:国家資格
難易度:合格率20~30%
受験料:5700円
受験資格:なし
試験日程:年2回(上期、下期)
申込:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
5. 応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験に合格したら次に目指す試験区分です。APより幅広いIT知識が必要とされ、単純に知識をもとにした回答だけではなく、論理的な回答をアウトプットする能力が問われるます。データサイエンティストになるための知識とスキルがバランスよく身につきます。
応用情報技術者試験
資格種類:国家資格
難易度:合格率20~30%
受験料:5700円
受験資格:なし
試験日程:年2回(春期、秋期)、概ね4月の第3日曜日、10月の第3日曜日
申込:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
6. データベーススペシャリスト試験(DB)
データサイエンティストに求められる基礎スキルの1つはデータベースなので、データベースの設計と管理に関する資格を取るべきです。データスペシャリスト試験は情報処理技術者試験のなかで最高難度の「スキルレベル4」となっており、合格率が先ほどのFEとAPと比べてかなり低いです。
資格種類:国家資格
難易度:合格率10%
受験料:5700円
受験資格:なし
試験日程:年1回(秋期試験)
申込:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/db.html
7. オープンソースデータベース技術者認定試験(OSS-DB Exam)
特定非営利活動法人であるLPI-Japanが実施するオープンソースデータベース技術者を認定する試験です。試験内容はPostgreSQLを基準とした内容となっています。OSS-DB ExamにはSilverとGoldの二つのレベルがあり、Goldの取得にはSilverの合格が必要です。
オープンソースデータベース技術者認定試験
資格種類:民間資格
難易度:70%
受験料: SilverとGold、それぞれ15,000円
受験資格:Silverには資格がなく、Goldの取得前提としてSilverを保有する
試験日程:年2回(春期、秋期)
申込:https://oss-db.jp/testapp/registration
8. G検定・E資格
日本ディープラーニング協会(JDLA)が運営する、ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを確認するための試験です。
G検定はジェネラリストを意味しており、ディープラーニングに関する知識の獲得と事業活用できることが試されます。E資格は、エンジニア向けの資格であり、主にディープラーニングを実装する能力が問われます。
G検定E資格
出典:JDLA試験資格について
資格種類:民間資格
難易度:合格率60%~70%
受験料:G検定一般:12,000円(税抜)、学生:5,000円(税抜) E資格30,000円(税込)、学生:22,000円(税込)
受験資格:G検定には制限なし、E資格はJDLA認定プログラムを試験日の2年以内に修了したことが必要。
試験日程:G検定年3回、E資格年2回
申込:https://www.jdla.org/business/certificate/
9. Python 3 エンジニア認定基礎試験・データ分析試験
Pythonはデータサイエンティストに人気のプログラミング言語です。Pythonエンジニア育成推進協会が運営する、Pythonの資格試験を受ける人が増えています。
その中で2種類あり、主に文法基礎を問う「Python 3 エンジニア認定基礎試験」と、主にPythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」があります。Python3エンジニア認定データ分析試験は2020年から実施され、2020年12月24日時点で、合計受験回数が2万回を超えました。
Python 3 エンジニア認定基礎試験・データ分析試験
資格種類:民間資格
難易度:認定基礎試験77%
受験料:10,000(学生割引ある)
受験資格:なし
試験日程:認定基礎試験通年、データ分析試験未定
申込:https://www.pythonic-exam.com/exam
10. 画像処理エンジニア検定
画像処理は多くのデータサイエンティストが日々行う業務なので、ここはデータサイエンティストを目指す方に「画像処理エンジニア検定」をおすすめします。
画像処理エンジニア検定は、CG-ARTS協会が主催する画像処理エンジニア向けの資格です。画像処理に関する開発・設計に必要な知識を問われます。2種類に分かれており、ベーシックは画像処理の基礎知識の理解を、エキスパートは専門知識の理解とそれらを応用する能力を有していることを確認します。
画像処理エンジニア検定
難易度:75.8%(ベーシック)、27.3%(エキスパート)
受験料:ベーシック5,500円(税込)、エキスパート6,600円(税込)
受験資格:なし
試験日程:年2回(7月・11月)
申込:https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/img_engineer/index.html
本記事は【必要資格10選:データサイエンティスト・データアナリストを目指す方に】からの許可を得た転載です。
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