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「フツーの会社員」がゼロイチを始める話

フツーの会社員だった私が、ゼロイチで何かを始める事になった経緯と実際にやった事を紹介します。

第1子育休中で「旅」に出て、気づいた本当に自分に必要な事

第一子出産前、私は長年憧れだった製品担当に指名された。世界9か国で生産するその製品は、売上高が高く全社注目の的。役員報告が頻繁にあり、関係者の数が多い。海外出張に行けるチャンスもあり、今まで海外出張の機会に恵まれなかった私は嬉しくて仕方なかった。ただしこの製品には重要な問題点が。利益状況が悪いのだ。そんな中私は「できない理由ではなく、やる為に何をすべきかを議論しよう」を決まり文句とし、過去の経験知識人脈全てを使って原価低減に取り組む。何とか黒字化の道筋が立ってきた頃、早くも次期モデル開発の話がちらつき始める。そして今よりもっと過酷なコンペが待ち受けているのだ。
私は思った。「このまま次期モデルの担当になっても、これ以上原価を下げる手立てがない。私はもう引き出しの中身を全部出し尽くした・・・」
もちろん他の製品の事例を学びに、他工場に出向いたり、本社経理部に問い合わせたり色々手を尽くしたが、次期モデルに立ち向かう術は、通り一辺倒の原価低減手法しかないのだ。
仕事に一つの区切りを感じ、妊活をスタート。長女を授かり次期モデルの開発が始まる前に産休育休に入った。
第1子育休中は、外の世界を知りたいと思い、ぷちでガチ子連れMBAガチメンバー(旧運営メンバー)に参加、講座作りを通して、幅広いビジネススキルの習得に励んだ。さらに簿記2級の資格を取得し、マクロな経理の知識も学んだ。
育休が明けて職場復帰。私は次期モデルではなく派生モデルの担当として再び原価企画に携わる事となる。
そこで私は愕然とした。ぷちガチや簿記の勉強を通じて広い知識を習得したのに、仕事に何も活かせていない。私がやっているのは、以前と同じ原価企画だ・・・。私は本業では何も成長できていない。
そこで感じた。原価企画に携わる中での課題に直結するような技能を習得しなければならない。過去の経験知識、社内の知見ではなく、外の世界から学ばなければならない。
そこで、他社で原価企画をやっている人と繋がるような場はないか?他社の人から学んでみたい・・・と漠然と考えるようになったのだ。
第1子育休で様々な経験をした事は決して無駄ではなかった。本当に貴重な時間だったし、様々な事を知る為に旅に出たステージだったのだと思う。

転機となった第2子育休

長男を授かり、再び産休育休へ。
漠然と考えていた「他社で原価企画をやっている人と繋がりたい」という思いは吹っ飛び、第2子育休中は、「苦手な事を克服、知らない事は何でも勉強してみる」をモットーに、プログラミングをかじったり、ファイナンシャルプランナー2級の勉強を始める。
再びぷちガチのガチメンバーとなり、赤坂さんが発起人となった「みんなでゼロイチをやってみよう」という趣旨のnew-ocanに参加。「ゼロイチ」は最も私とかけ離れた世界。知らない事は何でも勉強だ。
そこで書籍「LIFE SHIFT ライフシフト-100年時代の人生戦略」を知った。
「LIFE SHIFT ライフシフト-100年時代の人生戦略」を読んで会社員生活だけの人生はヤバいと心底思った私は、変身資産を身に付ける事を目標にしているライフシフトチャレンジに右も左も分からないまま飛び込んだ。

https://note.com/kanakana123/n/nf348bb83cdc5
ライフシフトチャレンジは、何か始める事が最終目標だし、当然そのつもりの人達が参加している。オンラインでヨガを教えたい人、ビジネスコンテストに出場している人、すでに副業でコーチングをしている人もいる。パラレルキャリアを持っている事が当たり前の世界に、何も持たないフツーの会社員の私が丸腰で飛び込んだ。ストレングスファインダ―やメンタリングを通じて、自分の得意な事、やりたい事を徹底的にあぶり出していく。Facebookページには毎日、メンバーのやりたい事についての投稿やコメントが並ぶ。ライフシフトチャレンジにひとたび参加したら、ゼロイチ活動をスタートする事が既定路線となるのだ。
メンタリングでは、自分がモヤモヤしている事について3人1組で深堀していく。私以外の2人はパラレルキャリアとして何をやりたいかについて相談。特にモヤモヤしている事が明確でなかった私は、モヤモヤを書き出すという作業を通じて、本業である原価企画にもう情熱が感じられない。今までと同じ原価企画をやるのが嫌だ。もっと本業で成長したい。という思いに気づく。
そんな中、new-ocanスラックに「Challenge」という企業内起業のワークショップの案内が飛び込んできた。第2子育休中のモットーが「変身資産を身に付け、ゼロイチで何かを始める」に変わっていた私に「起業」「無料」というキーワードが刺さり、即時参加申込み。
初回会合ではいきなり、「ハイ今から皆さんの想定する顧客と課題を発表してください」とzoomブレイクアウトルームに入れられる。
多少面喰いながらも、心の底で蓋をしていた、第1子育休復帰後に感じた課題と、他社の原価企画の人と繋がるコミュニティを作ってみたい。という思いを、初めて他人に話してみた。
すると、「絶対やった方が良い」「課題が明確で素晴らしい」と絶賛される。
そう、ここは「起業したい人」しか集まっていない集団。やめた方が良いという人は一人もいないのだ。絶賛を受け、舞い上がった私は原価企画コミュニティをゼロイチ活動にする事に決めた。
ライフシフトチャレンジ・Challengeの両輪が、私をゼロイチへの道へ運んでくれている。

https://kodure-mba.puchigachi.com/

ゼロイチ活動のスタートにやった事

Challengeでは、ワークショップの最終回(12月27日)に、自分の起業アイデアを発表する最終ピッチが予定されている。それに向けて、ヒアリングやアンケートを取り自分の顧客や課題の想定は間違っていないか確認。数回の壁打ち(発表練習・指摘を受け修正)を繰り返す。
そんな中、やはりどうしても避けられないのが、原価企画に携わっている人へのヒアリングだ。ぷちガチ運営OGで、他社で原価企画をしている人にはヒアリングが出来ていた。しかしまだサンプルが足りない。残っているのは、自分の陣地だ。
つまり自分の職場の人へ、育休中にもかかわらず、企業内起業のワークショップに参加しているという事を暴露する事になったのだ。ちなみに私はぷちガチへの参加や、資格取得など育休中の私的な活動については職場に秘密にしており、もっぱら育児に専念している事になっている。「育休中に何やってんの?」「だったら早く復帰してきたらいいのに」と思われる事が怖かったのだ。
育休者を出した職場には交代要員は入らない。そのため私の仕事は誰かが肩代わりをしてくれている事になる。これは会社側の問題で、育休は権利なので遠慮なく休んで良いのだが、せめて職場のメンバーには申し訳なさいっぱい、休ませてもらっています。という態度でいこうと思っていた。
勇気を出して、職場のメンバーにLINE。「かくかくしかじかで・・・在宅ワークの昼休みに時間取って欲しい」
返ってきた返事は「育休中なのに凄いですね」。言葉の裏にドン引きが見え隠れ・・・。
しかしこれはもう恥ずかしがっている場合ではない、もうこの原価企画コミュニティのプロジェクトを完遂させる事が私の使命であり、そうなったら遅かれ早かれ職場のメンバーの知るところになるのだ。
何とか職場メンバーへのヒアリングも終え、やはり他社事例を知りたいというニーズがある事は証明された。
また、この活動で「壁打ち」の重要さを改めて思い知った。
人に自分のアイデアを発表し、指摘を受けるのはとても辛い作業だ。思いもよらない事を質問されてしどろもどろになる。そもそもこれって必要なの?といった根本を覆すような指摘を喰う事もあり、自分のプライドがズタズタになるのだ。しかし、壁打ちを繰り返す事で、自分が良いと思った案が、他社にとって良い案に変わっていく。目的は自分の案で他人の課題を解決する事なので、壁打ちは非常に重要なのだ。
new-ocan内でも壁打ちをしてもらう事ができ、一度に沢山の指摘を貰う事が出来て本当に助かった。
このコミュニティを有料にする事は難しい、ただ単なる仲良しサークルにならない工夫が必要、メンバーの課題解決に繋がるしくみが必要・・・など様々な指摘事項を盛り込み、最終案を完成させる事が出来た。
最終ピッチでは、2人の審査員から「課題感は良い」「こういうコミュニティを求めている人が沢山いると思う」と良い意見も戴きながら、両社から「機密漏えいに対するリスクヘッジが必要」「カルテル繋がらないか」と、非常に重要な指摘も戴いた。
機密漏えいについては、壁打ちの中でも指摘されていたが、自分ではどうしたらいいのか分からず最終発表に盛り込む事が出来なかったのだ。
ここで「仲間」を使う時だ。ライフシフトチャレンジ、new-ocan、challenge内で、機密に関する知見がある人を探して、意見を聞いてみようと思う。
Challenge の事務局の方から最終ピッチ後、審査員でトヨタ自動車にお勤めの方を紹介戴ける事となり、まずはグループ会社内でコミュニティをスタートさせてみては?とアフターフォローまで戴いた。自分ひとりでは悶々として進まない事項も、仲間がサポートしてくれて道が開ける。

ゼロイチ活動を軌道に乗せる為に使う自分の資産

育休中に原価企画コミュニティの立ち上げを目指し、
・機密について知見を集める
・スタートメンバーを募る(2人くらい)
・メンバーのペルソナ設定・コミュニティ規約作成
・モニターメンバーを募る(5人くらい)
・コミュニティスタート
と、ライフシフトチャレンジのスタート方法を参考にしようと考えている。
ライフシフトチャレンジが、ゼロイチ活動のレールを敷いてくれ、仲間と場を提供してくれた。そしてChallengeが具体的な方法論と、人的ネットワークを与えてくれた。かけがえのない資産が自分に加わった。
パラレルキャリアを持っている人、ゼロイチで何かを始める人は、フツーの会社員だった私にとって遠い存在だったが、まさか自分がそうなる可能性があるとは。
ここまできたら、絶対にコミュニティを発足させようと思う。
決まり文句はお得意の「出来ない理由ではなく、やる為に何が出来るか議論しよう」だ。

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