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この夏の旅 3

 ロシア・イルクーツク国際空港内の庶民的なレストランにバックパックを背負いながら入店して、まずは周りの様子を見ながらメニューを見ました。そしてロシア語と英語で書かれた中から一番上に書かれた食べ物とロシアっぽい名前のビールを注文して空いていた席に適当に座りました。     
店内はほぼ30代から50代の男性客で店員は少し無愛想な感じの女性が1人で切り盛りしていました。テレビではワールドカップのロシア対ウルグアイ戦がやっておりみんな真剣に試合の流れを追っているようでした。私が空港に着いて色々した後、店に落ち着いた頃は夜10時を過ぎていました。しかしイルクーツクと試合会場のサマラは時差が4時間あったみたいで運良く開催国でグループ2位のロシアとグループ1位のウルグアイの好試合を見ることができました。
しばらくして隣の1席が空き、そちらの方がテレビが見やすかったので移ろうかと思い、4人席の対面に座ってる人に合席してもいいかと聞きました。そしたら快く聞き入れてくれ、それをきっかけに彼と話すことになりました。スキンヘッドのカミルという名の彼はポーランド人で私と同様ワールドカップ予選3試合目の日本対ポーランドを会場であるボルゴグラードで観戦目的の旅人でした。それを知ってからはすぐに意気投合し、サッカーとビールと共にお互いの国や旅について語り合いました。

その後スペイン対モロッコ、ポルトガル対イランも結局そのレストランで観戦しました。疲れていたのですが、異国にいるという高揚感と緊張感であまり眠気は来ず、ビールを飲み続けながらサッカーを見て、カミルと話を続けていました。3試合目が終わる頃は朝4時で流石に少し眠くなったので、カミルと交代に仮眠を取り、目覚めた時にアジア人らしき客が入ってきました。彼はメニューを見て少し困っていた様子だったので、酔っていたせいもあってか気軽に話しかけることができました。
彼はシチョルという名の韓国人でやはりワールドカップ目的の旅人でした。自分が住んでいる韓国からの旅人という偶然もあり、またすぐ打ち解けてビールで乾杯。その後モスクワ行きの飛行機の搭乗時間まで楽しく話していました。カミルとシチョルは同じ飛行機で、私は1人別の便で、朝9時頃発の飛行機でモスクワに向かいました。
旅での出会いって面白いなと改めて思ったイルクーツク国際空港での滞在でした。


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