『新版 完全講義 民事裁判実務の基礎[入門編][第2版]』

大島眞一『新版 完全講義 民事裁判実務の基礎[入門編][第2版]』民事法研究会·2018

初学者おすすめ度:★★★★★ 星5
既習者おすすめ度:★★★★★ 星5

本書は入門書として執筆されたものであるため、初学者でも分かるように書かれていますので、初学者におすすめの一冊です。
初学者おすすめ度星5としましたが、これは「民事実務基礎の初学者」に対するおすすめ度という意味であり、「完全な法律初学者」に対するおすすめ度という意味ではありません。というのも、民事実務基礎は、民法や民事訴訟法の知識が入っていることが前提の科目だからです。

既習者にとっても本書がおすすめなのは、事実認定·執行保全·法曹倫理が載っているからです。
民事実務基礎は要件事実がメインなので、「要件事実はじっくり勉強したものの、執行保全·法曹倫理には手が回っていない」という人は多いのではないでしょうか。執行保全·法曹倫理は、頻出範囲が限定的なので、基本的な部分を効率よく学習することが重要です。“入門”つまり基本的な内容の本書であれば、効率よく学習することが可能です。

私は、本書と同じ著者、大島眞一氏の『完全講義 民事裁判実務の基礎[第3版](上巻)』(民事法研究会·2019)で要件事実を学習しつつ、本書で執行保全·法曹倫理を学びました(実際、私が受験した予備口述の法曹倫理では本書に入っていた利益相反について出題されました)。

最終的には、要件事実は『完全講義 民事裁判実務の基礎[第3版](上巻)』、執行保全·法曹倫理は『新版 完全講義 民事裁判実務の基礎[入門編][第2版]』という使い分けがおすすめです。

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