書評『刑事訴訟法[第2版]』(リーガルクエスト)

宇藤崇ほか著『刑事訴訟法[第2版]』有斐閣・2018

初学者おすすめ度:★★☆☆☆ 星2
既習者おすすめ度:★★★★★ 星5

本書は、リーガルクエスト・シリーズの刑事訴訟法です。
“リークエ刑訴”とか呼ばれている本です。

まず初学者おすすめ度の方から説明します。
私は、自身が初学者段階で基本書を読んで挫折した経験から、初学者が基本書を読むことに疑問を持っています。ある程度論文で何が問われるのか把握してからの方が、学習効率があがるという側面もあります。そのため、基本書についての初学者おすすめ度は高くはないです。
しかし、私の周囲で初学者段階で基本書を読んでいる人がいたため、単純に私自身に向いていなかったのかもという疑いも捨てきれません。そのため、初学者おすすめ度星2です(初学者段階で基本書を読み切れる人はすごいと思います)。
私は予備校の薄い本から入りましたが、私の周囲では、『入門刑事手続法』(三井誠·酒巻匡著)から入る人が多かったです。『入門刑事手続法』は読んだことがないのですが、導入のための本としてシェアが高かったので、まずこの本から入るのがいいような気がします。

既習者であれば、おすすめの基本書です。他の基本書と比べて、解説は分かりやすいと思います。
共著なので、著者の独自説に振り回されるという危険がないのが安心できます(「これはリークエ独自説だよ!」という記述があれば、ぜひ教えてほしいです)。
また、受験生シェアが高いというのも魅力的な本です。基本刑事訴訟法が今後シェアを伸ばす気がするので、リークエ刑訴とどっちが使われるのかは気になります。

本書の使い方については、私は、問題集を解いて出てきた論点について、逐一本書を読むという作業を繰り返していました。やはり、基本書を頭から通読という使い方は、個人的にはおすすめしないです。


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