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コース演習でJICA横浜・海外移住資料館を訪問しました!(国際文化交流学科・文化交流コース)

国際文化交流学科では2年生から文化交流コース、観光文化コース、言語・メディアコース、国際日本学コースに分かれて、それぞれの「コース演習」で各専門領域を勉強していきます。学外実習も盛んに行っていますが、文化交流コースの「コース演習」では、学生たち全員で講演者を選んで手作りの講演会を企画したり、グループごとに分かれて「内なる異文化」をテーマに調査・発表を行ったりしています。

講演会「マンガから見る文化交流」を開催します!
https://note.com/kanagawa_ccj/n/nc47731512564

昨年度に引き続き、10月28日(金)には、みなとみらいキャンパスから15分くらいのところにあるJICA横浜に、学生たち約60名で訪問しました。青年海外協力隊を経験したJICAプラザよこはまの田中浩平さんに、JICAの国際協力の枠組みや、日本ではあまり知られていないが関係の深い国、ネパールについて講演をいただいた後、海外移住資料館見学を行いました。

ここでは海外移住資料館を見学して、学生たちが寄せた感想の一部を紹介したいと思います。

JICAという組織そのものや横浜の海外移住資料館の存在について、今まで知らなかったことがとてももったいなかったと感じた。資料館では、海外移住と移住者に関する歴史と変化を学ぶための多くの資料を目にした。中でも、移住者たちが海外移住にあたり、持って行ったものをクイズ形式で知るという展示に興味を惹かれた。移住者たちの境遇や目的はそれぞれであり、当然選んだものも様々であった。家族の写真や家族の形見を持って行った人もいれば、茶道の道具を持っていき日本文化を広めようした人もいた。これらから、楽しさや刺激だけでなく、むしろそれ以上の困難が生じるだろう生活にもまっすぐに向き合おうとした彼らの奮闘が垣間見えたように思える。また、資料館内「萬屋」や「ごちそうテーブル再現」などでは現代にも残る日本の食品や料理が展示されており、祖国を大切にしながらも移住先の文化を生活に取り込んでいく過程を想像させてくれた。(TS)

初期の移住はプランテーションでの住み込み労働であったのに対し、徐々に自作農として独立していったというのが、日系人コミュニティの豊かさを生んだのだとわかりました。コミュニティ内で日系人の学校なども作ることで、移住先でも日系人としてのアイデンティティを受け継いでいく仕組みが構築されていたというのは素晴らしいと思いました。そのほか面白かったのは、移住者のトランクケースの中身を再現した展示です。薬箱や着物などの生活用品だけでなく、木彫りの仏像や仏様の絵が入れられており、異国の地で己のアイデンティティを確かめるために重要な役割があったのだと感じられました。また、日本人は安息日である日曜日も働いていたためアメリカなど現地では気味悪がられたという記述は興味深かったです。(KI)

日本人が外国人労働者として他国に受け入れられていた時代を、実際の資料を通して知ることができ、今までになかった知識を得ることができた。これまで、「外国人労働者」という単語を耳にすると必然的に「受け入れ国側」として問題を考えることが多かった。しかし、今回見学してみて、思った以上に、日本からたくさんの国に外国人労働者として働きに行った人々が多く、驚いた。中には、日本から持っていくものが限られていたため、自分の子どもの服や健康用品に加え、自分のものは必要最低限のものに限られていたという内容が書かれている文もあった。自分を犠牲にしてまでも、家族のために労働者としてハードな労働をしに行っていたという歴史に胸が痛くもなった。しかし、そんな重労働であっても展示されている写真に写る日本人は笑顔で現地の生活をできるだけ楽しみ暮らしているようにも感じた。移住先での労働は商業や農業だったりと多様な職種のなかで、強制的な仕事であっても与えられた仕事で社会に貢献しようとする人々がいたことに心を打たれる思いだ。現在、日本に入ってくる労働者のなかにも家族を養うため、自分の国で活躍できるようにするためなど様々な思いで移住してくる人がいると思う。そのような人々のためにも日本政府として彼らの日本生活を支えてあげることができるような支援は重要だと感じた。(SO)

見学を終えた後はお昼だったので、3FにあるPort Terrace Cafeで、各国の料理を食べた学生もいました。このように現場の感覚を体験できるような授業を、これからも企画できればと思います。JICA横浜・海外移住資料館の皆さん、ありがとうございました!


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