見出し画像

55歳からのハローライフ 感想1

先ほど、図書館で借りた「55歳からのハローライフ」(村上龍さん作)を読み終わった。

この本は、5つの短編を1冊の本にまとめたもので、55歳を過ぎた計5人の主人公たちが、自分の生き方について、悩みや苦しみを抱えながらも真剣に考え、向き合い、生きる道を見つけようとする物語である。

主人公たちは、55歳以上という年齢以外は、性別や境遇、考え方・価値観に至るまで皆バラバラであるが、ある共通点がある。

それは、全員が「どこにでもいる人」であり、自分自身も将来「もしかしたらこうなるかもしれない」と思わせるだけの説得力があるということだ。

2作目の短編を読んだ時に、それを強く思った。

「ホームレスになる人の多くは怠け者ではなく、不運が重なったために、どうしようもなく路上生活を選ばざるを得なくなるのだということが、まずわかった。」(引用:p80の5行目~6行目)という文章を読んだ時に、「他人事ではないな」という直感が働いたのだ。

この短編の主人公は男性だが、近年は女性ホームレスの実態について記されたインターネット上の記事もたくさん見かけるため、自分も含めて、誰もがホームレスになる危険と隣り合わせで生きているのだ、という実感を持つようになった。

では、そうならないようにするにはどうすればいいのか。

また、仮にそうなってしまったら、どのようにすれば行政等の支援につながることができるか。

今のうちから考えておいたほうがいいな、と思った。

10年前に発行された小説とはとても思えないぐらい、素晴らしい内容だった。

借りてきて正解だった。

本当はもっと書きたいが、時間がないので次回にまわすことにする。




この記事が参加している募集

#読書感想文

188,766件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?