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ゆたかさへの一歩


2020年に入って世の中が変わったと多くの人が実感した事と思います。

これまでの自分を取り巻く生活が大きく変わらなくとも、世界が変わった。身近な人はみんな元気に暮らしていても、TVの中でいつも笑わせてくれていた芸能人が亡くなった。他人事とは思えない状況が続き、少し前に想定していた未来は全く違う世界になりつつあり、心が穏やかでいられない状況が今もなお続いています。

この状況下で、様々な環境に置かれている人たちがいて、私自身、何となく弱音を吐けない雰囲気だったり、楽しい事を提案するのに気がひける様な思いをしたり、肌で感じる目に見えない空気に惑わされていた様にも思います。


少し話は変わりますが、募集記事でもあり、society5.0ラボのテーマでもある  ”ゆたかさって何だろう″ と改めて考えてみると、2020年以前と今では随分変わりました。

これまでに ”ゆたかさとは?” と深く考えた事はなかったけど、なんとなく生活するのに支障のないお金があって、仕事や勉強ができる環境があって、自然や資源に恵まれていて…などを挙げていたと思います。

もちろん今も先に挙げたことは、ゆたかと言える状況だなと思っているのですが、それに加えて ”心に余裕があること” これが最近私の中で出せたゆたかさです。

計画をしても、目標を立てても、何らかの理由で達成できない場合に、自分に一番失望したくないから敢えて "無" で構えてみたり、不意に傷つく出来事があり急に心が乱れたり、生きていると自分1人ではどうしようもない問題ばかりです。

決して、日々自分の心のセンサーが反応することは悪い事ばかりではありませんが、心の中に少しだけ余裕を残しておけたらと思います。

心の余裕とは、自分のモノサシで世の中を見れること・他者と向き合えることだと思います。自分本意でという事ではなく、”私は私” というアイデンティティを持つこと。私たちは無意識のうちに、日々膨大な情報が入ってきています。何気なく目についた誹謗中傷に心痛めたり、興味もないのに付き合いでフォローしている人たちの近況がSNSから入ってきたり、スマホを見ればネットニュースが目に付く。これらに何も反応していないつもりでも、気になってしまう事があります。

私の場合、気になってしまうのは、興味や関心があるわけではなくて、ある種の自信の無さからくるものである事が多いです。だからこそ、常に心に余裕を持っていたい。しっかり受け止めて、落ち込むし、笑うし、怒るし、感動する。感じたことをきちんと整理して、想定できない事に出会ったとき、いつでも組み替えられる柔軟さを持ち合わせていたいと思います。

最近いくつか読んだ本を通じて、病気や障害、人の気持ちや痛みは、当事者にしか分からない事で、こちらが知りたい・共感したいと試みても、理解までには程遠いと感じました。せめて寄り添う事ができたとしても、同じ立場・当事者になる事で初めて少し理解できるのだと。であるとするならば、自分にとっての幸せをまずはきちんと理解すること、それがゆたかさに繋がる一歩だと思います。

本を読んで新しい知見を得る、美味しいものを食べる、好きな人たちに会って笑う、ドキドキする、自然の景色に癒される、一言「元気?」と連絡をくれる友達がいる、ドキュメンタリーを見て勇気をもらう、どれも私にとってゆたかな時間で幸せです。

”ゆたかさとは” を考えるにあたって改めて今の気持ちの整理ができた事は、未来に向けて大きな一歩となりました。

最後に、ゆたかさ=心の余裕だと感じる今の私に、教訓とも思えるような言葉に出会いました。


Expect the unexpected. 想定外の事態を想定せよ。 

この言葉は、2020年6月8日の朝日新聞、折々のことばに掲載されていました。(なんと6月8日は私の30歳の誕生日でした!笑)
解説として、”未知のものに既知の枠組みで対処すると、事態を歪めその本質を捉えそこなう。事態を正確に対処するには、予測不可能なものを容れるのりしろを普段から作っておく必要がある” とありました。

想定できない事に出くわした時、すぐに解決策を出せなくても、それを受け入れる余裕を持ち合わせて置くこと。頭の片隅にいつも置いておきたい言葉で、心はいつも余裕を持ち合わせたいと思います。



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