見出し画像

愛持ってマルゴレッタ

オウベイビ、愛持ってエレファント。子供の頃から動物が好きな私にとって、世界は残酷な事だらけで正視に耐えない、動物を破壊するのはいつだって人間だ、私と同じはずなのに何が違う?文化、生活、すべては金のため?孤独、憎しみ、怒り、疎外感、鬱憤、すべては誰かのせい?下劣な力技で他者を破壊してまで生きたいなら自分を殺したらいいよ、楽になれる。養わなきゃいけない人がいる?それをしないと自己を保てない?知ったこっちゃないよ、たかが人間の分際でこの地球の中心だとか思うな傲慢、尊大、厚顔無恥。


象の密猟の番組を見て憤怒と涙した私は打ちのめされそうになりつつ、なってたまるか世界を変えてやる、でもどうやって?私にできることはなんだろう、音楽だ、イエモンのJAMみたいに?否、speenaでやるならガーリーなロックで、重たいテーマをポップに伝えるべきだ。
この頃買ったギターはラルクのケンモデル、アクリルのクリアピンクにグリッターが煌めく様はまるで王妃、王妃マルゴ、じゃあ私のギターならちょっと足をばたつかせて、マルゴレッタ。名前をつけた。
練習し始めでコードがきれいに鳴らないまま、どうしてもギターで曲を作りたかったその1曲目はマルゴレッタ、あんたが殺したエレファントには私と同じ温かい血が流れてんだよやめてくれ、と叫びたかった、あの日の私。



マルゴレッタ / speena


レコーディングをした。アレンジはおケンジこと上田ケンジさん。歌詞の2a部分で繰り返す ”リッチマン” に、ここすごい好き(笑)、と言ってくれた笑顔を覚えてる。深く思考し、時に飲み込まれがちになる私の癖をよく理解してくれるお兄さんだ、それも当然、おケンジのそれは私の遥か上を行って、飲み込まれずに周りを絶望からふわっと持ち上げてしまう力を持っているのだから。おケンジの書く歌詞もすごいんだ。大先輩、the pillowsだったんだぜ、敵わねえよ。
曲アレンジもふわっと、いや、おりゃっと持ち上げるかのようなポップなものになった。至極可愛い。


とんがってしまいがちなこの心をかき混ぜて甘くしてくれる魔法のようなイントロが素敵、ドラムのスネアになんか同期して、ゲームの可愛いハンマー的な音してるの可愛い、dメロ(bridge)の祈りと嘆きを、堕ちさせねえよ?といわんばかりに寄り添うシンセが天使、全編に渡るコーラスワークが慈愛、エレファントなコーラスに重なるおケンジのコーラスが、愛の兄。
ギターは難しいなぁと指先が傷だらけな私の目の前で、余裕でそれを弾くシホに嫉妬した、「これ簡単?」「うん、簡単」、きぃ。「でも初心者には難しいかな」優しい。



PVを撮った。石井高英監督、お初。「テーマは愛と命です、象の密猟からインスパイアされて生まれました」OK、なかなかに重い、ふわっと持ち上げストーリーを作ろうって、ふわっとどころかぶわっとになった。
煌めくシンセはコメディエンヌばりの演技のショーコ、最後スコーンと改心しちゃう悲しき密猟者に太陽に吠えそうなサングラスのシホ、カナコのドレスは天使担当、明るい曲にしたってメッセージは堅い、どうしてもしかめ面になる私に「アホかな、と思うくらいの笑顔で!」と石井監督。
サビ、等身大スピーナ気ぐるみっ子(中にはラブスタッフ、酸欠と汗と戦いながら踊るあなたは戦士だ、ありがとう)に掴まって強風に煽られる3人娘、後ろには悲しみの雨に濡れるエレファント達、スピーナだって雨に打たれる日もある、世界は残酷だ、でも、めっちゃ笑顔の3人娘。
負けない、私達は負けない、憂鬱も悲しみも怒りも涙も、おりゃっと放って笑ってやる、そしてあなたを、世界を愛したい、あなたと笑い合いたい。


”一緒に手をつなぎましょう あたしの手は温かいでしょう?

 それだけで愛しいものは 存在する事

 あたしとしましょう”


祝福されたかどうかなんて考えるほど、生まれくる事に意味などない。そんな小さな概念なんかじゃ測れないほど、あなたが生まれきた事は問答無用で素晴らしい。バカでかい宇宙の小さな星になんの因果か集まったんだ、同じ種族同士、そして異種同士、仲良く笑い合おうぜ。動物可愛い。




ファズ

シホやばいカッコよすぎる抱いてくれってなるよね。ギタリストの皆様は好きなエフェクトをテーマに1曲書いて頂きたい。ファズならシホがぶっちぎりで優勝です。ギターソロきてるきてるピロピロ具合が狂気、マルゴレッタと同じでこっちの歌詞のテーマはお怒り、が凄まじいので、カナコのふざけた可愛らしいコーラスをファッファッと混ぜておきますね。
ラストの100倍速並み疾走が全てと言っても過言ではない、体感ソング。


” すべては部屋の外で 起こった出来事だから

 ゲイン上げて トーン下げて フルボリュームで

 あたしはファズを踏み続ける。”


私の価値は、私の中に。誰かの評価で揺らぎません。
私の世界は私のもの、誰かと共有など、しませんノーサンキュー。




ハートのパンプス

テクマクマヤコン的魔法音で始まる、恋する乙女曲。ポップを追求し始めたspeenaを理解してくれるおケンジ、歌謡曲ばりのポップネスに混ぜたB-52's感(伝わるだろうか)、キラキラ可愛い恋の歌を素直に「可愛いね!」と感じさせる、歌を前面に押し出すには、しっかりとした演奏が必要不可欠ってことで、この頃からレコーディングのディレクション、楽器演奏に厳しくなってきた記憶。
歌?もうそれはそれは、私が200パーで世界に入って歌えるように、あらゆる事をしてくれたよ。お夕飯も決めさせてくれたもん、すぐビーフンとか言いがちなのに付き合ってくれる優しさ、もれなく全員。ありがとう。


当時の恋人の元から、新しい恋人の元へと向かう私を鳥かごの鳥に例えた歌。恋人同士の関係は不確か故に、言葉を信じる。心を表すものだと信じているからだ、私は嘘をつけない。なのに嘘をつく人がいる、身勝手だな、チクチク刺さる。大好きな人が浮気をした、してないよ、したの知ってるよもう、嘘ついたね、不誠実な人だ、言ってくれればよかったのに。
本気じゃないならいいじゃん帰ってくるよ、そうじゃないんだ、帰ってきたよ、でももういらない。心と心が結ばれないなら、結婚しなくてよかったのかもしれない、切ない。
永遠だと思ってたお籠の鍵は本当は初めからかかっていなかった、いつでも終わらせられるんだ、なぁんだ、あっけないな。
彼が呼んでるから行くね。


” あたしはいつでも光ってたい

  あたしはいつでも光ってたい 

  ハートのパンプスはいたら でかけよう ”


自分の心にだけは嘘をつきたくないんだ、私がどんどん曇っちゃうから。
私の平穏探しの旅、普段のbpm84で愛しあいたい、彼とならできるかもしれない、靴を買おうそして、彼の元へ、ハートが歩き出す。





この頃はライブたくさんしてたかな、人前で歌う事なら一ミリも躊躇わず出来るのに喋るのは苦手の極み、うまく喋れないから歌ってるフシがあんのに殺生な、mcは緊張してしまうから台本書いてた。この曲とこの曲はなんか演奏してるからmcで適当に繋いで、の、適当ってのが出来ない、向いてない。故に、ショーコにたくさん喋ってもらってた。おもろくてすごいなぁっていつも思ってたな。だんだんと「え、あなたが?」と思うような、今までいなかったタイプのファン(特に男の子)が増えていったのはここだと思ってる。

だって私のファンは圧倒的に女の子が多くて、たまにいる男の子はもれなくきてる(いい意味で)、シャイなくせにエッジ超絶効いてる子ばっかりだったから。speenaがまた、広く認知されてきたってことなのかな、時々感じる違和感を隠して走った26の頃、ストレンジな世界に向かってゆく話はまた今度。


読んでくれてありがとう。らぶ。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?