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恋に振り回される自分をどう思う?(1997年『ラブ ジェネレーション』)

『ラブ ジェネレーション』
(©フジテレビ/全11話/1997年) ︎

- 恋に振り回される自分をどう思う? -

【観た経緯】
フジテレビ開局65周年記念で、ラブジェネもロンバケも同時に配信が解禁されたんですよ。もちろんロンバケを観た流れで、テンションぶち上がったまま一気見しました。去年の3月は念願の有休消化があったから、ほぼ1ヶ月くらい暇があって本当にタイミングが良かった。

【ざっくりな内容説明と感想】
広告代理店のクリエイティブ部で働いている哲平(木村拓哉さん)は、上司に「その自信過剰なところ、営業に行って鍛え直して来い」と命じられ、仕方なく営業部に異動すると、昨夜ホテルで逃げられた理子(松たか子さん)と再会。チャラいけど根は真面目な哲平と、活発でチャッカリ者でやや鬱陶しさのある理子、哲平が未練タラタラな元カノ・さなえ(純名里沙さん)、哲平の兄でさなえの婚約者・荘一郎(内野聖陽さん)が中心となる、胸キュンよりイライラ多めのややこしい恋愛ドラマ。

ロンバケから薄々感じてはいたけど、ラブジェネではよりいっそう木村拓哉さんが女性を追いかけます。「ちょ待てよ」も第1話の開始早々から小さく言っている気がする。基本的に自分から喧嘩をふっかけることはないんだけど、理子から地雷を踏まれて言い合いになり、怒った理子が1人で出て行ったあと、我に返ってダッシュ!!!!みたいなものが何度も何度も観られる。

哲平と理子がずっと喧嘩っぽいじゃれ合いをしてるのもそうだけど、営業部の課長(平田満さん)が社内でずっと怒鳴っているのもあり、冷静になると「こんなに怒りの感情でいっぱいのドラマ、他にあるか?」と思う。感情が込み上げて歯を食いしばる哲平を何回観ただろう。それほどみんな何かに傷ついているのでしょうが、このドラマは観れば観るほどに登場人物に対しての嫌悪感が募っていくから、私もだんだんイライラしてきちゃって、出てる奴も観てる奴も怒気のエンドレス。

理子は本当は繊細でいい子なんだけど、哲平に対しては度胸がありすぎてハラハラするし、さなえにずっと未練がある哲平にもうんざりするし、荘一郎は「なぁぁぁにやってんだよ!」でしかない。誰もが共通して嫌いなのはさなえ。どこから文句を言っていいか分からないくらいの魔性のあざとさで、恋愛においていいとこどりが過ぎるんだよね。可愛いけど。あと、エリカ姉さん(藤原紀香さん)は、だいたいFuraにいらっしゃる。本当にCAやってるの?と思ってたら、終盤でついに理子を空港に呼び出すシーンがあって笑った。主に恋愛がメインのドラマだけど、哲平の仕事への向き合い方はかなり変化していて、そこには陰ながら支えている理子の影響があるのも見て取れる。営業部のおじさんたちのノリはキツいけどね……。

【印象に残っている登場人物など】
好きな登場人物は1人もいないけど、主題歌の「幸せな結末」(大滝詠一)が素敵すぎてびっくりした。オープニングは一度も飛ばさずに観たし、《髪をほどいた 君の仕草が/泣いているようで 胸が騒ぐよ》って、これ以上にないロマンチックな歌詞。この一節は坂元裕二さんも手伝っているらしい。胸熱すぎる。ドラマを作っている人はロマンチストであってほしい。哲平が抱く理子への想いにリンクしてるのかな?と思って歌詞を読んでみたら、《今なら言える 素直になれる》のところで「いくら何でも遅えよ!」とまたイライラした。

サントラはサブスクにはなさそうだったけど、「Clack-sion」があったのは嬉しい。《じゃぁナンで あんなコト言うの/泣いちゃいそうだった ほんとうは/もういいよって言っちゃったけど/けっこう後悔もしてるよ》この曲の歌詞は聴いているだけでもとても好きだったんだけど、字面で読んだら病みブログみたいで超大好きだった。カラオケで歌いたい。まさに理子の心情で、特に第5話で流れるところが好きでした。渋谷愛ビジョンも告白で使ったらいいのに!

社員旅行で温泉行く回とか、哲平がカレー屋さんの上に住んでるのとか、理子が住んでる部屋が狭いのとか(最近のドラマは部屋が広すぎる)、PHS持ってるし家電もあるけど絶対に会って話すところとか、とにかく感情のままに走りまくる哲平とか、理子が「私のこと意気地なしって言っていいから」ってセリフを言うのとか(ロンバケでは涼子ちゃんが瀬名くんに「意気地なし」と言ってましたね)。イライラするとは言いましたけど、何かしらの感情が引き出される作品というのは面白くて仕方がない。

お互いを惑わし惑わされた果てに、「恋はみっともないものだ」とカッコ悪い自分を受け入れた(開き直った?)哲平と、「もうちょっと強くなろうと思う。1人でいても、哲平といても、同じでいられるように」と決心した理子。精一杯に自分と向き合う2人には結局目が離せませんでした。

ちなみに、名場面「なんであったけぇんだよ…!(ダッシュ)」で使われているキティちゃんのランチョンマットは、私も小学生の時に同じものを使ってました。キティちゃんのプリントは映ってないけど、あれは絶対キティちゃんです。

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