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アメリカの高校2~ハワイ~

1つ前の記事の続きです。


スクールカウンセラーの仕事は?教師の仕事は?

カウンセラーと聞くと、未だにどうしても心のケアをまず連想する私ですが、スクールカウンセラーの仕事は多岐にわたります。
一言で表すなら、生徒が高校を無事卒業し次の道に進めるようサポートをすること。

具体的には
1. 心のケア、相談役
2. 進路相談
3. 時間割、学校生活などのアドバイス

日本の場合、高校だと進路相談室に担当の先生がいたり、保健室の先生が相談役になったりということはありそうですが、基本的には担任の仕事と思われても良さそうな内容ですね。

進路指導の資格もあり、学校にいるカウンセラーの力量で大学、奨学金、受験方法に関する情報量も大きく左右されれると聞きます。
私立に子どもを行かせる場合、カウンセラーの評判をチェックするのも大事な項目の1つかもしれません。

アメリカではスクールカウンセラーがいることが基本なので、教師が子ども・生徒の心の問題や付随した問題行動に対して直接対応することはありません。授業中問題行動が起き、授業の妨げになると判断されればその場でカウンセラー室に送られます。(後で教師が呼び出ししたり、指導することは勿論ありません)
教師によっては、できるだけその場で解決できるよう指導する人もいますが、日本の学校ほど教師が1人の子ども・生徒の問題に向き合い対応することは本当に稀です。

教師=教科指導

が徹底されています。

一方、教師と生徒の距離感も日本と少し違い面白いなと思います。
友だちのようにフランクに
一方
物理的距離は明確に

生徒と恋バナしたり、どのゲームが面白いとか、どこのカフェが良かったとか教師もプライベートを隠さず友達のように色々なことをざっくばらに話す人が多いです。
生徒の前で堂々といちゃつく同僚と教育実習生のカップルを見た時には流石に私は「開いた口が塞がらない」とはこの事かと思ってしまいましたが・・他の同僚や生徒は全く気にしていないようで、むしろこのカップルを応援していました。
そんな距離感なので、自然と仲が良い生徒の相談にのる先生もいます。目の前に助けを求めている子がいるから、教師として何とか手を差し伸べたい、という愛情で動くことあはりますが、「担任だから」とか「仕事だから」という感じではありません。

一見、私からみるとお友達のような関係にも見える教師と生徒の会話ですが、そこは訴訟社会です。また、子どもを守る法律が厳しい社会でもあるので、訴えられるようなリスクは負いません。
例えば、生徒とは絶対に2人きりにならない、肩などにも指一本触れない、SNS等では一切繋がらない、などなど線引きも見事です。

ただ、ハワイはアジアの文化が強いですし、みんなオハナ(家族)文化なので、ハワイ出身の先生は普通に部活のあと生徒を家まで送ってあげたりとプライベートとの線引きが曖昧でした。一方、本土出身の先生は徹底している印象です。

放課後のクラブ活動(運動部)

アメリカではシーズン毎にスポーツの種類が変わります。
冬はサッカー、夏はバスケ、といったように、だいたい1種目2~3か月くらいです。

学校は2時半~3時前に終わり、そこから4時半、5時くらいまでがハワイでは一般的な活動時間な気がしますが、この活動時間、活動頻度(週何回か)は全て顧問の裁量です。ただ、シーズンが短い分、ほぼ毎週試合があります。

顧問は教師の場合もあれば外部の人が来ることもあります。

アメリカのクラブ活動の良いところ
・色々なスポーツを体験できる
  
大人になってからも色々なスポーツを楽しめるようになるのかなと思います。また、自分に合ったスポーツを見つけることできるかなと。
・顧問にもきちんと給料として支払われる。   
  ハワイ州の公立高校では顧問料は1シーズン$1200くらい(2013‐15年当時)
・文武両道
  成績が悪いと選手登録できません。アメリカは学期末にいきなり成績が渡されるわけではなく、教師が定期的にシステムに成績を入力していきます。試合前の生徒は各教師に成績を確認したり、上げてもらえるよう懇願に走ったり・・成績が確定する前に確認できるのはその後の頑張りで挽回できるので、このシステムは良いなと思います。

 アメリカのクラブ活動の好ましくないと思うところ??
・1つのスポーツのスキルが伸ばせない?
  
日本の場合、甲子園からプロ野球に進んだりと部活→プロ/実業団という道があると思います。アメリカも勿論、高校アメフトで活躍して大学へ、プロへ、という道も一般的ですが、なんせシーズンは数か月しかありません。特定の種目で活躍しようと思うと、学校のクラブがシーズンオフのときに民間のクラブに入ってトレーニングする必要があります。お金がないとスポーツの才能がなかなか伸ばせない、お金が物を言う国な気がします。生まれ持った類い稀な才能があればスポンサーがついたり、短いシーズンでも活躍できるのかもしれませんが。

  知り合いの小学生で2競技習っている子。なんとそれにかかる費用月額$1000・・・おそろしや。
  ハワイの家族が子どものスポーツ1シーズンにかける費用の平均は$732とのこと。
  スポーツするにもお金がかかります。

ただ、公共のバスケットコート、テニスコートは無料開放なのでスポーツを楽しむだけであれば種目によってお金が殆どかかりません。

Early College 

最後に、こちらはある公立高校と大学の提携によって実現した取り組みです。全ての学校にあるわけではありません。

これは放課後、高校で大学の授業が受けられるプログラムです。生徒は全て無料で受けることができ、試験に合格すると大学の単位として認められます。

Early college の魅力
大学の単位が無料で取れる=大学の学費が安くなる
GPAを上げられる。(受講するクラスと数、成績によっては高校の総合成績GPAを4以上にまで上げられるとのこと。基本最高が4.0ですが、高校のGPAに大学の単位の成績を加えることで4.0越えも可能らしいです。知りませんでした・・)
・本当に大学でその勉強がしたいのか体験できる

アメリカの大学は本当に高い!
そのため、高校生の頃から、APクラス、Early collegeを頑張ったり、より良い大学、より多額の奨学金を目指して奉仕活動、スポーツに勤しんだり、アメリカの高校生は高校の授業以外にも大忙しです。



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