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出生前診断と遺伝カウンセリング1

初診を受けた日、担当医に遺伝カウンセリング(genetic counseling)が受けられるか質問しました。

実はこの頃、遺伝カウンセラーという資格取得を考え進学を計画しており、遺伝カウンセラー大学院入学準備コースのような大学のクラスをオンラインで受講していました。そのため、ほんの少しだけ知識もありました。(アメリカでのキャリア形成と進学準備に関しての詳細は今後別記事で)

多くの妊婦さんとそのパートナーが一度は悩むところかと思いますが、遺伝カウンセリング、出生前診断を受けるかどうか、私も少なからず葛藤がありました。
出生前診断を受ける=命の選択をする
という印象がやはり強かったからです。

上記のクラスでダウン症を始めとした先天性遺伝疾患についても学びました。アメリカにはどんなサポート団体があるのか、中絶した人の体験談、産み育てている家族の体験談もクラスの課題を通していくつも触れていました。そんな中、私の出生前診断に対する考えも揺れ動いている状況でした。ただ唯一確信していたのは、自分には「中絶」という選択はできない、ということ。
これは、どちらの選択が正しい間違っているということではなく、私にはできないということです。障碍を持つ子を育てる現実を分かっていないと言われればそうなのかもしれません。単に中絶を選択する勇気がないだけかもしれません。それでも私にはその選択肢はないと思いました。だったら、検査を受ける必要はないのではとも考えました。

では、なぜそれでも遺伝カウンセリング、出生前診断を受けたのか。

1. 生まれて来る子どもに必要で最善の環境を準備するため
※これはかつて教師時代に受け持った生徒から聞いた言葉です。その子のお母さんは、その生徒を妊娠中出生前診断を受けたらしく、その理由がこれだったようです。
事前に胎児の疾患が分かっていれば分娩時により良い体制を整えることも可能です。
※こちらはあまり考えたくありませんが、もし何かしらの疾患が見つかり、パートナーと産む、産まない、育てる、養子に出すなどの意見が一致しなかったとき、自分がシングルマザーとしてこの国で子どもを育てていけるのか、どのような支援が得られるのか調べ準備する時間が持てるとも考えました。現実問題、子どもの障碍をどちらかのパートナーが受け入れられない、あるいは受け入れたとしても夫婦としてうまく行かなくなるという話は少なくなりません。勿論その一方で夫婦の絆が強まることもあると思います。性格上、様々なリスクに備えておきたかった、できる限りの情報、選択肢を並べておきたかったのです。

2. パートナーの意思を尊重するため
彼はできる検査は全てしたいと希望していました。私の体の中にいるとはいえ、彼の子どもでもあるのでそこは尊重することにしました。

2. 遺伝カウンセラーを目指すにあたって患者側の経験も有効かもしれない
これは若干不純な動機かもしれませんが、一度受けてみて良かったと思っています。

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