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応用行動分析学(Applied Behavior Analysis)とアメリカの資格

現在、ABAを学ぶ大学院への進学を目指すと同時にABAに基づいた療育を実践するための資格RBT(Registered behavior technician登録行動テクニシャン) 取得のためオンライントレーニング受講中です。自分の学習のため、学んだことをこのNoteに少しずつまとめていきます。また、これがどなたかの参考にもなったらうれしいです。もし、間違いに気づかれたかたなどいましたら、ご指摘ご指導よろしくお願いします。

「応用行動分析学とは、行動改善を目的に、行動原理から導出された戦術を組織的に応用し、実験を通じ行動改善に影響した変数を同定する科学である。(応用行動分析学 Tankobon Hardcover – May 30, 2013, 訳 中野 良顯)

応用行動分析(ABA)はScience of behavior analysis(行動分析科学?日本語訳が見つかりませんでした。)が3つに枝分かれしたうちの1つです。
 Science of behavior analysis 
1. Behaviorism (行動主義/行動主義心理学) 
 すべての行動は条件付けによって獲得されるとする人間心理の理論を学ぶ学問で、環境との相互作用によって人/動物の行動が決定されるといった考えに基づく心理学
2. Experimental analysis(実験的行動分析学)
 先行要因と行動の間の機能的な関係を確立するために、データに基づき帰納的にアプローチする学問。つまり、環境/刺激と行動の関係を実験データに基づいて導き出そうとする分野
3. Applied behavior analysis(応用行動分析学)
   社会的に重要な行動を理解するための体系的なアプローチ、特定の行動を改善するために行われる療法

つまりABAとは1、2の心理学、実験で得たデータを応用し実際に人の行動改善に役立てようという分野です。全ての行動は環境(刺激)に対する反応であり相互作用が働いているという考えの下、刺激と行動の組み合わせを学んだり変えたりすることで望まれる行動がとれるようにしていくことを目指します。

昔話題になった伊藤園のお~いお茶新俳句大賞、ユニーク賞の作品
「おーいお茶”お茶じゃないんだ私の名」

「お茶」と言うとお茶が貰えたという成功体験を繰り返してしまったり、その成功体験の様子を繰り返し観察してしまうと、その人は「お茶」と言えばお茶が手に入ると学習し、その行動が繰り返されます。逆に「お茶」と言ってもお茶が出てこなければ、別の行動(自分でお茶を用意する、お茶くれる?とお願いするなど)を学ぶ必要があります。これが学べなければその人はお茶がずっと手に入れられずフラストレーションを抱え、その環境での生きづらさなど感じて来るのですね。その学びを体系的に科学的根拠、データに基づいてサポートしようという試みです。

日本でもアメリカでも「自閉症」の療育での効果に着目されがちですが、実際には誰にでも応用できるものなのです。

アメリカではこのABAを実践するための資格が大きく3種類あります。
1. BCBA(Board Certified Behavior Analyst) 協会認定行動分析士
2. BCaBA (Board Certified Assistant Behavior Analyst) 協会認定準行動分析士
3. RBT(Registered Behavior Technician) 登録行動テクニシャン

ちなみに現在日本で取得できるのは3つ目のRBTだけのようです。
1のBCBAは修士と博士レベルがありますが、行動分析士として行う仕事内容としては変わりありません。研究者としての顔を持つか、現場での実践を中心としているのかの違いでしょうか。

簡単に3つの違いを述べると
1.BCBA
クライアントの現状と目標から、訓練の計画を立てる。
訓練の効果をデータに基づいて分析・必要に応じて修正する。
RBT、BCaBAの監督、指導

2.BCaBA
BCBAと同じ役割を担うが、BCBAの監督下でのみ行うことが認められている。

3. RBT
BCBAないしBCaBAが作成した計画に基づいてクライアントに訓練を提供する。

企業や団体に属さずフリーランスとして直接クライアントと契約するBCBAの場合はRBTの仕事も自分で行っている人も多いと思います。


次回は「具体的な資格取得方法について」をまとめていきます。


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