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気がついたらTravis Japanに沼落ちしていたアラサーの話

30年近く生きていく中で、ジャニーズに対してはどちらかといえばポジティブな印象を持っていた。しかし推しといえる存在は別界隈にあって、そこにジャニーズが入り込む余地はしばらく無かった。

そんな私が初めてジャニーズの沼に落ちた。それもメンバー全員が年下のグループに。

そのグループの名はTravis Japan。マイケル・ジャクソンの振付家で知られるトラヴィス・ペインの名を冠した7人組ユニットだ。

前置き

これまでジャニーズに対してはどちらかといえばポジティブな印象を持っていた。

メインで推しているジャンルは別にあったが、毎週のようにスマスマ、鉄腕ダッシュ、学校へ行こうを観ていたし、青春アミーゴやVenusの振りを完コピしたこともあった。

ライブに行ったりグッズを買い集めたりする熱量は無いにせよ、子どもの頃から思い出の片隅にジャニーズの存在があった。

しかし2016年のSMAP解散騒動を期に、ジャニーズはおろかJ-POPそのものに全く触れない時期が続いた。そのまま長らく、私の中でジャニーズの歴史が更新されることは無かった。

そこに風穴を開けたのが髙地優吾だった。

髙地のことは関東ローカル番組「スクール革命」を通して以前から知っていた。ジャニーズと距離を置くようになってから3年、元号が令和に変わった2019年、あの素朴なジャニーズJr.はどうしているのか急に気になりだした。

早速検索バーに「スクール革命 髙地 現在」と入力してみた。

そこで私はSixTONESというグループ、そしてジャニーズがYouTubeに進出していることを初めて知った。

あのジャニーズがYouTubeに進出したこと自体にも驚いたが、そこで見たSixTONESのパフォーマンスはジャニーズのイメージを大きく覆した。バラエティ企画も非常に面白く、あっという間に私はSixTONESの動画を完走した。

SixTONESのおかげで、私は再びジャニーズに対してポジティブな感情を抱くことができるようになった。

そうこうしているうちに8月に入り、SixTONESはデビューを決めた。

しかしそれとほぼ同時に彼等はジャニーズJr.チャンネルを卒業。動画供給も止まってしまった。

暇を持て余した私はSixTONESと同時デビューを決めたSnow Manの動画を見ることにした。こちらも完走する勢いで動画を見まくった。

その過程で観たのが映画「少年たち」にちなんだグループ横断企画である。

SixTONES版

Snow Man版

この企画、少年院を舞台にした同映画に因んで脱出ゲームに挑戦するというものである。

企画に挑むスノストはどちらも面白かったが、残念ながらゲームクリアには至らなかった。いくら好きなグループの動画でもこのような結果は消化不良だったので、私は残る3グループの動画も見ることにした。

Travis Japanの第一印象

さて、ここからやっと本題。

その残る3グループの一つが、Travis Japanだった。

Travis Japan版

動画を見た第一印象は、「一人めっちゃ真面目な人がいるけど、他の6人は幼稚園児並みに無邪気」だった。後に担当となる松倉海斗に至っても「椅子の取説ではしゃいでいる人」程度の印象しか残らなかった。

最終的にTravis Japanもゲームをクリアできずに終わってしまった。普通ならこのまま「幼稚園児たちとその先生」で終わってしまうところだが、彼らは動画の最後にとんでもない爪痕を残していった。

如恵留「宮近さん、本日の総評をお願いします!」
宮近「映画少年たちを観に、映画館へGO!」

…ん?

総評?

あっけにとられているうちにED曲、「TJみんなのうた」が流れてくる。

???????

このグループEDテーマまであるの?!

何だこのSixTONESにもSnow Manにも無い独自文化は。既に別グループの動画を完走していたからこそ、Travis Japanが与えたカルチャーショックは大きかった。

その後HiHi Jetsと美 少年の同企画も観た私は、気づけばYouTubeでTravis Japanと検索していた。もう彼等のことが気になって仕方がなかった。手始めに再生数の多い「夢ハリ」のパフォーマンス動画から視聴した。

だが、そのまま即沼落ちとはいかなかった。

彼等のパフォーマンスは決して悪くなかった。悪くはないんだけど、どうしてもスノストと比べると何か物足りない気がしてしまった。

ダンスは確かに上手い。それは間違いなく肯定できる。でも「上手い」のその先に到達していないような…。とにかく、その頃のTravis Japanは、上手いんだけど何かが足りないという印象だった。

やがて私は別ジャンル(注1)の方に興味が移り、ジャニーズJr.チャンネルを視聴する勢いも落ち着いてしまう。この時の私の脳内は圧倒的にその別ジャンルで占められていて、Travis Japanのことは頭の片隅に追いやられていた。

それから2ヶ月ほど経った2019年11月、ある動画がYouTubeにあがり、そこで私はTravis Japanと再会した。

Travis JapanとAUSTIN MAHONE Japan Tour 2019

それがこの、AUSTIN MAHONE Japan Tour 2019で披露されたVOLCANOである。

「お、Travis Japanだ。懐かしいな久々に観てみよう」

軽い気持ちで観たこのパフォーマンスに私は衝撃を受けた。

彼らのパフォーマンスは2ヶ月前に観た時と明らかに違うのである。
特にすごかったのが松倉海斗だった。

表情が全然違うのである。これがあの椅子の取説ではしゃいでいた人なのか?と目を疑った。

援護射撃のごとく、その一週間後には「Unique Tigers」というTravis Japanのメンバー紹介ソングが上がった。

これが本当に素晴らしかった。

このパフォーマンス、そもそもジャニーズのライブではなく、AUSTIN MAHONEのJapan Tourの前座として披露したものである。それもあったのか「ここにいるTravis Japanを知らない観客全員に俺たち7人を覚えてもらいたい」という熱量を強く感じた。

もう一つが、メンバーが互いを尊敬する気持ちを持っているのが伝わってくるところ。

各パートで他のメンバーのことをラップで紹介するのだが「俺の大切な仲間、めちゃくちゃ凄いんだよ!皆も覚えて!」というメンバーへの愛が垣間見えてグッと来た。

Travis Japanと8.8ショック

何で私は今までTravis Japanの魅力に気付かなかったんだろう。VOLCANOとUnique Tigersを見た私は不思議でたまらなくなり、Travis Japanの過去動画を漁り始めた。

その過程で見つけたのが、ジャニーズJr.史上最大のセンセーションを巻き起こしたコンサート「ジャニーズJr.8・8 祭〜東京ドームから始まる〜」について語る動画だ。

8.8の略称で知られるこのコンサートで一体何が起きたのか。

それが前置きでも触れた、SixTONESとSnow Manの同時デビュー決定の告知だった。

同世代の仲間が先にデビューを決めるなか、Travis Japanは取り残されてしまった。これに関してリーダーの宮近海斗が語ったことに私は鳥肌が立った。

「残酷だなと思いましたけど、残酷さもエンターテインメントになるし、ドラマになるから、やるじゃねえか。やるなっていう...」

SixTONESとSnow Manおよび彼等のファンが歓喜に包まれる陰で、Travis Japanの7人は耐え難い気持ちをこらえあの日歌っていたのである。

その苦難を知ったら、彼等の持ち歌であるVOLCANOやNamidaの結晶の意味合いもだいぶ変わってくる。

実体験に勝るものなしとは、プレバトの俳句査定でお馴染みの夏井いつき先生の言葉だが、8.8の屈辱的な体験をパフォーマンスに消化する彼等のなんと強いことか。

その当時Travis Japanの存在を知らず、吞気に祝杯をあげて浮かれていた私をぶん殴ってやりたいとすら思った。

怒涛の供給ラッシュ

その後の供給も完璧だった。

Mステの冬歌メドレー、少クラの千年メドレー、Johnny's World Happy LIVE with YOUの山下智久バックといった神パフォーマンスに恵まれた。中でも千年メドレーは松倉担になる決定打となった。

Johnny's World Happy LIVE with YOU (Travis Japanの登場は19:36から)

年が明け2020年に入ってからはおうち時間が増え、YouTubeのバラエティ企画も完走する勢いで観た。

様々な動画を通して彼等の人柄を知るうちに、Travis Japanの7人は「ダンスの上手い幼稚園児のようなグループ」から「愛すべき推し」に変わった。

8.8の一年後、そしてその先へ

そして2020年8月、配信ライブという形で開催された「サマパラ2020」で私は見事にトドメを刺された。

この年のサマパラは、7人がそれぞれソロコンサートに臨んた。同じグループのメンバーなのにセットリストのカラーは全く異なり、YouTubeだけでは分からない彼等の意外な一面を知ることもできた。

中でも「まちゅパラ」こと松倉海斗のソロコンサートは涙が止まらなかった。

さながらアニメのオープニングのような「LIFE~目の前の向こうへ~」と「自分のために」。

ショービジネスの煌びやかな世界を表現した「夢ハリ」「Secret Code」「Street Blues」。

「Panic Disorder」は8.8の苦悩を彷彿させた。

途中のローラースケートコーナーは困惑したが、「あ、これがいわゆるトンチキってやつか」と、どうにか自分を納得させた。

クライマックスの「星をめざして」はもう言葉にならなかった。8.8で「一度死んで」その一年後「君に導かれ 歌いながら 僕は歩き出す」と歌う松倉海斗の姿に涙が止まらなかった。

本人曰くストーリーを重視した「まちゅパラ」のセットリスト。私はそれを「8.8という苦難を乗り越えて再び歩き出すまでの物語」と解釈した。「まちゅパラ」が8月8日に行われたことにも何か意味があると私は考える。

9月には7人が集結し「ENTER 1234567」の配信もあった。ソロコンサートで力をつけ逞しくなった7人はさらにスケールアップしていた。それを自宅にいながら同じ時間を共有できるなんて、何と最高に幸せだったことか。

Travis Japanを応援する原動力

なぜ私はTravis Japanに夢中になったのか。

それは決して「スノストに遅れを取ったから彼等にも報われてほしい」という判官びいきの情だけはない。

彼等には残酷な出来事に直面しても、簡単には折れない不屈の心がある。

曲の主題を何倍にも増して伝えられる技術と表現力がある。

メンバーを信頼しあう尊い絆がある。

そんな7人をいつの間にか好きになっていたのだ。

その裏にはファンには見せられない負の感情もあるかもしれない。

でもそれでもいい。それでも私は彼等の行く道を全力で応援したい。それくらいの信頼を私は一方的に抱いている。

だから私は声を大にして言う。

Travis Japanはその名に恥じない、日本を背負って世界で活躍できるグループだと。




注1:すでに私の他の記事を読んでいる人なら察していると思うが、PRODUCE 101 JAPANのこと。

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