見出し画像

物書きが激甘な感想で自己肯定感を爆上げする方法

作家にとって、甘めの感想は栄養である。私だけかもしれないが。
貶されたら百年恨むが、誉められたら来世まで感謝するだろう。
ありがとう! みんな、大好きだよ!!

さて、先日私は、『小説を読んで感想を書く』という内容のサービスを使ってみた。ココナラやSKIMAでは、いろんな人がいろんなサービスを出品している。私もSKIMAでは、SNSアイコンを描いて売っていた経験があるから、そういうサービスがあるのは知っていた。
辛口批評、アドバイス、校正など、いろいろ役に立ちそうなサービスがある。私はこれまで使うことはなかったのだけど、一昨年から二次創作を始めて、急に興味が湧いた。
二次創作(夢小説)を誰かに読んで貰って、誉めて貰って、いい気分になりたかったのである。できるなら夢小説に理解のある優しいオタクのかたがいい。
私の夢小説は、同担さんが読んだら不愉快だろうし、どう考えても正気ではないことを書いているので、広く公開するのが難しい。だけど、一生懸命書いたんだもん、誰かに読んで欲しいよ!
それで、お金を払って読んで貰うことにした。

私は、リストを見て甘口の感想を書いてくれる人を探した。
注目するところは『二次創作OK』『夢小説OK』『甘口』……。
文字数制限があるか、追加料金が発生する条件、感想の量、形式などなど。
自己紹介や、どういうスタンスでやっているかとか。
そしてもちろん料金と納期。
そのうちにこの人いいかも、という人が見つかり、交渉スタート。
必要な情報については、テンプレを置いている人もいるので、それを参考に書いた。「私だったら先に知っておきたいな」と思った情報も付加して送った。あと、「激甘でお願いします」とも書いた。
自分がいい気持ちになるためにお願いしているのだから。
私はMではないので、貶されても気持ちよくはない。
そんなやりとりがあって、交渉は成立。
先方は私の推しについて知識があるようだったので、「公式の彼を知っている人が読んだらどう思うんだろう……」などちょっとどきどきした。
納期までしばらくあったので、その間に「ああ、あんなこと書いて大丈夫だったろうか、重すぎたかも。感想書くの辛かったらどうしよう」などと、正気に返って悶々としたりもした。
重いのである。夢小説なのに。もっとふんわりいちゃいちゃ甘々していたいのに、どうしてか生きるか死ぬかの大波乱になってしまう。
先方もさすがにそんなのは想像していなかっただろう。

納期は大晦日だったのだけれど、少し早いクリスマスイブの日に届いた。
長い長いPDFだった。二万字を超えていた。
こんなに書いて貰えるとは思わず、驚きすぎて笑ってしまった。
プリントして、その厚みに悶えた。
どんなクリスマスプレゼントだよ……、嬉しいじゃないか。
しかも作中のわりと重要なところにクリスマスイブが出てくるので、この日を選んで送って下さったことに感謝した。

感想文を書くサービス……って、当たり外れがありそうに思う。
どれだけ読解力があるか、表現力があるか、目安がない。
だから、読むまでちょっと不安はあった。
学生時代の読書感想文のようにあらすじをなぞっただけとか、うわっつらだけの褒め言葉が並んでいたらしんどいな~と。
でも、読んでみたらくすぐったいほど甘口で面白かったのだ。
意味もなくへらへら笑ってしまうではないか。

何がそんなに良かったのか。
まず、どこを読んで何を感じたのかをはっきり書いてあるのが良かった。
情景描写とかね。これは最後までずーっと自分の感じたことを書いてくれていた。本当に感想文。しかも否定的な内容は全くない。
これは一次創作にも役に立つと思った。自分の書いたものがどう受け取られるのか参考になる。
主人公の状況が少しずつ明かされていくのだけど、それをちゃんと追ってくれているのも良かった。この謎解きみたいな書き方が、私を全く知らない人にどのくらい効果があるのか知りたかった。
原作を知っているならではの言葉もあって、嬉しかった。
私の作品には美味しそうなものとか出すようにしているのだけど、それらを「気になって調べてみました」と言ってくれたあたりは、「ああ、書いて良かったなぁ」って思った。
紅茶の銘柄を推理してくれたり(当たっていた)、観光名所のイベントについてコメントしてくれたり。
読んでくれてるんだな、って思うポイントを押さえている。さすがお金とって読んでるだけある。プロだわ。
最後に今後の二人の幸せを祈られてしまって、本当にありがたいと思った。
あんまり詳しく書くと良くないのかな、と思うのでこのくらいにしておく。

※一部紹介してもいいと言って貰えたので、続編を書きました。

私の書いたものが、私の意図した通りに伝わってるというのがわかって、ちょっと安心した。
正直、首を傾げるような感想をいただくこともあるので。
「彼はそんな人じゃない!」って怒られなくて良かった。
「彼らしい」と言ってくれて、そうではない時も「意外な男らしさを見せてくれて素敵」のような書き方をしてあった。さすがプロだわ。激甘のプロ。
私はたっぷりいい気分になって、「よし、また何か書こう!」と思ったのだった。

そう、一行目に書いた『作家にとって、甘めの感想は栄養である』というのはそういうこと。
「ひとを感動させる作品が書ける私ってすごいかも! やる気出てきた! 書ける! 書けるぞぉ~!!!」ってすぐに調子に乗る。自己肯定感爆上げ。
「作家(作品)を誉めると新作が出るぞ」という言葉があるが(あるのか?)、本当にそう。元気に書き続けるには栄養補給が大事なのである。
……だからこれからもいっぱい誉めてね💖 という話。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?