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八月一日の新郎の母【序】

今月、息子の結婚式がある。
息子とお嫁さんは既に入籍し一緒に暮らしているので、式については全て二人で準備しているようだ。
息子はあまり結婚式をしたくないらしいが、性格的に準備には協力していると思われる。
というか、協力じゃなくって一緒にしなさいね。二人の結婚式なんだから。
お嫁さんがどんな結婚式を考えているのかわからないけれど、とても楽しみ。

お嫁さんから「結婚式をしたいんですが……」と相談された時に、衣装について訊かれたので、「洋装でいいかな? 留袖が良ければそうするよ」と答えた。
ちょうどお嫁さんのお母さんも洋装希望とのことだったので、そのまま決定した。
留袖も良いのだけど、真夏なのでかなり暑いと思う。
式場内は冷房効いていると思うけれど、近年とても暑がりだから、汗が心配。
そういうわけで、マザーズドレスを用意することになった。

レンタルを探してみたけれど、いまいち気に入ったデザインが無くて。
街のお店でも見つからなかった。
通販は当たり外れがあるから心配だし……。
マキシ丈の長袖ワンピースで、胸元などの露出が少ない。
フォーマル向けの生地だときっとものすごく暑いことになるので、涼しく汗の目立たない薄地がいい。けれど、あまり安っぽく見えるのも問題だ。
真夏の結婚式、難しい……。

そんなわけで、自分で作ることにした。
私は独身時代(今も独身だが)に紳士礼服を作る縫製工場で働いていたことがあり、退職した後も自分用のゲストドレスを縫ったことがある。
メイドインジャパンの品質に厳しい職場で働いていたんだし、なんとかなるだろう。たぶん。

型紙を作る技術は無いので、ネットで検索。
近くの手芸屋さんにあるのは子供服の型紙ばかりで、大人用フォーマルは無い。
なかなか理想の型紙を見つけられず、選定にだいぶ時間がかかったが、どうにか取り寄せることができた。
ユザワヤ通販で布も購入。
娘のゲストドレスも作るので、今我が家には大量の布がある。

しかし、工場と違って適切な大きさの台はない。
二人用、しかもコンパクトサイズのダイニングテーブルで必死に線を引き、布を裁断。
4メートルの布の端がテーブルから落ちていき、その重さで引っ張られて布が歪む。型紙が大きいこともあり、だいぶ苦戦した。
明日から縫製に入るつもり。
フォーマルらしく丁寧に作りたいけれど、どのくらいのスピードで作れるだろう?

夕方、最寄り駅付近まで出かけた。
少し慣らしておこうと久しぶりにパンプスを履いたら、めちゃくちゃ足が痛くて泣いた。
ほんと、どうなってんの……。昔は平気だったのに。
これじゃろくに歩けないので、当日までリハビリしようと思う。



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