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あらためて宣告される父の胃癌

父の腹部大動脈瘤の手術から10日後。父は一旦退院をすることになった。
そして、たいいん当日、胃癌のことを家族含めてあらためて教えてもらう、
つまり宣告されることになった。

テレビのドラマとは違って、いきなり宣告東jことはなく、
もう、父も母も私も、かなりの確率で父が胃癌であることは認識している。
いや、やんわりと、もう既に私たちには、胃癌であると伝えられている。

その日は、胃癌のステージや今後の治療方針を聞くのだ。
退院日と合わせていたので、腹部大動脈瘤を手術していただいた
心臓血管外科の先生に、入院中に胃癌であることを伝えられた父の様子を聞いた。

父は、自暴自棄になるでもなく、わがままを言うこともなく、
非常に良い態度の患者であったようだ。
先生曰く
「非常に我慢強い方だと思います」

それが、病気の発見を遅らせた原因でもあるのだろう。

続いて、消化器外科の先生から、正式に癌を宣告される。
消化器外科の先生は、心臓血管外科の先生と違って、
ちょっと話し方がきつい、少し上から目線の先生だった。

「入院期間中に検査をして、胃の下部と周辺のリンパ節に癌が
 あります。胃癌と周辺リンパ節が癌です。
 井戸水を生活水で使っていたりするとね、ピロリ菌がね・・・」

先生は、胃癌になりやすい人の特徴を話し始めた。
既に、胃癌になっている人に・・・

「毎年ね、健康診断の案内がくるでしょ。
 今まで受診していなかったんですか?」

先生。言いたいことはわかる。もっと早くに検査を受けていたら
早期に発見できたと言うことですよね。
痛いほどわかる。
でも、病院にいくのは、体の調子が悪くなってからと言う概念
の80代両親に事前に健康診断を受けさせることは、なかなか
できなかったのです。
先生、その言葉は家族の私に向けられていますよね・・・
結構きつい。

そして、先生は、最後に宣告した。

「CTでいろいろ検査をしましたが、
 腹部大動脈瘤付近のリンパ節も腫れているように見えるんです。
 今度、PET検査をさせてください。
 この部分のリンパ節が癌だった場合は、ステージ4です」

あっさり、伝えられた。
私は絶望に突きつけられた。
あっさりと。
両親は、ステージ4の意味をわかっていなかった。

胃癌ステージ4。
それは手術ができないということ。

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