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武蔵國一之宮 小野神社のこと

2021/06/20 曇 蒸し暑い


午前中はゆったりダラダラと過ごし
来月の旅行の話をして煮詰まった頃
ふいに
「小野神社に行ってみない?」と旦那氏が言った。
彼は直感の人なので
今日はそれが良いのだろう、と思うが
しばらくは下調べだけをするだけで
なかなか動き出せない。

行かれた方はご存知のことと思うけれど
『府中 小野神社』
『武蔵國一之宮 小野神社』と調べると
多摩川をはさみ ふたつの「小野神社」が出てくる。

御由緒や歴史を調べ
さて どちらに行くべきか…………

私は「総社である大國魂神社の、六宮の内のひとつであるほうが良いと思う」と
『思考派』ならではのことを言った。
そして 行き先が決まった。

瀬織津姫を主祭神とする珍しい神社として有名なので
水神のイメージの青いボトムスを選んだ。

………しかしその直後
水のポットを落とし濡らしてしまう。
呆然とする私に「着替えておいで」と言い
旦那氏が床を拭くのを手伝ってくれた。
そして色違いの"朱い"ほうにした。
いつも忘れる御朱印帳は
大國魂神社の『総社』柄のものにした。

雲の多い天気予報が変わり
外は日が差し 蒸し暑かった。

遠くには気圧の境目
湿気を帯びた灰色の雲の峰が見える。


聖蹟桜ヶ丘駅に着く。
私は初めて降りた。
Google Mapを頼りに歩き始めると
「水の気配のする方にあると思う」と言う。
たしかに多摩川の方へ少し歩く。

住宅街を行くと 水路があった。
ところどころ生活排水の混ざる場所はあれど
藻が生え 魚が泳いでいた。
たまに キラリキラリと水面が光るのは
小魚が跳ねていたからだった。

国分寺のお鷹の道同様、
旦那氏の調子とご機嫌がすこぶる良くなる。

「水路を辿ると 着く気がする」。

……まさにそのとおりで
水路を辿りながら 穏やかな住宅街を進んだ。
少し離れた位置に 木々の茂る場所が見える。
あそこだね、と 頷きあった。

お花屋さん❀

くらやみ祭りの際には神輿渡御が行われる、との碑。
お祭りがないからか草が生い茂り
碑石も こころなしかさみしそう………


このあたりにもきっと
とても古い文化があったのだろう。
古い町なのだろう。
多摩川沿いには 歴史書には乗らない 地方文化、地方 豪族の名残を残す遺跡が 静かに佇んでいるのだ。

いよいよ近づいて来た時
庚申塚があった。
道祖神。"境目"を表すもの。
軽く低頭し 森を目指した。

けやき、いちょう、常緑樹に護られた場所へ出る。

シンプルな鳥居に古い門。

この南側の楼門は 元は正面にあったものだという。
隣にある公民館らしき建物からは三味線の音が聴こえてきた。

正面の、門。

たどり着いたものの
ふたりとも何故か すぐには進めない。
門の前に伸びる『小野神社通り』をすこし遡り、
途中で引き返してきた。
参道を歩いてきました、というかたちになった。

鳥居、狛犬さんたちは比較的新しくぴかぴかしていた。
狛犬さんは『ふちゅこまちゃん』に似ているので
今どきのお顔をしている。

随神門。
彫り物が美しい。
龍や獅子、鬼の目には金の目があしらわれ
どの角度にいてもこちらを見ているようだった。

雲が立ち込めて薄暗い。
カメラアプリを起動すると
箱根神社同様、画面が白っぽくなり
光量をサービスしてくれた(きのせい)。


二匹の龍は何を表す……………?

龍蛇神

吒枳尼




ふと、その前の週に行った高尾山を思い出す。

『大きい』

『小さい』


……では、随身門を入っていきましょう

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