見出し画像

絶望と光と。(後編)

前編では、私の学生時代〜洋菓子工場での出来事。

中編では、転職先のフレンチレストランでの出来事。

後編では、私がブログを始めるきっかけに繋がる出来事を書きます。

ここまでかなり長くなってしまいましたが汗、最後までお付き合いいただけるととても嬉しいです。



*****

前職でフレンチのホールスタッフをしていた私は、計算が苦手だったことから、当時直属の上司だった男性から

「こんなこともできないようじゃ、死んだほうがいいんじゃないの?」

と人を見下した苦笑いで言い放たれても、言われた直後はひどく傷ついたものの、そのあとは忘れたフリをして、その日はなんとか平然と1日を終えることができました。

(涙を抑えるのに苦労はしましたが)


どんなにひどい扱いを受けても、退職する最後まで頑張れた理由ーーーーー


ーーーーーそれは、とある知り合いが職場での出来事を相談に乗って(聞いて)くれていたから。


前職のレストランへ転職後、当時悩んでいた仕事場での出来事や、出かけた場所でのこと。

おいしいものを食べたことや、自分が感じた・思ったことを、当時の私はインターネット上のとある場所に日記を書いていました。


その日記をたまたま読んでくれていたのをきっかけに知り合ったのが、ひとりの男性。

彼は私より10歳以上も年が離れていましたが、ゲームや音楽の趣味が合っていたのをきっかけに仲良くなりました。


ふだんはとてもやさしくておもしろい人だけど、私のまちがいにはちゃんと指摘もしてくれる真面目な人。

そして、知り合ったばかりのときは

「IT関係の仕事をしている」

とだけ聞いていましたが、仲良くなるにつれて彼がしてきた仕事の話や、会社を複数経営していることなど。

彼自身のことも、ときどき話して聞かせてくれました。


知り合ったあとも私の日記をときどき読んでくれていたので、そのレストランでの異常な勤務時間や異常な残業時間のこと。

中編にも書いた、女性マネージャーから計算ができないことを心配され、3冊の計算ドリルを渡されたこと。

後編冒頭に書いた、当時勤めていたレストランで直属の男性上司から

「こんなこともできないようじゃ、死んだほうがいいんじゃないの?」

と言われていたことなども書いていたので、私が計算が苦手なことも彼は知っています。


その上で、人が足りない会社のことを心配し、退職を迷っていた私に

「あんな会社辞めちゃいな」

と背中を押し、計算が苦手なことを否定したり

「でも計算はできるようにしたほうがいい」

と言うどころか、それまで読んでくれていた日記の文章を

「計算は苦手だろうけど、文章はいいと思うよ」

「そっちでなんか頑張れたらいいね」

と、本当はお菓子作りより興味があった、一度諦めた文章の道を、私は初めて肯定されたのです……!!


なによりも嬉しかったのは、彼はとても正直な人で、ほとんどお世辞を言わない(本人談)のに、

「俺はお世辞とか言わないけど、文章は自信持っていいよ。」

「文章をすごく大事に書いているのが伝わる。文章自体は誰でも書けるかもしれないけど、その書き方は俺が書こうと思っても技術で身につくようなものではない。」

「そういうのはその人の味だから、そのスタイルを大切にするといい。文章のレベルは悪くないと思うよ。

と褒めてくれたこと。


そして、これはあとで聞いたことですが、実はその彼の兄弟に編集長をしている人がいること。

出版業界で活躍するえらい人を兄弟に持っている人に自分の文章を褒められ、ここで初めて自分の得意を伸ばす道へと進むことを決意。


「計算ができないようなら死んだほうがいい

と言いつけられ、自己肯定感が下がっていた自分の自信を少し取り戻し、私はレストランを無事退職。

(無事といっても、直属の男性上司からされてきたことを女性上司に話したところ、直属の上司達とは最後、顔を合わせずうまい具合に退職させていただけたものの、そのあといろいろなストレスから風邪を引き金に、咳喘息を発症してしまいましたが)


文章に関わる業界のことを何も知らなかった私は、彼に進められて校正・校閲関係のアルバイト業務に応募することにしました。

ところが、業界未経験の私がそう簡単に決まるわけもありません。


失業保険をもらいながらパソコン教室に通い、結局1年以上も就職活動を続けることになりました。

そのあと、これ以上仕事をしていないのはさすがにどうかと思い、複数の派遣会社に登録。


レストランでの経験を活かしつつ事務業務の経験を積みながら、クラウドソーシングに登録し、そこで初めてライターと派遣の兼業をすることに。

2人目のクライアントさんの契約が切れたタイミングで、今のブログを立ち上げました。

*****

ここまでとても長くなってしまいましたが、ネット上で知り合った彼と出会っていなければ、私は今、ブログをやっていなかったかもしれません。

そして、その彼とは現在、連絡を取っていません。


あのとき、

「好きな文章の世界で何か頑張れたらいいね」

と言ってくれた彼に、ライターをしていたことはチラッと話していましたが、連絡を取らなくなってからというもの

・ブログを開設した

・検索エンジンで上位表示できるようになった

・自分の力で収益が4桁を達成

した話はいっさい話せていません。


収益は4桁達成できたものの、ブログ歴が1年以上経った今でもまだまだ学ぶことは多く、日々勉強の毎日で、SNSで他の人の実績を見かけては落ち込むとき、あのとき絶望しかなかった私にくれた、彼の言葉を思い出す。

彼からもらったあのときの言葉は、今でも私のブログを続ける原動力となっています。


『絶望と光と。』終わり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?