雑談と談笑と薬剤師さんと。

 先日の話。
 私はお薬手帳のカバーを、薬剤師さんをはじめとする薬局のスタッフさんに楽しんでもらおうと、ちょいちょい小ネタを忍ばせたデザインで自作しております。
 自作と言っても大それたものではなく、表紙を自分で描くとか印刷するとかその程度。
 あまり凝った装飾過多なものだと迷惑になるらしいので、そのへんは抜かりありません。あくまでも地味に、かつ楽しくが鉄則。
 で、そのカバーに反応をもらった都度マイナーチェンジやフルチェンジをさせて、せっせせっせと育てているわけです。もうかれこれ十年くらいやってます。趣味みたいなものですね!
 以前は猫が布団で寝込んでるというメジャーなギャグを元にした絵で、そのさらに前がシャレオツなイケイケデザイン性重視のやつだった気がします。
 あまり憶えていないのは、お役御免になったらすぐ捨ててしまうから。同じネタは二度と使わないのがポリシーです。
 そして今使用しているものが、ダイソーで買った某有名漫画のシールを使った、医療ネタの手帳カバー。
 それをですね、ついに先日褒めてもらうことができたのです。やったぜ!

 ということで、ここからが本題。
 褒めてもらった流れで、薬剤師さんと少々の談笑を繰り広げたんですがね、どういうわけだかかそこで、実は夜によく眠れていなくて何度も目が覚めてしまうことや、薬をあまり飲みたくないこと、食べたあとに体重が気になって吐いてしまうことをまるっとすべて吐露していたのです。
 気づいた瞬間、なにが起きたんだ……いったいどんな魔法を使ったんだ……と驚愕したんですが、おそらくこれが、プロの技術……!
 患者との他愛もない会話で気持ちを和ませ緊張を解くことで、体調についての正直な言葉を引き出す高度なテクニック。あの薬剤師さん、かなりのやり手、相当な手腕家です。
 しかも雑談開始から体調相談、そしてお薬を渡されるまで時間にして三分もかかっていないという超スピード。
 去年かかった婦人科の薬局では、ここは高級ホテルかレストランかな? と勘違いしてしまうほど手厚い案内と説明を受け、それはそれでプロの接客に驚いたのですが(だってお薬できて呼ばれたのに、わざわざ私の座ってる前まで来て、膝を床について現在別件で服用している薬の確認から処方してもらったロキソニンの説明までを詳細にしてくれたんですよ……まるでお姫様……これがセレブ対応……さすがラグジュアリー病院の隣りにある薬局)、こちらはこちらでものすごい接客テク。

 どちらが良い悪いとかではなく、かかっている科や病院、薬局の方針も関係しているのでしょうが、それにしてもすごい。
 もうね、人間扱いしてもらうってこんなに嬉しいもんなんですね。そりゃあせっせとお薬手帳のカバーに小ネタを仕込みますよ。
 こういったふうに雑談を持ちかけられたり、人としてきちんと扱われたりすると、あ、私って意外と普通の人間に見えてるのかもしれないな、と自信が付きます。
 少なくとももう、いるだけで嫌悪されたり嫌がらせをされたりはしないのでは? と勘違いもしてしまうというものですよ。
 こういう経験を重ねていけば、いつか醜形恐怖もなくなるのでしょうか。なくなるといいねえ。今年はルックス革命を起こしたいねえ。

 そんなことを考えながら、今日も今日とて次に作るお薬手帳カバーのアイデアを考えているのでした。 
 次は可愛いやつにしたいね……可愛いカバーは自分のテンションも上がるから良い……。

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