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外にパソコンを持ち出してみた話。

 先日、新しいノートパソコンを買った。
 新しいといっても中古品で、値段は8,900円だ。
 余計なスペックがあるとゲームや動画に気持ちを持っていかれて、本来の目的である文章書きをまったくしなくなってしまうので、メモリは4G、SSDは256GB。これでWindows11を動かしている。
 しかしながらこれまで使っていたノートパソコン(便宜上先輩と呼ぶ)は十年以上前にAmazonにて39,800円で購入した、さらにさらにロースペックな代物。
 メモリは2GのHDDが256GBとかじゃなかったかな。OSはwin8。これで動画とゲーム(ノベルゲームやカードワース)とテキスト編集ソフトを同時に動かしていた。なんなら昨夜も動かした。
 そんな状態でやってきたため、このたび入手したノートパソコン(便宜上後輩と呼ぶ)が軽快なこと軽快なこと。
 起動まで十秒とかそこら。先輩は起動時の画面に「一分で起動するぜ!」みたいな英文が表示されるのだが、実際起動まで三分から五分はかかる。
 このサクサクさに感動し、久しぶりにRainmeterとか入れちゃった。Vistaちゃんを使っていたときにゴリゴリカスタマイズしてた。懐かしい。こっちは当時十万円くらいしたんじゃないかな……学生時代にお年玉を数年分使って買ったモニター一体型。
 購入価格は安くなっているのに、動作は快適サクサクになっていく。科学の力ってすげー!

 で、先輩。
 先述したとおりまだまだ動くため、これを外に持ち出す用にしたらいいのでは……? と思い立った。サイズも11.6インチでコンパクト。
 バッテリーはとうの昔に爆発寸前まで膨張したため取り外してあり、給電はコンセントオンリーなのだが、そのあたりは心配無用。令和も……何年だ……六年だ……六年なのか……令和も六年が経過し、田舎の町にも電源が完備された席というのがぽつりぽつりとできてきた。
 おそらくは観光客や地域の若人のために整備されたものの、観光客や若人はその場所に行かないということを見抜けなかった辺鄙な施設に設置された哀れな電源席有りのフリースペース。それが二ヶ所ほど徒歩圏内にある。
 ほかに図書館にも電源席があるものの、こちらは学生さん御用達で、少ない席数でいつも争奪戦になっているためちょっと難しい。いくら時間に縛られない社会的引きこもりである私も、十代のスピードには勝てない。最近は家の階段を上がるだけで足が怠い。

 ということで、試しにフリースペースまで先輩を持ち出して、この文章を書いている。
 コンパクトサイズだけど案外重く、三十分ほど歩いただけで汗だく。リュックとかあったほうが便利かもしれない。
 しかし外でパソコンを使うと、少しばかり人の目が気になる。少しと言わず結構気になる。とても気になる。めちゃくちゃ気になる。正直ちょっとつらい。
 他の人はスマホの充電をしていたり、タブレットを見ていたりするだけの電源席で、これ見よがしにパソコンを開いてカタカタカタカタするのはなんだか恥ずかしい。自意識過剰。でも恥ずかしい。
 エンターキーをッターンとしないよう極力気を遣ってしまう。でもついついやってしまう。小指に変な力が入る。ッターン!!!

 なにを打っているのか知られたら嫌だな、というのもある。今は日記まがいの雑文だから読まれても差し支えはないのだが(ないのか?)、実際この試みが成功したら書きたいのは小説。
 ここでは公開したことがないはずなのでアレなのだけど、十歳の時からちまちまと小説を書くのが趣味……ではないが続けている。そしてその内容が極端に人を選ぶタイプの話。
 ゆえに見られて「こいつやべえ奴だ」と思われたくない。
 今も一番端の席で、背後に人がいないか気配を探りながら、ときおりストレッチをする素振りで周囲を警戒している。ちょっとした不審者である。
 これなら家で書いたほうが気楽なのでは?
 でも家だと寝転がれる床がそのへんに広がってるから……ゴロゴロしてそのまま寝ちゃう。
 床に座るのが悪いのでは? と、少し前に押入れをデスク化させてみたものの、座る椅子が段ボール二段重ねの雑なものだったせいで、体重を支えきれずに崩壊。尻を強打。やはり床が最強。
 とにかく意思が弱いため、だらけられる環境ならすぐにだらけて横になってしまう。縦になり続けている体力がない。気づけばいつも眠っている。
 なんなら今も眠い。昨夜は21時には寝て、今朝も6時半までぐっすりだったのにもかかわらず、とにかく眠くて仕方ない。いくら早寝をしたところで早起きができるわけではないというのが、今年の気づき。睡眠の質が悪いのか。心当たりはある。段ボールお布団だ。

 話が逸れた。
 フリースペースでパソコンを開いてこれを書いているという話に戻そう。ヒューン。
 人によっては適度に雑音や誰かの気配がある環境のほうが集中することができる、とも聞くけれど、実際はどうなんだろう。今のところは人の気配も雑音も邪魔で邪魔で集中なんて夢のまた夢といった状況。
 耳に入ってくる会話とか音が気になってしまう。
 たとえば、仕事と思しき打ち合わせをしているふたり組。
 投資の本を開いてスマホに向かい己の資産状況を大声で伝えている人。
 イヤホンもせずにタブレットで動画を見て笑っている人。
 井戸端会議をしているグループ。
 明らかに外部の人間に見せるべきではないタイプの資料を画面に映して仕事をしている人。
 机に突っ伏して眠っている人。
 お惣菜のカレーライスを食べている人。
 漂ってくる美味しそうな香り。
 有線から流れてくるオルゴールアレンジをされた過去の流行歌。
 ……なんだ、結構にぎわってるじゃないか、このフリースペース。

 私は傍目からどんなふうに見えているのだろう。
 間違っても仕事をしている人間の風貌ではないから、自宅のWi-Fiが遅いためフリーWi-Fiで副業に勤しむオバさん、といったところか。
 まさかこんなくだらない文章を書いているとは誰も思うまい。
 ふふふ……真面目な顔でうんことか打っちゃうもんね。うんこうんこー。いえーい、うんこー。

 ふう。話がまた取っ散らかってきた。やはり外で文章を書くのは難しい。
 お腹が空いた。家に帰ろう。
 結局一時間と少し居座って、この文章を打っただけで終わってしまった。いつかリベンジしよう。

 ・・・

 ↑が、家に帰ってきて清書した文章。
 ↓が、フリースペースで打った原文。
 それぞれの良さ(悪さ)があるね!!

 ・・・

 この前新しいノートパソコン(中古8,900円)を買ったんですよ!!!!!!!!!!!!!! すごい!!!!!!!!!!!!!!!1 めっちゃサクサク動く!!!!!!!!!! 起動まで10秒!!!!!!! Rainmeterとか久々に触っちゃった!!!! 使ってる人まだいる!?!?!??!?!

 で、十数年使っているノートパソコンちゃん(Amazonで39,800で買った超高級なやつ)も、起動までに五分ほどかかるしOSはWin8とはいえまだまだ動くので、これは……お外に持ち出す用にしてみちゃう???? と考えついたわけですよ。
 バッテリーは数年前に爆発寸前レベルまで膨張したので裏ぶたをひっぺがして取り外してしまったため(でかいから処分にめっちゃ苦労した! とあるホームセンターで引き取ってくれた!! ありがとうございます!!!!!!!!!)、電気の確保はコンセントOnlyなのですが、ほら、今って田舎でもわりと電源席みたいなのがあったりするじゃないですか。
 あるんですよ。意外なことに。
 観光客が使うかなって用意したはいいけどそもそも観光客はこういう場所じゃなくて整備され紹介され有名になった観光ゾーンにしか行かないってことを見抜けなかった人たちが設置した、辺鄙な場所にある憐れな電源席完備のフリースペースとかが。地元民もちょっと通いにくい場所にあるフリースペースが。
 あと図書館にもあるんですが、こっちは学生さんが使ってることが多いので争奪戦に勝てないことが多い。いくら時間がたくさんある社会的引きこもりな私でも、若者のスピードには勝てないのだ。

 ということで試しに古いパソコン(便宜上先輩と呼ぶ)を持ち出してこれを書いております。
 しかし11.6インチとかだった気がするんですけど、これが重いんだ。動作だけじゃなく機械そのものが重いんだ。
 最近のだともう少し軽いのかな。バッテリーの分軽くなってるはずなのにな。
 ちなみに新しいほう(後輩)は15.6インチだと思う。でかい。
 しかし外でパソコンを使うというのは、なんというか人の目が気になる。とても気になる。私のような人間には少々つらい。
 他の人がスマホの充電をしている電源席でこれ見よがしにパソコンを開いてカタカタするのはちょっと恥ずかしい。自意識過剰とはわかっているが、それでもちょっと気になる。
 エンターキーをッターンてしないように気を遣う。でもやっちゃう。小指で押すと変に力が入る気がする。ッターン!!!!
 なにを打ってるのか知られたら嫌だなというのもあるよね。今はこれ日記みたいなものだから別に読まれたところでいいんだけど(いいのか?)、実際書きたいのは小説とかだからね。
 たぶんこの場所ではまだ公開してなかったはずなんでアレですが、私が書く小説は極端に人を選ぶタイプのやつが多くてですね。
 以前同人誌を作ったときに母から「それは私が読める本かしら?」と尋ねられて非常に焦った記憶があります。それはあなたは読めない本です。ごめんなさい、とてもスケベな本です。
 というわけで、今も背後に人がいないか気が気ではない。隅っこの席を確保して、背中に意識を集中させつつ、ときおりストレッチをする振りをしながら周囲を警戒しているのですが、いやはや……これは家で打ったほうが気楽なのでは???
 でも家だと床に寝転がれるから……そのまま寝ちゃう……。
 最近押入れをデスクにしたらいいのでは? と思い立ってちょっと整備してみたものの、椅子がなくて段ボールを重ねたやつに腰を据えていたところ、箱が崩壊して尻を強打したばかりです。やはり床が最強。いつでも横になれる。
 ご存じのとおり心というか意思の力が極端に弱いので、寝られる環境ならすぐに寝てしまうんですね。
 本当にいつでも眠い。なんなら今も眠いんですけど、スリに狙われたら大変だという理由だけでどうにか起きてます。昨日は21時に寝て6時半までぐっすりだったのにね。
 いくら早寝をしたところでまったく早起きができないのはどうしてなんでしょうか。睡眠の質が悪いのか……段ボール……お前のせいなのか……?

 話は戻りますが、適度に雑音や人の気配があるところのほうが集中できるという話もあるし、どうなんでしょう。今のところ人の気配と雑音が邪魔すぎてイライラするだけですね。
 こういう場所って色々な会話が飛び交ってるじゃないですか。
 仕事と思しき打ち合わせをしているふたり組。
 投資のために自分の資産を電話越しに大声で知らせる人。
 タブレットで動画を見てひとりで笑っている人。
 井戸端会議。
 明らかに見せちゃいけないタイプの資料を画面に映して仕事をしている人。
 机に突っ伏して眠っている人。
 お惣菜のカレーライスを食べてる人。
 香ってくる美味しそうな匂い。有線から流れるオルゴールアレンジされた数年前のJ-pop……。
 なんだ、結構賑わってるな、このフリースペース。

 傍目から、私はどんなふうに見えているんだろう。
 家のWiFiが遅いから外で副業をやっているオバさん、だろうか。まさかこんなくだらない文章を書いているとは思っていないだろう……ふふふ……うんことか書いちゃうもんね。うんこうんこー。いえーい。うんこー。

 ああ、話がとっ散らかってきたな。やはり外で文章を書くのは難しいのだろうか。
 お腹が空いた。おうちに帰ろう。
 結局この文章を打っただけで終わってしまった。

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