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基本的信頼感と期日前投票と問い合わせと

 基本的信頼感って縮小ないし喪失するものだと思うんですよ。
 バブバブしている時期に愛情によってなんか発生する、そういうアレみたいなやつで、自己や他者への信頼と人間関係を築くための基礎的なソレらしいんですけど、人並みに持っていたはずのものが学生時代のいじめによって完全に消失した結果が、今の私の状況なのではないか? と最近気づきました。
 とにかく私は親しくない人間を信用していないので、すれ違い様に殴りかかられるかもしれないから、そのときはこうやって逃げようとか考えながら散歩をするし、声をかけても絶対返事してもらえないと思っているので人に声をかけることにひどく躊躇する。
 なにか配布物があるときは私の分だけ手元に来なく、手を上げてもタクシーは停まらない。点呼も私だけ飛ばされて、そのくせどうして返事をしないんだという説教だけはしっかり喰らう。
 次は何をしたらいいですか? には「違う人に聞いて」とあらゆる人から返され、最終的に店長に聞いたら「俺が知るか」と怒られる。そんな感じ。

 もちろんそういった不信感や予期不安は、七割方被害妄想です。三割は過去に実際経験したために、そうされることが思考の中で標準化してしまったゆえの思い込み。
 こうやって被害妄想だと分析できるくらいには客観視できているのに、いざその瞬間になれば妄想が真実となって体調に異変を来してしまう。だから病院に通ってる。ちなみにちっとも治らん。

 で、そんなズタボロにされてしまった基本的信頼感を、どうにかこうにか修復できたらもう少し安心して外を歩けるのではないか!? と閃いたわけです。
 とはいえ方法なんて思いつかないし、どうしたもんかなと悶々としつつ、メンタルクリニックの帰りに期日前投票をしてきたんですよ。
 そしたらば、受付の人やら投票用紙をくれる人やら見届け人の方々やら、とにかく皆さん挨拶をしてくれるし、投票方法を極限まで丁寧に細かく教えて案内してくれる。
 こ、これだ……この、ルールを完璧に伝達してくれる頼もしさ……挨拶に挨拶が返ってくる当たり前の反応……誰も怒鳴らず、されど静寂までいかない絶妙な音響環境……
 もちろん緊張で手は震えるんですけど、投票用紙をどっちのボックスに入れるかわからなかったらどうしよう、間違えて違う方に入れて怒られたらもう生きていけない、みたいな不安は生じない(会場に着くまでずっとそんなことを考えてた)。
 あと、期日前なので出口調査に引っかかることもない。あれ嫌よね、一度経験あるけど何も言わずに逃げちゃった。
 というわけで、こういう機会を見つけてじゃんじゃん場慣れしていけば、いずれは被害妄想じみた不安も小さくなるのでは!? という大発見をしたわけだ!!!
 まあ、そんな簡単にそういう機会が見つかれば苦労しないわ、って感じなんですけどね。
 そもそも初対面、未体験の場じゃないとあまり効果がなさそうなので、継続して探すのは難しそう。

 でもさでもさ、そのあとにですよ、ちょっと必要があって楽天の口座作るかな? とスマホをスイヨスイヨしてたんです。
 したらば、お前もう口座持ってるから作れないよ、ってなったんですね。まじか。
 そういえば15年くらい前に流行りに乗ってイーバンクの口座を作った気がするぞ……しかしIDはおろか口座番号すらわからん……どうせ1円も入ってないだろうからいいか……と諦めかけたんですよ。
 サイトには一応、IDを忘れた場合は〜とか、ログインできない場合は〜とか、いろいろなパターンにおける対処法が掲載されているんですけど、全部忘れたなにもわからんという迷える羊は問い合わせしろと書いてある。
 問い合わせ……苦手です。電話での問い合わせは苦手を通り越して不可能です。喋れません。吐きます。
 最悪メールで問い合わせることを考えるものの、文面を考えるだけで一日、送信の決意をするまで三日はかかる。
 やっぱりだめだ! となったとき、チャット問い合わせの文字が。
 こ、これだ……!

 それでチャットでの問い合わせをしたんですけど、それをするまでに、
・チャット問い合わせの雰囲気を知るために画像検索
・私の問い合わせ内容はチャットで対応可能かググる
・AIチャットで予行練習
 以上のことを二時間ほどかけてやりました!
 このくらいのレベルの不安障害です。治りゃしないもだいぶ改善したのでこの程度ですが、三年前なら諦めてやめてた。成長しました!

 んで、チャット問い合わせなんですけど、向こうもお仕事なので丁寧に対応してくれるわけです。
 登録した電話番号を間違えて提示しちゃったところ、ものすごく丁寧で柔らかい表現で、これじゃないんだが別の番号に心当たりはないか? と訊いてくれる。返信をすれば返信がある。
 こ、これだ……! 期日前投票のときに感じたのと同じやつた……!

 そんなわけで、基本的信頼感を取り戻すためのリハビリは、こういった日常生活の中にひっそりと隠れているのかもしれん、と感じたので、立場上丁寧に説明せざるを得ない人が相手の場合は、なるべく逃げずに声をかけてみようかなと思ったのでした。
 終わったあとに、今変な人から問い合わせがあってさーとか言われても、私は知る術がないし(被害妄想&自意識過剰)。
 とにもかくにもこれからは、失ってしまった基本的信頼感を再構築するために、あれやこれやともがいてみる実験をしていく予定です。
 電話で問い合わせできるようになるのが目的な!!

 ちなみにイーバンクこと楽天銀行ですが、書類送るから身分証のコピー返送して新たにIDとパスを設定したらまた使えるよ、とのことでした。ありがとうありがとう。一億円くらい入ってないかな。

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