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THE DAY THAT IS PURELY AMERICAN-(2-Final)

サンクスギビングの話の続き。(その1)はこちら。

昨今では日本でもお正月を祝わぬご家庭も多いかと思う。家族旅行に出かけたりとかして。我が家の『サンクスギビング中止のお知らせ』もそのようなものを思っていただきたいのであるが、ここ過去3年で、おば4がやらかしたサンクスギビングでの惨事をご紹介したい。

これは私が自分をJustify(正論化)するわけではなく。むしろ、なるほどそれなら仕方ない、と納得いただける出来事であると思う。

3年前。この年は誕生日が被らぬ感謝祭だったのである。そして我々はおば4夫婦と共に、車で2時間ほどのところにあるおじ(おば4兄)夫婦のところへとディナーにいったので、料理も手土産として持って行った持ち寄りの料理やパイ以外は大したものではなくかなり楽ちんな感謝祭だった。しかし、おば4が何故か、出発1時間前になって、おば友人であるの80歳超の友人を連れていくとごねだした。ごねまくった。
 
冗談ではない。そもそも、おばの旦那も80超、アルツハイマーなので2時間のドライブが3時間になるし、身内であるおじをケアするのに忙しい。そもそもその友人80歳超だって、家族と住んでいるのだし、家族と過ごすべきでは?と至極まっとうなことを我々夫婦も、おじ夫婦も言ってみたが、おば4はそれを押し切り、結局、なぜかその年寄りの友人(80歳超)も来ることになった。

おば4以外にその人のことを知る人はいないため、非常に微妙な空気になった上に、その人が大層、失礼だったので(出された食事に一切、手を付けずずっとクロスワードパズルをしていた。そんなんなら来るなよ!とアルゴは叫んだ)80超えの老人(どちらも痴呆あり)を連れての片道2時間ドライブ。休憩を入れ、ハプニングを入れ(トイレに行きたいとか)片道4時間となり非常に長かった。勘弁してくれと思った。ちなみに、まったく同じ状況が続くクリスマスでも起こった(私たち夫婦は、おば4が、この友人の同居している娘に利用されているのではないか、年寄りの面倒を見たくないからおば4に押し付けているのではないかとにらんでいる。おば4は大層なお人よしなのである)

2年前。感謝祭は私の誕生日の翌日であった。おば4はアルツハイマーのおじを家において、おば姉妹たちと船上クルーズに出ており、感謝祭前日に帰ってくる予定であった。クルーズに出る前に私は、おじの面倒を見る約束をしていたが(おばが留守の10日間、食事を持っていくとか)事前に、緊急連絡先、旅の予定、おじの病院、担当医の連絡先、薬の種類と与える時間、および、おじの息子の連絡先、家の合鍵の準備をしておくれと頼んだ。至極まっとうなリクエストだと私は思う。とういか、こんなことは、介護を頼む側が用意しておいて至極当然のものだと思う。

おばは、そのすべてをふっとばし、何もせず、何も残さずクルーズに行った。私はすでに怒っていた。当たり前である。おじは高齢であり、痴呆、高血圧、糖尿もちの心臓病患者(しかもその夏に開胸手術をしたばかり)なのである。何かあったらどうするんだ。幸い、何も起こらなかったけれども!

おばは、クルーズ(うきうき)、姉妹全員揃う(うきうき)とうきうきまみれで、当然していくべき介護の準備を何もせずにウキウキx100くらいの勢いでカリブの海へと旅立っていったのである。

で。感謝祭前日にクルーズから帰宅してもお礼どころか、帰ったよという連絡すらなく、感謝祭当日の朝5時に「で、サンクスギビングは?」などとのうのうと電話をしてきたもので、私はガチ切れた。その1に書いたがサンクスギビングの料理の用意はなんだかんだで4~5日かかるのだ。言いたいことは腐るほどあるが、緊急時でもないというのに、どこの!誰が!朝っぱら5時に電話をかけてくるのだ。

ガチ切れたものの、結局、私が準備していた料理をすべておば宅へと持っていき、食べることになった。おばが「疲れすぎているのと、昨日帰ったばかりで自宅から出る気がしない」などと言ったためである。なんだかんだで私は彼女が好きだし、年上のおばさんゆえ、敬意を払っているのだ。アルゴもしかり。

その1で羅列した料理諸々をすべてパッキングして、犬たちの準備をして、である。私はケータリングサービスではないのだ、とプリプリしたが、私を超える勢いでキレまくっているアルゴを前に私はあんまり怒れなかった。2年連続、苛立ち、怒り、気まずさもりもりのディナーであった。

去年まさかの3年連続。毎年、繰り返しているというのに、毎年、何かしら新たな経緯でクソみたいなことをしでかしてくれる。去年も本当にひどかった。

去年の感謝祭は私の誕生日の前日であった。そしてコロナ渦での感謝祭である。こういった時勢であるので、どのご家庭でもそうするように、今年は我々夫婦とおば夫婦、4人だけでうちでささやかなディナーにしよう、と前々から話していた。というか、最初は、コロナだし。なし!中止!と言っていたのに、自分は料理ができないから、やってくれとおば4に懇願されたのである。なので4人だけで、とシブシブ了承した……のに、である。

おばは、勝手に我が家に人を呼び、しかもそれはおじ方の娘とその連れとなんかもう関係性すらわからぬ他人とその子供たちと、おじの息子とその息子。更には、3年前に連れてったおば友人のばぁさん(再)とその娘(なぜ!!!叫)

アルゴとおば4は血縁なので、アルゴ側の親族はほぼほぼみんな知っているし、長いお付き合いになる。とても大事にしてもらっている。だが、このおじは、アルゴの血縁でもなんでもない上に、アルゴも私もなんの交流もない。

おば夫婦以外に7~8人ほどが押し掛ける有様。しかも、おば夫婦以外、全員、知らん人。しかも事前通知なし。こんなサプライズいらない。何故、自分の誕生日前日に、自分の家に知らん人が来る謎。予告もなく。ほんと、いろんな意味でのサプライズパーティーである。

しかもコロナ渦。高齢者が二人もいるのに。ちなみにまだワクチンがないご時世。アルゴは日本語で「馬鹿ジャナイノ!!」と流暢な日本語で叫んでいた。

しかも突然押し掛けてきた知らん人たちは手土産も何もない。手ぶらでやってきたのである。全員が。言っておくが、全員、いい年の大人なんである。叔母がなんといったかは知らんが、面識もない人の家に、祝日に、家族でもなんでもないのに、手ぶらでやってくるとはどういう了見なのであろうか。日本だろうが、アメリカだろうが、ホームパーティやディナーなぞに及ばれ(いや、私らはよんでもいないが!)た場合、何かしらの手土産を持参というのは常識ではなかろうか(叫。あれから1年たつというのに、こんな風に文章に起こしているだけでムキムキと怒りが湧き上がる)というか、呼んでないけれども!で、しっつこいけど、世はパンデミックまっさかりなんである。

私は怒り、そして半泣きになりながら家中にあるありとあらゆるものでもてなし料理などを作った(感謝祭は、お店も大抵しまっている)。

ここで、知るか!もう帰れ!と言えればよかったのだけれど、去年と同じく、アルゴの激高ぶりに私はまぁ、抑えて、ね?とヤツをなだめることしかできず、心を無にして、汗まみれで料理しながら『僕はあなたが嫌いです』という歌いだしから始まる某V系の歌をエンドレスで流していた。サンクスギビングなのに。明日は誕生日なのに。ひどい。ちなみに歌のタイトルは『狂ィ』くそう、私も狂ィやぞぉぉとなっていた。

さらに、客の一人はビーガン(完全菜食主義者)で、呼んでもいないのに勝手に来た挙句に、私の料理に文句を垂れていたので、嫌なら食うなし!ってお前!なにじん!!なに様!ってか誰!!勝手に来たくせに!むきー!むかー!!となっていたら、アルゴが怒り狂ってディナーの途中でその人を家から追い出したので、ディナーだってちっとも楽しくなかった上に、私は何も食べられなかった。

アルゴはガチ切れノンストップ。繰り返すが、おば4は良い人なんである。ただ、計画性、協調性、そして少しばかりの常識や配慮が足りないだけで……いや、でもこうやって書き出してみると、結構、というか、相当ひどい。

確かに、家族と過ごす季節ごとの行事は大事だし、それに纏わる家族とのけんかや諍いなんかはある意味、ほほえましいものかもしれない。だがこれは、ほほえましいなどという範疇を激しくはみ出しすぎている。

将来的に思い出になるのかもしれない。特にこう言ってはなんだが、おば4の連れ合いの叔父はすでに90近く、あと何回、こういうイベントを一緒に過ごせるのかわからない。わからないが……それはわかっているのだが、あんまりである。

感謝祭の次はクリスマスがくる。クリスマスだってもちろん、我々はこのおば4に振り回され、大抵、イラつき、オットがガチ切れて、私も切れつつ、でもアルゴをなだめる立場にならざるを得ない状況になりイライラ、もやもやと過ごすことになるのである。我が家のサンクスギビング&クリスマス恒例なんである。義母が亡くなってから9年間、ずっとこうなんである。やってられんわ。

と、いうわけで、今年は予告もなにもなく。感謝祭は中止。

感謝祭前日から、我々は3泊4日の山籠もりをすることにした。ものすごい山の中のキャビンなので、Wifiもなきゃ、ネットもない。テレビもないし、携帯も多分、通じない。この日だけは禁酒を破り、お高いワインやシャンペンを持ち込み、ついでにこの日だけはダイエット休止で和牛(オンラインで購入)ステーキを持ち込み、コアラのマーチファミリーパックとか(アルゴの大好物)好きなものをモリモリ持って行って、読みたかった本などモリモリ持ち込んで、犬たちとアルゴと穏やかな感謝祭を過ごすのである。ジャグジー付きの山小屋である。

そういえば感謝祭の料理であるが、で書いた「うちの場合は、ベイクドマカロニ&チーズ、コーンブレッド、カラードグリーン」この辺はブラックファミリー特有の物である(多分)。ベイクドマカロニ&チーズは、マカロニ&チーズに卵を入れ、オーブンで焼くものなのだが、ソウルフードである。カラードグリーンもそう。ケールやキャベツなどと同種の苦味が特徴的な野菜なのだけど、ソウルフードにはこれが欠かせないし、これらをおいしく調理できるかどうかはかなり重要なポイントなのである。いつかソウルフードレシピのようなものをNoteにも書こうと思う。

そんなサンクスギビングディナー。そりゃぁ豪華だが、クリスマスも全く同じようなものを食べる上に、Left Over(あまりもの)も多いし、特別、うひゃーー!おいしーー!(喜)みたいなものでもないので、今年は、自分たちだけなんだから、何にとらわれることもなく、好きなものを好きなだけを飲んで食べて過ごせばいいわよね、祝日なんだもの、という感じ。うどんとか。

そんな我々の今年のサンクスギビング、および、BBAの生誕祭についてはまた後日談でまた書きたいなと思う。

(終)


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