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アートや音楽、本のこと

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アートや音楽、本について書いたことを随時、発信します。 マガジン画像の詩集『きみは転がりこんできたね、マイボーイ』は、川畑battie克行氏の作品です。
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記事一覧

加納光於さんからの手紙

2008年1月11日、48歳の誕生日の日付で、第一詩集『干/潟へ』を上梓した際、版元の思潮社様を…

Summer Solstice and Major Lunar Standstill

布施英利さんの『美術でよみとく京都の庭園』(株式会社エクスナレッジ、2024年2月26日 初版第…

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ほしおさなえ『まぼろしを織る』

表紙写真は染織ブランドatelier shimuraと服飾ブランドmatohuによる植物染・手織の共同ブラン…

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賢治と嘉内(後編)

鞍掛山、とし子の死 大正11年5月21日、賢治は盛岡から西へ12kmの小岩井駅に降り立ち、小岩井…

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賢治と嘉内(追記)—童話「やまなし」

宮澤賢治の童話「やまなし」は、大正12(1923)年4月8日、「岩手毎日新聞」に掲載された。大正…

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賢治と嘉内(中編)

岩手山登山と電信柱 出会いから1年後の大正6年、賢治と嘉内を含む4人が中心となって文芸同人…

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賢治と嘉内(前編)

▼きしやは銀河系の玲瓏レンズ 巨(おほ)きな水素のりんごのなかをかけてゐる 賢治が銀河への旅に託したメッセージとは何だったのか。そこには賢治が生涯を懸けて愛したひとりの男性が深く関わっていた――。 先日来、再生と一時停止、巻き戻しと再生を繰り返しているこのDVDは、宮沢賢治にとっての保阪嘉内(ほさかかない)の存在などまったく知らなかった身には衝撃的な作品だった。ナレーションを要約しつつ再現してみたい。 出会いと芝居『人間のもだえ」 宮沢賢治は岩手県花巻川口町の中心地、

千葉雅也『センスの哲学』

『ライティングの哲学—書けない悩みのための執筆論』 筋が通っていながらもセンスのいい個性…

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平出隆+聞き手・秋葉直哉『降るものと生るもの』via wwalnuts叢書18

詩人で造本家でもある平出隆さんが制作されているvia wwalnuts叢書18『降るものと生るもの』(…

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現代詩文庫 252『時里二郎 詩集』

同じ兵庫県生まれの先輩詩人、時里二郎さんから、思潮社現代詩文庫 252『時里二郎 詩集』(202…

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清水徹『書物について——その形而下学と形而上学』

ここ8年ほど、夜は8時頃に就寝し、朝は4時頃に起床する習慣で、2時間弱の「朝勉」を続けている…

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佐藤 究『幽玄F』

「三島由紀夫をモチーフに」(著者「謝辞」の言葉)、F-35A・Bという超音速戦闘機のパイロット…

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稲川方人『償われた者の伝記のために』

1977年、44歳で夭逝された宮川淳さんの著書に心酔した20歳の私は、1980年代に現代詩、現代思想…

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浅田彰『構造と力』と河口龍夫

2008年1月11日付けで、第一詩集『干/潟へ』を上梓し、浅田彰さん(「さん」づけなどおこがましいのですが)へも版元の思潮社様を通じて謹呈させていただくと、早速、1月25日の日付のある絵葉書の礼状が送られてきました。「精密に構成された美しい詩集をどうもありがとうございました。」と綴られた、河口龍夫さんの絵葉書『関係—時のフロッタージュ 第三期始新世の水鳥の足跡 2007』でした。遥か雲の上の上に住まわれている人と思っていたので、「‘08-01-25 Kyoto」と記された葉書