苦しくて、辞めてしまいたいなら、別にそれでもいい。

7月末、仕事を辞めた。

社長が1代で作り上げた会社。その船に乗りたいと思っていなかったのに、就活という流れにのまれ、君はどの船に乗りたいのか、と選択をせまられた。そして船はおととしの春、出航してしまった。わたしは本当はどこに行きたかったんだろうか。

”コロナの影響だってあるのに今職を失うわけにはいかない”

”親が心配する”

”辞めたいっていうことは悪いこと”

”自分は甘えているのだ”

決断するのは怖かった。だって、任された仕事をこなして収入を得るという毎日を手放すことだから。船から降りない理由を何とか絞りだして、とどまろうとした。だけど気づけば、何のために生きているんだろうなんてことを考え始めて、幸せだと感じることもあまりなくなった。

辞めてはいけない理由って、何だっけ?幸せだと思って生きたい。

”辞めたい”

本音だった。
やめてどうするの?いま職を失ったら・・・気がつくとすぐそんなことを考えてしまうけれど。いま乗っている船の行き先に、わたしは別に行きたくないのだ。いまの会社で働く意義がお金でしかない。もしも給料が半分になったら、わたしは迷いなく辞めるだろう。

就活のときにやっていた自己分析なんてものは、船の乗船許可を得るために「こう書いた方が受かる!」みたいなテンプレートを参考にして用意したもので、”使えそう”なエピソードのつぎはぎだった。

受からなくてもいいじゃないか。どの船にだって乗らない選択肢だってあるし、乗りたい船があったら乗ればいい。別に自分の何かがダメなわけではないし、行きたい場所が違うだけ。

ただ、自分が生きたいように生きれるように。
自分の意思で、会社を辞めてやったのだ。

そうしてからの自分は驚くことに心が軽く、びっくりするほど明るくなった。怖いけど、楽しみ。そんな感覚。

好きなことを仕事にしよう! とか、会社に依存しない働き方とかスキルとか、そんな大それたものや志でなくても、ただ会社を辞めるということでさえ、本当の自分の目標を叶えられたらスッキリするものだ。

いまは小さな目標を積み重ね、少しずつ大きくしていくこと。
そして自分の生き方に自信が持てるように。

自分の声、偽らないで。こうしなければいけないなんてものは、自分の捉われている幻想なのだから。


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