守山事件の顛末と花井主水の一件(5)所伝③元和年録(その2)
前回は、六月十日に行われたと云う大坂表での事を扱った一回目の御前公事について見たが、今回は同月十二日に行われたと云う二回目の話を見る。
〇元和年録の場合(以下、年録と略す)2
安西がいうには、この度四家老の棟梁花井は六千石も加増で取っておいて軍役の侍を一人も召し抱えなかった。上総殿の足軽大将までわけわけ四手(※1)にいたし各々預かって軍役に勤めているというのに、これでは知行をとる意味がない。馬が献上された際に、花井がそれを欲しがって忠輝から拝領したが、花井はそれを売って