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バリスタの大会から考える競技ヨーヨー大会の立ち位置

YouTubeのおすすめにバリスタ世界チャンピオンなる方のチャンネルが出てきて、コーヒーを提供する職業であるバリスタの大会があることを知りました。

バリスタの大会というのは、エスプレッソだったりラテアート、豆の焙煎からテイスティングまで様々な部門に分かれているそうです。
中でも、エスプレッソ、サイフォン抽出、手動抽出の部門では、コーヒーについてプレゼンしながら審査員にコーヒーを提供するみたいです。

このプレゼンを伴う部門では、一定時間で規定種類のコーヒーを競技者それぞれの淹れ方、材料で提供し、味やプレゼンの内容、プロフェッショナルとしての淹れ方の清潔さや立ち振る舞い等を評価されるそうです。

正直プレゼンの内容はサッパリなんですけど、一つのコンセプトに沿ったコーヒーが提供されて、内容が分からないなりにも非常に引き込まれるプレゼンでした。

この一定時間にコーヒーの味や技術、その魅力をプレゼンするという部分が一定時間にヨーヨーの技術やパフォーマンスを行う競技ヨーヨーの大会に似ていると感じました。それに大会に向けた準備として、豆を選んでプレゼンの内容を決めて、プレゼンをしながら常に同じコーヒーを淹れる練習を積み重ね、そして大会に懸ける思い、このプロセスも大会に向けて準備をするプレイヤーにとても似ていると思いました。

この世界チャンピオンの大会に懸ける思いとそれに向けた準備というのは、ヨーヨーの大会に向けて準備するプレイヤーを思い出しました。

大会の形式や出場者の思いが似ている一方で、世界一になったバリスタの淹れたコーヒーが世界一美味しくて正しい淹れ方…という訳ではない部分もヨーヨーに似ていると思いました。
実際、世界一のバリスタが淹れる世界一になるほどの技術に裏付けられたコーヒーは格別に美味しいと思います。でも、実際にお店でコーヒーを淹れる時に熱烈なプレゼンはしてないと思います。豆の種類や焙煎の仕方、挽き方によっても味は変わるとのことなので、あくまで一定のルールの上での世界一ですから、それ以外は劣ってるだとか間違ってるだとかの議論は無意味でしょう。

ヨーヨーの場合は、ある一定のルールの下で競っている以上、魅せ方が同じ水準だった場合に効率のいい演技に効率の悪い演技は結果として劣ってしまうのは必然です。大会で競技ヨーヨーの1位は生まれますが、「ヨーヨーが上手い」という概念が人それぞれである以上はその選手が世界で一番ヨーヨーが上手いプレイヤーとは言われないですし、そのフリースタイル以外が魅力的じゃない訳でもないです。

競技会での成績はルールに則ってるので、その順位の価値はゆるぎないものだと思います。なので、ルール上効率のいい演技に価値がないとかいうこともないです。ただ、大会が全てではないことも確かです。

このことは今のプレイヤー達は理解していると思いますが、ヨーヨーを外に発信するときもこの考え方を歪めないようにして、より多くの人にヨーヨーの魅力を伝えられたらと思います。


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