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映画『約束のネバーランド』がイマイチだった

2020年12月18日(金)に実写映画『約束のネバーランド』が公開された。白井カイウ先生(原作)・出水ぽすか先生(作画)による、週刊少年ジャンプで連載していた名作の実写映画化。

原作・アニメともにファンで…正直、『実写映画だけは勘弁してくれ…』と思っていた。実写化するにしても邦画は無理がありすぎる。せめて洋画で頼む…と思っていた。

というわけで、期待値0だが映画館へ行った理由として…
ママ役(イザベラ)が北川景子さんだったというのが大きい。何かの映画の予告編で約ネバ予告を見たとき…『ママ役、ハマってる!!』と思い、映画館で見ることを決めた。

ただ、1,800円を払う気持ちは沸かず…レディースデーに見ることに。

思ったよりめちゃくちゃ悪かった訳でもなく、めちゃくちゃ良かった訳でもない。けど、せっかく見たので感想残します。


ストーリーについて

約ネバの一番見どころでもある『GFハウス脱獄編』が実写化されている。
アニメ1期もグレイス=フィールド編でクールを終えているし、区切りが良いのでここで終わるのは良かったと思う。

ただ、脱出劇に注目させたいのか…鬼のいる世界観に注目させたいのかが、いまいち分からない。
原作の見どころとしては、試行錯誤しての脱出劇だと思う。

原作では、シスター・クローネはもっと時間をかけて恐怖を与えるような存在で…すぐに脱出を協力する存在にはならない。映画では、一回鬼ごっこしたら『私は味方よ』となる。なんだよ、最初から味方なのかよ感がある。
ある意味、鬼よりも怖い演出が原作ではあるのだが…映画では、それが薄くなっているのが非常に残念(渡辺直美だし仕方ないかも…)

あと映画では、メインの子どもたち(エマ・ノーマン・レイ・ドン・ギルタ)以外はほぼモブ扱いされている。その為、みんなスムーズに問題なく脱出できているように見える。特訓の様子は少し描かれているが…薄すぎる。

結果として、子供たちが一生懸命脱出した!めでたし!で終わっている。
ママやシスターの怖さ、ミステリアス要素、脱出劇要素が薄まってしまって…一言でまとめるなら…見どころがない

ママ(イザベラ)とレスリーの部分とか、すごい泣けるし感情移入する部分なのに…何故、もう少し入れなかった。。アニメ1期ではそのあたりを丁寧に描いているので、とてもおすすめです(エンディング演出も良い)


キャスティングについて

ストーリー以外に、キャスティングももう少し工夫出来たと思う。原作を知っているひとにとって『ハマってないな〜』と思うと、もはや映画に集中出来なくなってしまう。。

◆ママ(イザベラ)@北川景子
美しく賢く凛とした演技でハマっていた。原作との違いとしては、もっと厭らしい怖さがあるので…ある意味、キレイ過ぎたかもしれない。もっと毒のある演技でもハマりそうだと思った。
とはいえ、すごく良かった。ハマり役。

◆エマ@浜辺美波
キャスティング見た時点から思ったけど、ちょい大人過ぎないか?という印象。実際、ウィッグ被って衣装着ればエマっぽい少女にはなっていた。
浜辺美波ちゃん自身が童顔ではないので、他の子ども達に比べると大人っぽく見えるのは気になった。
正義感の強い女の子を見事に演じられてたと思う。

◆レイ@城桧吏
エマが大人っぽいのに対し、レイは子供過ぎた
好きなキャラなのもあり…レイだけ浮いて見えて辛かった。一番ハマってない役。城桧吏くんの万引き家族での演技は素晴らしかったので…役者が悪いのではなくて、配役が悪い。
奥平大兼くんとかレイ役似合うと思うな…17歳だし、年齢的にもちょうど良い。

◆ノーマン@板垣李光人
ノーマンはThe外国人顔なので…日本人に務まるのか心配だったが、最初の違和感を除けばハマっていた。中性的で2.5次元俳優っぽいお顔立ちなので、白髪もうまく演じれていたと思う。

◆シスター・クローネ@渡辺直美
ハマりすぎて笑った。バラエティでの印象が強いけど、ちゃんと演技も上手なんだなぁと感心。少しわざとらしいくらいの演技が今回はハマっていた。

ただ、足が遅すぎて違和感がすごい。シスター・クローネといえば爆速で追いかけるシーンが印象的だが、渡辺直美が全速力しても良い絵は撮れないよね。。早送りで近寄ってくるシーンは本当にギャグ。

◆謎の男(ピーター・ラートリー)@松坂桃李
いや〜違和感の塊だった。
演技がというか、金髪ロン毛の松坂桃李への違和感。日本人が演じるとこういうことになるよなぁと思った・もう少し、ナチュラルに金髪が似合う役者いなかったのかな。

◆ドン@山時聡真
原作よりも大人っぽい印象だけど、違和感ない少年って感じだった。
顔が瑛人に似ているのが気になった。小さい瑛人。

おわりに

邦画で実写化する時点で、こうなる未来は見えていた訳で…そういう意味では、別に可もなく不可もなしなのかもしれない。

ただ、原作の吸い込まれるような面白さはなく…原作好きとしてはガッカリ感は否めない。

実写化の限界ってあるよなと再確認した映画だった。

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