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20230509ブルーエゴナクに入団しました


茂と演劇との関係性について、第5期に突入した気がします。


日、一寸先はパルプンテ再会公演「じぇねれぇしょんず✊」が終幕しました。
ご来場くださった皆さま、誠にありがとうございました。

主宰というか発起人の馬場くん(ゆば)から、「パルプンテやりたい」と話を聞いたのは去年(2022年)の4月とか、そんな時期だったと思います。


パルプンテは2016年、僕が大学2年生のときに、ゆばの声かけによって6つ?かな、複数の大学の演劇部から集まった寄せ集めキメラのカンパニーとして初めて結成されて、福岡学生演劇祭に出場、「友情」という作品を上演しました。
それがありがたいことに好評をいただき、(なんやかんやありつつ)翌春、全国学生演劇祭に出場し「境界」を上演。

その翌年、メンバーの大半が大学を卒業する2018年3月に初めての自主公演(であり”卒業公演”)「CLEAR」を開催して、それ以来5年ぶりの作品発表でした。

つどメンバーが増えつつ。
パルプンテは、メンバーが作品のたびに増えていく、増築を重ねた危なっかしい家みたいな、そういうキメラ演劇ユニットっぽいです。


今回ゆばの声かけにより再結集した従来からのメンバーは加茂と山口大器(劇団言魂:「境界」から参加)の2人のみでしたので、新たにたくさんのメンバーを迎えて、相変わらず男のみでの作品をつくることに。

パルプンテに憧れてくれていたらしい駿作(ガラパ)、注目を集めている首藤くん(スムっと)、独特の空気を放つとっつー、これまた独自路線のそめやん(マジカル超DXランド)、客演引っ張りだこ経験豊富の満ちゃん(ジグザグ)、唯一のアラフォー稲益さん(ケミドラ(あんまし聞いたことない))が参戦してくれました。

「くれました」って書くくらいなので、自分はめちゃめちゃパルプンテ本体側の気持ちを持っているんだと思います。
「友情」から参加しているし。


今回、これまた見事にいろんな団体から、寄せ集まりました。

本当にキメラなので、正確には主宰とかもいないし、意思決定機関が適切に働きません。
一応自分が舞台監督を担いましたが、ゆるっとした役割分担でした。
なかでもチケット周りとチラシ配りを担当してくれていた駿作と、全体的なプロデュースとSNS更新を担ってくれたゆそさん(Yb)には頭が上がりません。ありがとうございました。

自分、団体のコアというか本部っぽい精神性ではあったけれど、ぜんぜん発信とか頑張れませんでした。引け目を感じています。
公演としてテイが立ったのは、上手く団体として機能していない中でもこうして全体益の役割を担ってくれた人々の存在がとても大きいです。ありがとう。

「境界」からのスタッフ梅(ロボパン)と、「CLEAR」で出演して今回音響操作だったしゃけさん(元大橋キャンパス演劇部)が居たのも胸熱です。
梅は稽古場で良いイオンを放ってくれていたし、しゃけさんホントまじで居心地悪かったんじゃないかと思うけど雰囲気にだいぶ救われました。あざす。
従来からのメンバー、修平(元?陰湿集団)、みずほ(元Yb)、おがちゃん(ロボパン)が観に来てくれたのも嬉しかったです。
ひじり、じゃのめ(がらくた宝物殿)も遠方から気にかけてくれてました。ありがとう。
りょーまさん、そーせきさん、なこさんは今どこで何してるだろう、元気だと良いのだけれど。
よだん(元ジャカ雀)は元気っぽいです。
これまでパルプンテでは加茂、よだん、梅が最年少だったけれど、今回歳下がたくさんいました。


パルプンテのこと触れ始めてしまうと思い出の箱がガバっと開いてしまって、困る。


とにかく、今回もまぁそれは寄せ集まったカンパニーで、それはもう創作も難航しました。過去最高に。

昨年の10月とかから集まり始めていたと思うけれど、ぜんぜん脚本出来上がらんし、ゆばが書いてきたら書いてきたで「これじゃなくね」みたいな議論が紛糾するし(主に加茂とヒロ(山口)によって)だいぶしんどかったです。
それぞれの持っているものとか、考え方みたいなもののベン図の重なりのごく薄いところを突いていく、みたいな作業?だったのかな?もう分からん。とにかく大変でした。上演できて良かった。めっちゃ降板しそうだった。
だけどこのメンバーで集まるのはめちゃくちゃ楽しくて、2022年も2023年も、自分のマジ笑いのトップはパルプンテの稽古中だと思う。
途中でヒロが演出的役割を大部分担ってくれるようになって、意地でも諦めないその姿勢に繋ぎとめられました。ありがとう。
ともかく、このメンバーでいま作品をつくるなら、これ、だったのかな?本当に?分かりません。が、これまでに敷いてきた(敷いてきてしまった?)レールのうえで、できる最善を尽くした末の作品だったと思います。
その上で、足りていないところがとてもあったと思います。
反省しています。そこまで至れませんでした。

こういうのは言葉にせずに、自分の内側に留めておいたほうが、観てくださった方に対して誠実なのだろうか。
そうなのかもしれない。
でも、自分が観客だったら、ただ作品を観るだけじゃなくて、その背景とか過程とかは気になるし、最近はもっぱらそういうところにこだわりを持ってやるためにマルレーベルで取り組んでいる面もあるし、マルレーベルの今後に対しての誠実さを持っていたいので、書きます。
自分のために書いています。
読んで気分を悪くされる方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ありません。心よりお詫びします。

作品はあくまで作品ですので、観てどのようなことを受け取られたか、それはそれだと思っています。
面白かった、と感じてくださっている人には、良かったです。嬉しいです。
つまんなかった、という方もたくさんいらっしゃると思います。今作では合いませんでしたね。
表現物として世に出ることで、気になる部分があった方へは、申し訳なさを感じます。
これが、今回の一番不誠実だった点だと思っています。
自信満々で作品を送り出せなかったです。

創作過程での熟考の面では、胸を張れません。
本番舞台上で全力だったと、これは胸を張って言えます。激ダサですけれど。
誰一人、作品を悪くしようなんて人は居なくて、みんなが皆、良くしようと思って進めてきての作品だったのですが、コミュニケーションの土台の部分に不具合があって、共有の根底を築けなくて、創作期間のなかで「作品を良くしていく」協働作業がうまくできなかった、と感じています。

それぞれの気になる部分が違くて、自分は脚本の流れとか、それの立ち上げ方がすごく気になってしまったし、逆に部分のエピソードについて、震災やサリンが出てくることその扱いについては気が回っていなくて、多分座組みんなそれぞれにそういうのがあって、何度もちゃぶ台をひっくり返してみたりしながらも糸口がつかめなかったりして、それへの向き合い方というか、ともに見つめる作業にじっくり取り組めなかったと感じています。

そのなかで自分はイキイキと創作に取り組めませんでした。
この”イキイキ”は今後自分でどうしても大切にしたいポイントです。
ここに曇りを抱えた状態で本番を迎えることになってしまったことは、認めたくないと思ってしまうけれどきっと自分の努力不足だったのだろうし、だって、個人的にどっしりと腰を据えて、問題解決のためにはこれだ!というのを見つける努力を本気100%でしていたかと問われればすんなり「うん」とは言えないし、自分に対しても不誠実だし、でもイキイキできていないがゆえにそこも頑張れなかったみたいな面だって絶対にあって、あーもう!

という感じの創作期間でした。
結果的に生まれた作品は、そんななかでも、私たちのできる当時時点で最良のもので、協働の一つの成果です。
今回のこのメンバーのこのタイミングでの作品がこれだったと、ただそれだけのことなんだと思っています。
その無味無臭のできごとに対して引け目を感じてしまうのは、今の自分には気になってしまうところがあるからでしょう。
学生時代には気にならなかったことが、今は気になる。
それをものすごくずっしりと感じました。


パルプンテに出るのはこれが最後だったと思います。
このキメラ的ユニットにおける、皆が均等に責を負うことが理想であろう集合体主体としての創作では、自分の”気になり”を根幹から解消することはできそうにないと感じました。


これに真っ向から向き合うことは自分の演劇への関心の範疇だと思うけれど、ここにいる未来の自分があまり想像できません。それだと頑張れない。腰を据えて取り組めない。それはもう、そう。
これまでやってきたことを終えるということは、残念で寂しいことと感じる気持ちはあるけれど、でも、選択それ自体は無味無臭であるはずです。
ジャカ雀を解散したときの心持ちにかなり似ています。
本当にパルプンテは思い出に溢れているし、皆おもろくて良いヤツらだし、めちゃくちゃ稽古楽しかったし、出会えてほんと良かったと思う。これからもそれぞれとの関係は続いていくけれど、パルプンテとは、(先輩たちと同じように?)自分もお別れします。

最後にしっかり”再会”しました。
よし、それじゃ。いままでありがとう、とシンプルな心持ちで離れます。

改めまして、ご覧くださった皆さま、ありがとうございました。
一緒にやってくれた皆さん、心から、ありがとうございました。



の終演翌日に発表となりましたが、北九州市・京都市を拠点に活動する劇団 ブルーエゴナクに俳優として入団しました。

じゃあそこでは胸を張れるのかい?
イキイキできるのかい?
という問いが真っ先に降りかかりますが、オーディション時に体験したリハーサルの空気や劇団ミーティングの雰囲気、劇団員の皆さんと関わるなかで感じ受ける範囲では、YES、めっちゃYESです。

たぶん加茂が大事にしたいことっていうのは、今のところ、「”生(せい)”を抱きしめたい」とかそういうことだと思っています。
そういうことを根底に敷き、それを探るために進めていく場所であるマルレーベルと、そうでないところからスタートして、それを目指しているわけでもないであろう劇団、そのそれぞれでの叶い方の違いについてとても関心があります。

”気になり”はきっとあるでしょうが、それに向き合うことに意義性を感じることができます。
パルプンテではそれができなくてエゴナクではそれができそうと感じるのは、やっぱり未来を想像できるからなのかな。
憧れがあるとか、団体としての構造が異なるとか、相性とか好みとか、付き合いの長さとか、いろんな要素を束ねたうえでの、これはまた、そう。


ひとまず(まだ数週間ですが)イキイキとできています。


正直、自分が劇団に入るというのは自分でもあまり想像していなかったことです。
自分のやりたいことは自分のやりたいように、包括的に管理できる範囲でやる、という考えがわりと染み付いていて、旗揚げから団体を興すことはあっても加入することはないかな、とぼんやり思っていました。

演劇をつくる集団そのもののあり方、協働のかたちに関心が湧くようになったのは最近のことです。

それとはまた別に、いろいろある目標の一つに、「30代以降、全国各地で演劇をする人間でありたい」というのがあります。
これもまた去年気づいた感覚です。
いろんなところで活動しているブルーエゴナクは、穴迫さんは、自分にとって、その道の追いかけたい背中というか、憧れの存在です。

その活動に混ぜてほしいな、というよこしまな気持ちがあって、客演で呼んでいただけないかな、とか思ったりもしていて、でもその頂は自分が活動していてもそうカンタンに掴めるものではないから、もしオファーをいただいたとしても与えていただくものばかり大きくて不公平だよな、ギブばっかりでテイクがないよな、と思って、しっかりイチ劇団員として機能したいしそれに前向きに取り組みたい動機もあるのでどうか、今後エゴナクが掴むものを自分も、自分の手で触れる範囲で掴ませてほしいんです、と劇団員募集に応募し、縁をいただいて入団することになりました。

自分もイキイキしていたいし、ほかの劇団員の皆さんのイキイキを決して損なうことがないように、そしてそれが増えていったりするように、集団としてもイキイキしていけるように、なんて新入団員の立場で何を言っとるだというツッコミ入りまくりですが、それでもそんなことを目指して、有機的な関わりに努めたいと思っています。

まだぜんぜん、劇団所属であるということに慣れません。
自分で自分の輪郭を捉えかねている感覚があります。

少しずつ、そうあっていくと思います。
どうかこれから、よろしくお願いいたします。



品をつくりたいとか、表現したいものがあるとかそういうのではなくて、納得して生きたいから演劇をしているのかもしれないな、自分は、と最近思います。



Twitter、マルレーベルと分離して個人アカウントを復活しました。
マルレーベルともブルーエゴナクとも独立した、いち演出家・俳優としての個人、という輪郭を捉えたい気持ちがあります。
マルのほう、すでにフォローしてくださっている十数名の方、ありがとうございます。
まだ1ツイートしかできていませんが、新たな企画もありますし、これから発信していきます。ぜひ、フォローをお願いします。

とはいいつつ、一つの場のあり方として、公平性というか、極力ただあるだけでありたいと思っているので、フォロー0で運用していこうと思っています。

なので、フォロー返ってきません。ご容赦ください。
それでもよろしければ、ぜひ、お願いします。



1期(2015〜2016)
大学入学、福岡在住開始、演劇部入部、演劇を始める。

第2期(2017〜2018)
パルプンテで京都に行き「演劇おもしれぇ」となる。ジャカっと雀を結成する。

第3期(2019〜2020)
大学卒業して演劇を生活の中心に据えようと決める。コロナ禍始まる。

第4期(2021〜2022)
ジャカっと雀解散。フリーでしばらく活動してそのあり方に悩む。ニューイヤー演劇を開催してマルレーベルを立ち上げる。演劇祭の運営をしこたまやる。いろいろ悩む。

第5期(2023〜)
マルレーベルのあり方が定まる。ブルーエゴナク入団。


考え方の大きな変化に伴う精神性の移行によって区分けして捉えている感あり。だいたい2年周期なのだね。