【ラジオの話】radikoの年間ランキングを読み解くと色々興味深い
「2023年ラジコで聴かれたラジオ番組・音楽を振り返る年間ランキング」が発表されました。一日の大半をradikoと共に過ごす私としては見逃せないランキングなのですが、この結果がなかなか面白くて。
※以下、こちらのページのデータを参照いたします
【総合】強いぞ、ニッポン放送
こちらが在京エリア、つまり関東の番組トップ10ですね。放送局別では1位、2位、5位、6位がニッポン放送。3位、7位、8位がTBSラジオ。4位、10位がJ-WAVE。9位がTOKYO FM。
ニッポン放送の強さが目立ちますが、これを時間別で見ていくと5位の「あなたとハッピー」が朝、6位の「ナイツ ザ・ラジオショー」が午後、1位の「ショウアップナイター」が夜、とそれぞれ帯で放送されているので、一日中ニッポン放送を流している人が多いのでしょうね。
2位の「オードリーのオールナイトニッポン」は土曜深夜なので、この流れとは別モノだとは思いますが、とはいえどの時間帯もカバーしているあたりが、今のニッポン放送の強さなのかなと。
朝を制すモノは、一日を制す?
時間別で言うと、「あなたとハッピー」だけでなく、7位の「スタンバイ」と8位の「ふらっと」はTBSの朝の帯番組、10位の「TOKYO MORNING ROAD」と4位の「STEP ONE」はJ-WAVEの朝の帯番組、9位の「ONE MORNING」はTOKYO FMの朝の帯番組と、ランキングの半分が朝の帯番組というのも面白いですね。
私が思うラジオの特性は「親しみやすい・信頼しやすい」「習慣化しやすい」「ラジオ局単位で愛される」なのですが、ひとつの番組(特に帯番組)でリスナーをつかむと、その番組だけでなく、そのラジオ局全体への信頼度がグッと上がるといいますか。
それが朝の番組だと、その特性がより発揮されて、その番組をきっかけにそのまま一日同じラジオ局を聞き続けてしまうのですよね。そういう意味でも、ランキングの半分が朝の番組というのも不思議ではないなと。
【20代】男は芸人、女はアイドル
続いて、年代別のランキングです。これもなかなか面白い結果でして。20代は男性がほぼ芸人、女性がほぼ旧ジャニーズ。そして男性のほとんどが「オールナイトニッポン」と、ここでもニッポン放送の強さが際立ちます。
女性10位に「中居正広 ON&ON AIR」が入っているのも興味深いですね。20代から見たら、中居君は父親世代にあたるのですが。
【30代】微妙にオトナ化
ベスト3は20代とほぼ変わらず。総合1位のナイターが男性5位にランクイン。男性は引き続き芸人の番組が多いものの、爆笑問題やナイナイ、伊集院光が入り、20代で2位だった霜降り明星が圏外に。女性の20代でも9位にランクインしていたので、若年層に特化した人気なのですね。
旧ジャニーズ一色だった女性の方も「日曜天国」や「ふらっと」などが入ってきて、少しずつ大人の番組が増えてきました。
【40代】中年モード突入
40代に入ると、だいぶ変化が。男性1位にナイター、そして9位に競馬中継がランクイン。オヤジ濃度が一気に上がります。芸人の顔ぶれも中堅以上の実力派が並びます。男女共に「日曜天国」が上位に上がってきたのも見逃せません。
女性の方はJ-WAVEの2番組がここで登場。ジェーン・スーも8位にランクインし、番組のターゲットや生活スタイルがランキングに反映されているのが分かります。
【50代】男は競馬、女はBGMで日経に
最後は50代。男性の方は、辛坊治郎に飯田浩司、垣花正とニッポン放送の帯番組が次々ランクイン。競馬中継はラジオNIKKEI第2の方も入り、2番組。これまでベスト3に入っていたオードリーも消え、いよいよオヤジ濃度もMAXに。
ちなみに男性の方は、ここまでどの年代もすべてAM局。「サンデーソングブック」とか「あ、安部礼司」あたり(いずれもTOKYO FM)は、男性リスナー多そうなイメージなのですが。
女性の方は、40代とほぼ変わらず。7位と10位にランクインした「RaNi Music」はラジオNIKKEIの帯番組。今やFMもトークメインの番組が多いので、こうした作業用BGM的な番組が求められているのかもしれませんね。
あれだけランクインしていた旧ジャニーズたちもふるいにかけられ、最後に残ったのは6位のSixTONES。20代、30代で1位、40代で3位、そして50代でも6位というのは、よほどの人気か、よほど面白いのか(どちらも?)。
そして3位です。女性20代で10位にランクインしていた「中居正広 ON&ON AIR」が再び登場。もしかすると、母親が聞いている番組を、20代の娘も聞いているということで良いですかね。だとすると、面白い結果だなと。
おそるべし、オードリー
最後に「オードリーのオールナイトニッポン」について。男性は20代、30代で1位、40代で2位。女性は20代、30代、40代で2位、50代で8位にランクイン。年代・性別問わず幅広く、そして強く支持されているのが分かります。
そりゃ、東京ドームも満員にしますよね。
ラジオ番組、特に深夜のラジオ番組は、ある種マイナーな共同体というか。数は多くはないけれど、熱心なリスナーが集まる場だと思っていたのですが、この番組に関しては、ここまでのボリュームに膨れながらも、熱量が保たれているのが凄いなと。
このレベルまでとは言わないものの、ラジオ番組とリスナーの関係性は、どのメディアよりも強い結びつき(それこそ生活に根付くレベル)があることが再認識できたランキングでした。
データ好きとしてはこのランキングに、再生数や再生時間が加わると、もっと解像度が上がるのだろうけど、それは関係者までに留めておいた方が幸せかもしれませんね。
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