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かもがわ出版メルマガ2024年Vo.148

社会や政治に関心を持たない日本の若者。なぜ若者は社会活動に参加しないのか? どうしたら関心を持つようになるのか? 社会活動に参加している若者の秘密は?
こうした疑問に対して、世界と日本の先進的事例を多数紹介しながら、自立した主権者への道を模索する書籍『若者とともに 地域をつくる 学校を変える 社会・政治を変える』が4月上旬に刊行されます。
 筆者は、高校教員として、長野県辰野高校で生徒が学校運営に参加する「三者協議会」を立ち上げ、全国にモデル活動として広がりました。現在は、東京都立大学客員教授、 開かれた学校づくり全国連絡会共同代表として、欧米各国と日本の社会への若者参加を研究しています。
 例えば、アメリカ・シカゴの学校では、大きな問題になっている銃乱射事件で銃規制を求め、高校生の呼びかけた「命のための行進」ではワシントンで80 万人が参加しました。そうしたムーブメントは、民主主義的な市民性教育を推進する「デモクラシー・スクール」の推進が大きな力となっています。
 ところが日本では、新自由主義と政治教育の欠如から、若者は「社会は変えられない」と思い込まされています。そんな中でも、例えば愛知県新城市では「若者議会」が設置され、高校生らの若者議員の提案で多くの事業に予算措置が取られている、といった事例も少なくありません。
 そんな研究を示しながら、「若者たちが生きていくのに冷たく苦しい社会をつくったのは大人である。私たちの責任でこの社会を変えなくてはなりません」と、各地の講演で訴え続けています。 
 社会に関わる後継者を育てようとしている人と団体必読の一冊です。


【新刊案内】

●暮らしと人間的な労働条件を復権させる道を探る
『縁辺労働に分け入る』
浜 矩子・雨宮 処凛・清水 直子 本体価格1,700円
使い捨て要員として崖っぷちに立つ不安定労働者。新自由主義的資本主義を転換し、暮らしと人間的な労働条件を復権させる道を探る。

●様々な経験者からノウハウを集め、お困りの先生を支えます
『教師がつらいときに読む本』
観世 あみ 本体価格1,700円
長時間労働で精神疾患や早期退職が急増する学校。様々な辛さを抱えた教師を支えようと、無理しない働き方、考え方を漫画入りで紹介。

●希代の論客たちと白熱対談
『われら自身の希望の未来』
宮本 憲一・宮本背広ゼミナール 本体価格3,200円
環境経済学の第一人者で積極的な発言を続ける宮本憲一が、斎藤幸平らと転機を迎えた現代社会の課題と解決の糸口を探る対談講演集。

●社会科(歴史・国際問題)×道徳(公正性・人権)を横断的に学べる!
『共生はどこにある?』
小林 亮 本体価格2,800円
日本も移民を受け入れるべき?世界遺産の登録にふさわしい条件とは?異なる考えを知って、考える力を身に着けよう。


【重版情報】

●国語と社会、家庭科を、教科横断的に学べる1冊
『古典がおいしい!平安時代のスイーツ』
前川 佳代・宍戸 香美 本体価格2,500円
枕草子のけずり氷、源氏物語のつばきもち…古典に登場するスイーツの再現レシピを、その古典作品の内容とともに紹介します。

●パレスチナにはどんな仕事があるんだろう?
『パレスチナのちいさないとなみ』
高橋 美香・皆川 万葉 本体価格1,800円
辛く悲しい現実のなかにも、そのいとなみを支える仕事があり、働く人びとには笑顔がある。「仕事と尊厳」を考えるパレスチナの本。

●日本は「戦後」から「新しい戦前」に変わった!!
『「新しい戦前」のなかでどう正気を保つか』
金平 茂紀・大矢 英代 本体価格1,600円
2022年を転換点に日本は「新しい戦前」に変わった。メディアは真実を市民に提供しえているか。2人のジャーナリストの本音トーク。


【総合ランキング】

保育・教育書 第1位
●特別支援教育のワーク教材
『SSTワークシート自己認知・コミュニケーションスキル編』
LD発達相談センターかながわ 本体価格1,500円
社会性の課題を抱える幼児から中学生くらいまでを対象にしたSSTワーク。子どもの相談からできたオリジナルな内容。コピーしてすぐ使える。

人文・社会 第1位
●すべての子どもがしあわせな子ども時代を送るために
『フランスの子どもの育ちと家族』
安發 明子 本体価格1,800円
国民が幸せに生きることを保障する仏の福祉を写真を交えてレポート。日本での生活保護ワーカーと仏での出産子育て体験が説得力をもつ。


【読者の声】

●貴重な体験がつまったエッセイ集
『チェコのヤポンカ』
木村 有子 本体価格1,700円
豊かな森で遊んで暮らした日々と、帰国して待ち受けていた孤独。少女を支えたのはチェコのやさしい人たちや本との温かな記憶でした。

【女性・60歳代・教員】
日本のチェコセンターのスタッフのSNSで、木村さんの本を紹介しており、
すぐに購入して、一気に完読しました。
私も知っているチェコ語が出てきたり、格変化の話、チェコ人らしいエピソードに、うんうんとうなづきながら、時に笑いながら拝読しました。
70年代の社会主義国チェコスロバキアで、たくましく育ち、好奇心旺盛な少女が、子どもの時に願った翻訳家の夢を叶えていることに、胸が熱くなりました。周りの人との心温まるエピソードに、チェコという国やチェコ人への見方も変わりました。
また、木村さんのお父様やお母様もパワフルな人柄が想像できましたが、次回はお父様やお母様のチェコでのエピソードも読みたいと思ってしまいました。パワフルな木村家に興味津々です!
私の夫はチェコ人で、2歳の息子は日本とチェコのハーフです。そのため、夏と冬はチェコに帰省していますが、日本から行くと、日本人の私にとってチェコでの生活は不便に感じてストレスでした。しかし、木村さんのこの本を読んで、私からチェコにいる家族や近所の人への関わりが少なすぎるから、自分で世界を狭めて、貴重なチェコ生活をつまらなく、ストレスな生活にしていたのかも?!と、省みるきっかけを与えてもくれました。
また、木村さんのお母様が、現地の小学校に一緒に入って勉強していたなんて、私には驚きでしたが、それぐらいガッツを持って、語学勉強をすれば、必ず身につくと思いましたし、チェコ語を学び始めた私には勇気をもらうエピソードでした。
とにかく、社会主義国時代に、日本人も少なかったプラハで、現地のチェコ人と仲良く暮らし、信頼関係を築き上げた木村さんのコミュニケーション能力の高さと好奇心と行動力の凄さに感服いたしました。
チェコ人夫は、70年代生まれです。この本に載っている車や自転車や子供たちの写真を見て、とても懐かしい!と喜んでいました。
2歳息子は、まだ文字は読めませんが、大好きなクルテクのぬいぐるみが写る写真や本の紹介写真を食いつくように見ていました。
クルテク大好き息子は、チェコ語のクルテクの絵本をよく読んでいます。
そろそろ、木村さんが翻訳した「もぐらくん」シリーズも、読ませようと思います。
チェコ人夫が、子ども時代に読んだクルテクの絵本を、チェコ語だけでなく、木村さんが翻訳してくださった日本語版でも読めるなんて、息子は幸せ者です。素敵な本をありがとうございます!

【編集より】

そこにはきっと、あなたへのメッセージが込められている!!
 
『教師がつらいときに読む本』
 自ら教師をしながら、漫画・執筆を行う著者が、全国の教師から寄せられたノウハウをもとに綴る、つらい教師の、つらい教師による、つらい教師のためのコミックエッセイである。
 いま、長時間労働で精神疾患や早期退職が急増する学校は、崩壊の危機にある。教師という仕事がつらい、だけど頑張っている…それはあなただけが抱えている問題ではない。
 教師を一度退職し、現在は特別支援教育支援員として勤務している筆者は言う。「私は要領がいい方ではなく、つらいと嘆きながら頑張ってきました。それはきっと、この仕事が好きだからです」と。そんな筆者が、現場で苦しんでいる先生を助け、現場の外の人たちに問題提起しようと、全国の様々な経験者からノウハウを集め、負担の少ない働き方、休み方を、漫画とコラムで分かりやすく紹介している。
 そんな一人、元小学校教諭のKさんのアドバイス。「私は教師2年目のときに、家に寝に帰って起きてまた学校に行って…という生活を続けていて『あー、このままじゃダメだ』と思い、教師を辞めました。だから、違う仕事に一歩踏み出すのもいいんじゃないかと思います。でも、教師はやっぱり魅力的な仕事です。つらいときは、近場の飲み屋で、友人や他の環境の人と関わる時間も大事にしてほしいと思います」と。