見出し画像

ジャムセッション at The ANSONIA CAFE

ドラマーの友人がホストをしているセッションにふらりと参加したのが3月。
もうひとりのホストははじめましてのピアニスト。
居心地がよくて4月・5月と通ううちに、友人のドラマーは関東に引っ越すことに。

そうしてホストを引き継いだのが伏見稲荷はThe ANSONIA CAFEのセッション。
毎週金曜夜にジャムセッションを催しているお店で、担当は第2週。
勘のいい方はお気付きでしょうが、ピアノ&ドラムのドラマーから引き継いだため、ホストはピアノ&ピアノに。
セッションモンスターの私でも、このホストの組み合わせははじめてみた。
ピアノって、ひとりでホストが成立しちゃう楽器なので、尚更ダブりにくいと考えられる。

相棒のリスボン島先氏はベテランのピアニストで、司会は概ね彼に任せている。
私のホストとしてのアプローチは、演奏における絡み。
よくある、お客さんが気持ちよ〜く演奏するためにホストが後ろ支えする伴奏とは異なる。(そればっかりして、なおかつずっとステージにいるホストってなんなんやろね。)

概ねキーボードとエレベで、カウンターメロディをつける感覚で、伴奏というより伴走する。
一緒に演奏している他者と、ひとつのメロディライン・ひとつの和声となるよう、弾いたり、弾かなかったりする。

今までやってきたホストセッションとは異なり、明確な言語による指示や、わかりやすい煽りを行うことはあまりない。
音数(特に和音の積み)を少なめに、静かに絡んでいく。
これが不思議なもので、そうしているうちに、このセッションは"そういうセッション"になっていった。

このセッションではベースが4人同時に曲に乗ることがある。
と書くと輩的な激しいセッションのようだが、これも何事でもないように、すっと営まれる。
考えてみれば、ベースが4人いようが、そのうちひとりが2〜3音の和音を弾こうが、ギターやピアノが単独で鳴らす和音と同音数あるいは少ないのである。

そして、私やリスボン氏がピアノを弾く際も、必ずしもピアノ単独で和声を形作ろう、下支えしよう、なんて考えていない。
全体としてアンサンブルが成立すればいいわけで、ピアノでは同時に1音ないし2音も出せば、例えばフロントひとりとベースがいれば、すでにトライアド以上の和音が成立するわけである。
ピアノが多くを弾かなければ、他の楽器(コード楽器とは限らない)が飛び込めるスペースも増えるわけである。
逆に、ピアノがベースラインを弾きだし、ベースが3人いるのに3人ともベースラインではなく他の役割を行う(コード、カウンターメロディなど)というようなことも起こった。(ある役割を埋めることで他の役割がスペースとなる。)

私は、アンサンブルをしたいのだな、と思った。
各楽器の固定観念的役割分担に捉われない協働的アンサンブルの創出。
それがこのセッションの主たる志向のひとつとして、自然に明確化されてきたように思う。
セッションとはおもしろいもので、今までホストをやってきたセッションでもそうだったが、ホストメンバーだけではなく(時にはそれ以上に)場所や参加者によって育っていくもので、その育ち方はセッションによって全く異なるものである。

ともにジャズを、インタープレイを追究する仲間を、いつでもお待ちしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?