見出し画像

初老人、人生最後の滑り台!

おとといのこと。
magoと公園巡りをした。

この町には、公園が多い。
半径500メートル以内に3つ。
時間で言えば5分以内で行くことができる。
1キロ以内ともなれば、なんと5つもの公園がある。

他に作るものがなかったんかいと思うほど公園だらけ。
しかも、それぞれが、なかなかにデカい。
木々も大木に育ちつつある。
そんな風景を遠くから眺めると、
軽井沢の風景に似ていないこともない。
うん、いいぞ、我が町( ̄^ ̄)ゞ

点在する公園にはそれぞれ個性がある。
テーマとでも言うのだろうか。
公園をいくつか巡っていれば、
飽きることもなく、お金を使うこともなく、
子どもたちは遊べることになっている。
だが、そういう大人たちの思惑は、いまではどこへやら。
このあたりも少子化が進んで、どこへ行ってもほぼ貸切状態。
遊びたい放題、叫びたい放題。
5歳児のやんちゃもんにとってはパラダイスではあるが、こんなに利用者が少なくていいのか?
もったいないったら、ありゃしない。
老人一斉ラジオ体操にでも使うべきだよ。

さて、本日の本題、滑り台の件である。
3つ目にたどりついた小さめな公園には、石でできた滑り台がある。
5歳児はスルスルと何度も上っては滑っている。
見ているうちに、どうも童心に返ってしまったらしいばあちゃんである。
"あたいも、滑ってみたい・・・・"
そう思ったかどうかの記憶は定かではないが、身体は動いていた。
階段を登り、滑る体制に入る。
そして、手を離した。
すると・・・・


🎵スベる、スベる、しょろうじ〜ん
ほんの一瞬の出来事だった。1、2秒であろう。
石でできた滑り台を甘く見ていた。

わずかな距離なのに、身体を制御できない。
うわ〜!うわ〜!
それでも砂場に投げ出されるように着地に成功!
ジェットコースターみたいだったわ。
しかし、指がヒリっとする。
身体を守ろうとして、側面で擦ってしまったらしく、
左手親指からひと粒の流血😢

元5歳児があわてて、駆け寄る。
(昔は5歳児でかわいかった男も、今では40歳)
そういう意味では、わたしも元五歳児ではある。

「ばあさん、大丈夫か!」
まさか滑るとは思わなかったらしい。
予想はうらぎ〜るんるん。

「ばあさん、筋肉を鍛えてるから滑り切れたけど」
そう言いながら、少し顔が青ざめている。
「大怪我してた🦆しれないぞ」
鴨桜子は静かに諭されたのだった。

でもさ、いちおう、言っとくけど、
ばあさん、筋肉なんて鍛えてないよ。
肉体年齢がそもそも若いんだってば。

だけど、約束する。
2度と滑り台は滑らない。

そうすると、あれが人生最後の滑り台ってことだ。

これから多くの滑り台と出会うであろう5歳児を横目に、
指の傷に唾を吹きかける初老人。
唾には殺菌作用があるのだ。
すると5歳児がしたり顔で言う。
「ばあば、水で洗ったほうがいいよ」
唾より水。
そういう時代になっているらしい。

こうして、できないことが一つずつ増えていくのか。
そして、昭和がはるか遠くにかすんで見えた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?