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パリの老舗ジャズクラブ、New Morning(ニュー・モーニング)

前回はパリの楽器屋街Pigalleについて書きましたが、なにやら予想以上に多くの方に読んで頂けたようで驚いています。
なんと公開後一ヶ月も経つ頃には今までの記事を抜いて閲覧数個人記録に…!恐るべしパリという土地の魔力。
そこで、やっぱり海外の音楽ライフに興味がある方は多いのではないか?ということで(味をしめてしまったので)、今回はパリのジャズシーンの聖地の一つ、New Morningについてお届けしたいと思います。

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New Morningはパリ市の北側、10区のChâteau d’Eau(シャトー・ドー)駅にある1981年開業のジャズクラブです。

シャトー・ドーはあまり評判の良くないパリ北駅の近くにあり、アフリカ系、アラブ系を中心にインド・パキスタン系等、さまざまな地域出身の人々が住む移民街となっています。なので、いわゆる「おフランス」というイメージのパリを想像してくると面食らうかもしれません。街並みもいわゆる綺麗な観光地という感じではなく粗雑な感じで、治安も一般的にはあまりいい方ではないかも…。特にライブ後は大抵暗くなっているので、女性の一人歩きは正直あまりオススメできないかな…。
ただ、さまざまな地域の料理が安く食べられたり、色々な背景の人と出会えたり、国際都市パリの魅力を清濁あわせて知る、という意味ではいい街だと思います。(筆者は住みたいレベルで好きですよ!)

そんなシャトー・ドーにあるジャズクラブがNew Morning。
元々は新聞の印刷工場だった建物をジャズクラブに改装、1981年にアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのコンサートで歴史に幕を開けます。

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こんな感じで、コンサートにはかなりの人が集まります。

New Morningでは地元フランスはもちろん、アメリカ、ヨーロッパ各国と幅広い地域のミュージシャンのプログラムを楽しむことができます。反対にジャムセッションはやっていないので、そちらが聴きたい場合は別の店が選択肢になりますね。
値段は基本30ユーロ以下。ドリンクを飲んでも10ユーロ程度で収まりますし、ペットボトル等の持ち込みもできます。すぐ近くにスーパーがあるのでそこで買ってもOKです。


……ところで、このNew Morning一つ大きな欠点がありまして。
何かというと、全席自由なこともあって、いい席が取りたい場合は開場よりかなり早めに行って並ばなければなりません。出演アーティストにもよりますが、列の先頭付近を目指すなら大体1時間が目安ですね。
おまけに、開演は大抵の場合、開場の1時間後。コンサート本編以外に2時間ほどの時間を見越さないといけないというのは、あまりうれしくないところですね。
なので、個人的なオススメとしては、早めに着いたら向かいのカフェのテラスでコーヒーを飲みながら、人が並び始めないか様子を伺うという方法です。これならまあ多少ですが、調整ができますし、結構な割合でリハーサルを終えた出演者が一服しに来ます。パリの友人と歓談していることもあれば、お客さんとふつうに話していることもあるので、運が良ければ憧れのアーティストとお近づきになれるかもですね笑

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向かいのカフェ(右側)

ちなみにNew Morning正面口前のスペースで出演アーティストがタバコを吸ってることもわりとあります。休憩時間には、お客さん同士で雑談したりもします。

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中はこんな感じ。かなりステージが近いことが分かるかと思います。
オススメは奏者を細かくみたいなら最前列、全体をゆったりみたいなら正面最後列の少しせり上がったところです。左右の奥にはソファスペースもあるので、あまりステージは見えませんが、のんびり飲みながら耳を傾けるというのもありですね。

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バー・コーナーもあります。お値段は良心的。
ここでお酒を買って、一緒に来た人と開演までの時間、一杯目のお酒を飲むという人が多い印象です。ちなみに演奏中もふつうに買えます。

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ステージが近いこともあって開演前や休憩中には機材をじっくり観察することができます。ありがてぇ…!

演奏も近くから臨場感たっぷりに見ることができます。

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上から順に、オデッド・ツール、ジョン・スコフィールド、ミハエル・ウォルニー、クリス・ポッターがそれぞれリーダーを務めるグループ。
フランスではライブ中も撮影OKなことがほとんどですね。アーティスト側もそれをSNSに挙げて宣伝したり。


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写真は終演後、憧れのベーシスト、ティム・ルフェーヴルと!(でっかい)
シグネチャーペダルにサインももらってしまいました笑
こんな感じで、コンサートの後には出演者が出てきて、お客さんと雑談していたりします。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
パリにはいくつかのジャズクラブがありますが、各国から選りすぐりのプレイヤーが集まるということで、New Morningは一番のお気に入りです。
ハービー・ハンコックだったりみたいな超大御所やスナーキーパピーのような大所帯の人気グループはさすがに大ホールクラスのもっと大きな会場になってしまいますが、個人的にはこれくらいの値段と箱のサイズ感、気取らない雰囲気が一番好みです。
パリに立ち寄る際はぜひプログラムをチェックしてみてください!

追加

YouTubeを見ていたら、まさにNew Morningのドキュメンタリーが公開されていました!どんな雰囲気かがなんとなく味わえるし、行くこと行ったことがあれば倍楽しめると思うのでぜひご覧ください。





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