悪魔と契約してでも、は比喩であるとして
悪魔と契約してでも、という言葉がある。
漫画やアニメでよく使ってそうな言葉だ。
実際に使っている言葉は見たことはないが。
意味合いとしては何が何でもということなんだろう。
あるいはこうなったら手段を選んでいられないとでも言うのだろうか。
ここ5年間くらい、中学の時から色々行っていたサロンなり、セミナーとかでわずかの期間親交があり、今となってはネットでしか繋がりのない友人たちからこの言葉をよく聞く。
不思議なことに、これらの発言はそれぞれ別々のコミュニティで知り合った人からだった。人間関係というのは不思議なもので、近いときは気づかないのだが、離れてみると似たような輪郭の人物と仲が良かったことに気づく。それはとても面白いことだ。
そして、わりと同時期に似たような発言を聞く。
それは村上春樹だったり、ビジネス書からの引用だったり、自分にしか見えないイマジナリーフレンドと話す体だったりするのだけども。意味合いとしてはどれも同じだった。
悪魔と契約してでも
言葉だけ聞くと、なにか犯罪でも起こすんだろうか、でかいことでも起こすんだろうか、働きにでも出るんだろうか、と気にはなってはいたのだけども。
だいたいがチックトックをはじめてみたとか、婚活するとか、noteなどのブログをはじめてみたとか、就活してみたとか、今までは文学を書いてたけど異世界転生ものを書くとか、なんだ。
みんながやっているものを、自分もやるというのに拒否感がある。または、傍目からは成功者が多いジャンルに対して、楽してお金を稼いでいるという偏見がなぜかあったりする。
そうした反発を見せながら。やれやれが文頭に来そうな長文の末に始めてやるか、という流れがさ。なぜか僕の友人には多いんだよ。
プライドが高いというか。こだわりが強いというか。自分の中で決めた道があったとして。その道以外を通ることは、なにかに負けることだと思っているフシがある。
しかも、今まで興味がなかったみたいな前ふりがあるんだけどさ。じつはこっそり見ているのが、SNSの文章を読んでいるとわかる。
顔を知っているし、セミナーやサロンで知り合ったという性質上。その人の自分史やらプロフィールみたいなのも知っててさ。だからこそ、もったいないな、とも思うんだよ。
彼らを見ていて、よく思うんだ。
そもそも、”悪魔と契約してでも”という意味合い通りの行動なのか。
だいたいの行動は、嫌いなやつと同じ班になった程度のもので。もっと自分の夢に対してなりふり構わない行動があるんじゃないか。それを誰かが率先してやれば、もっと周囲が面白いことにならないだろうか。
その誰か、というのが、僕じゃないかと思ったんだ。
最近、twitterで美少女文庫の500冊読むことと、電子書籍の出版を目標とすることを宣言したのもその一環なんだよ。
僕は小説家になりたいと思っている。ただ、なりたいと思っていても、じつはそこまで書きたいものというのがあるわけじゃない。
一応は中学の時にいじめられてて、学校に行きづらくなったことがあるから。そのへんのことを言語化して小説として書きたいと思っていたんだけども。その当時は僕は日本語の語彙が少なくて、自分の感情に対してどういう言葉で表していいのかがわからなかったし。意識がとぎれて時間が飛ぶことがしょっちゅうあったから、心が傷ついているののに、傷ついた事件に対する仔細がわからなくて、重松清のような学校ものがどうしても書けなかった。
また、そういうアイデンティティーを抱え込んでいるとして、創作物を介して発露するジャンルは文学である必要があるのだろうか、とも思った。
もちろん、ライトノベル作家を目指すのもありなんだ。よくあることだし、一時期はそうだった。『ブギーポップ』みたいな学園モノにちょっとファンタジーを混ぜてもいいし、『人類は衰退しました』みたいに、ちょっと不思議な世界を舞台にして思春期の精神の流れをメタファーで書くことだってできるだろう。
ただ、それは本当の意味でなりふり構わないと言えるのだろうか。正直に言えば、どこかに明け渡していないプライドがまだ残っているような選択肢な気がする。
なにかもっとかっこ悪いことをしてやりたい、自分のことを知っている人間が”何やってんだこいつ”と思われるようなことを。
そのうえで、何かしらの大きな成果を残してみせれば。
相手の心の底にしまい込んだ小さな宝箱を開けてやれるんじゃないか、そう思った。
官能小説をネットで書いてやろう。
と、思ったのがそれが理由だった。
相手に自分を馬鹿にさせた上で、彼らの奥底にある自尊心に揺さぶりをかけてやりたい。そういういたずら心が自分にはある。
あるのだけれども、なかなかうまくいかない。
自分が思っているよりも、R18を書くうえでのアイデアが少ないということもあるし、何時間も机で作業するのが苦手というのも。
だけど、ホントは僕には、相手の心の隙間に入って、何もぶち壊してやりたいという気持ちがあって。そのためにはどんなこともやる。そういった気持ちがあるはずなんだ。そのことは忘れずにいたい。
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