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さらに円安が進むのか?

ドル円がじりじりとドル高円安方向に進んでいます。3月下旬までは1ドル=150円程度だったのに、いまや160円近辺までドル高になっています。日本政府・日銀の介入への警戒もあって急激な変化ではないのですが、ドルじり高と言えます。

奇妙なことに、日米の長期金利の差はこの期間、拡大するどころか縮小しています。米長期金利は一時上昇しましたが4.2パーセント程度に戻ってきています。いくつかの経済指標でインフレの継続リスクが緩やかに低下しているように見えるからです。

一方で、日本の長期金利は0.7パーセント程度からだいたい1パーセントに上昇しました。わずかの変化ですが、日米の長期金利の動きを見る限り、円高に進んでもおかしくないのです。

ドル高継続の理由は、日米の中央銀行の心配性の継続のせいと言えそうです。米連邦準備理事会(FRB)はインフレの落ち着きにもかかわらず利下げを見送り、日銀は長期国債の買い入れ額を減らすとしながら具体的な計画の決定を7月に持ち越したからです。

ドル円の方向性は、いままで以上に中央銀行の動き次第になってきています。つまり、経済指標やインフレ率なども影響はしていますが、中央銀行がいつ次の行動を起こすのかのほうがさらに大事になっています。

長期金利で示されるように、長い目で見ればアメリカの利下げと日本の利上げが円高圧力となるでしょう。しかし、まだしばらく日米中央銀行は臆病な動きとなり、金利差があまり変わらなさそうです。当面、160円程度をはさむレンジでの取引になるとみています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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