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アメリカ中間選挙は市場に影響を与えるか

アメリカの中間選挙の結果は、上院では民主党が過半数を維持できました。下院は、いくつかの州の決選投票を待つのでまだしばらく明確ではありませんが、優勢と見られた共和党が過半数を抑えるとしても、地滑り勝利とならなかったことは明らかです。いずれにせよ、今回の選挙結果が今後の株式・債券市場を大きく動かすとは考えていません。

株式市場にとって共和党が強いほど良いという考えがあります。民主党には企業増税や自社株買い制限、金融所得課税強化などの考えを持つグループがあるためです。しかし、そうであれば上院も下院も過半数が民主党、大統領も民主党であるうちにそれらが実現しそうなものですが、民主党内の意見がまとまらないため、実際にはそうなりませんでした。今後も民主党が多数派となっても実現しないと予想します。

一方、共和党が下院で多数派となると、現政権に対抗してしばしば「債務上限引き上げ法案」に反対するという政治ドラマが繰り広げられやすくなります。毎年この法案を通さないと政府が国債を十分発行できず、連邦政府の一部が閉鎖されることになるので、共和党が通したい政策との取引条件にされてしまい、政治的な妥協までしばらく連邦政府が閉じられても経済的な影響は大きくありませんが、市場は神経質になるかもしれません。

結局、下院選の多数派がどちらであれ、材料は好悪の両方があり、しかもどちらにせよインフレや経済を大きく変えるとは思えません。それゆえ、株式や債券市場を大きく動かすとは考えません。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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